ヌルデ

白膠木、塩麩子 ムクロジ目/ウルシ科/ヌルデ属 花期/8月末~9月中旬 結実期/11月~12月
学名/Rhus javanica L. var. chinensis (Mill.) T.Yamaz.

有毒危険薬用自生種

ヌルデの雄花 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

#ヌルデの雄花 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

林縁部などに生える落葉小高木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。ウルシ(漆)の仲間。樹液がウルシのように塗り物に使われたらしい。湘南・鎌倉・三浦半島でもまま見かけることがある普通種。川沿いの林にも多い。とはいえ、汚らしく荒れているものが多く、花見に足る状態の木はほとんどない。材は護摩木(ごまぎ)に用いられることが知られる。護摩木とは仏教の護摩法要で炎に投じられて焚(た)かれる木片のこと。護摩法要は天台宗や真言宗などの密教で多く行われている、主に不動明王(ふどうみょうおう)を本尊とし、護摩壇で火を燃やして願い事をする修法(しゅほう)。

ヌルデの低木 横浜市金沢区・釜利谷陸橋 2018/05/20

ヌルデの低木 横浜市金沢区・釜利谷陸橋 2018/05/20

ヌルデの雄株 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

#ヌルデの雄株 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

実だけを残した冬のヌルデ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15

実だけを残した冬の#ヌルデ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15

葉は奇数羽状複葉。オニグルミ(鬼胡桃)と混同しやすいか。ヌルデの葉軸には翼(よく)があることだけを覚えておけば見分けは簡単。春の葉はきれいだが、花咲く夏の終わりになってはかなり傷みが目立つように。

ヌルデの初夏の葉 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/28

ヌルデの初夏の葉 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い 2018/04/28

ヌルデの初夏の葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヌルデの初夏の葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヌルデの初夏の葉 茅ヶ崎市中島・小出川沿い 2018/06/07

ヌルデの初夏の葉 茅ヶ崎市中島・小出川沿い 2018/06/07

ヌルデの花期の葉 藤沢市稲荷・引地川沿い 2018/09/12

ヌルデの花期の葉 藤沢市稲荷・引地川沿い 2018/09/12

ヌルデの虫こぶ

虫こぶまたは虫癭(ちゅうえい)とは、植物に小さな虫の幼虫などが寄生することによってできる不思議なこぶ状の膨らみのこと。


ヌルデノミミフシ(ヌルデミミフシ)

ヌルデの葉軸から子供の拳くらいの大きさがある、いびつな果実のようなものがぼこぼこと生え出ていたらこれ。ヌルデシロアブラムシというアブラムシの仲間が寄生して瘤(こぶ)状に膨らんだ棲み家。虫こぶの中は空洞になっており、アブラムシが大量にいる。五倍子(付子(ふし)、ごばいし)とも呼ばれ、染料や生薬の原料にもなるタンニンが多く含まれているため、かつては人為的に生産されていたほど。お歯黒もヌルデの虫こぶ由来成分が使われていた。

ヌルデノミミフシ(五倍子)の残骸 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21

ヌルデノミミフシ(五倍子)の残骸 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21

ヌルデノミミフシ(五倍子)の残骸 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21

ヌルデノミミフシ(五倍子)の残骸 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21

ヌルデノミミフシ(五倍子)の残骸 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21

ヌルデノミミフシ(五倍子)の残骸 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21


ヌルデハベニサンゴフシ

ヌルデの葉軸にできるぼんぼん状のサンゴ(珊瑚)のような形状の虫こぶ。見頃は真夏。夏が終わると中に寄生していたヤノハナフシアブラムシが脱出し、枯れたように黒ずむ。

ヌルデハベニサンゴフシとヌルデノミミフシ(五倍子) 大井町山田・下庭入口 2023/09/20

ヌルデハベニサンゴフシとヌルデノミミフシ(五倍子) 大井町山田・下庭入口 2023/09/20

脱出が始まったヌルデハベニサンゴフシ 大井町山田・下庭入口 2023/09/20

脱出が始まったヌルデハベニサンゴフシ 大井町山田・下庭入口 2023/09/20

ヌルデの幹(樹皮) 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15

#ヌルデの幹(樹皮) 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15

ヌルデの花

花弁が強く反り返り、雄蕊が突き出ているものが(雄株の)雄花。良い蜜源になるようでハチ(蜂)やアリ(蟻)などが多数集まる。近似種のハゼノキ(櫨の木)は初夏咲き、ヌルデは秋咲き。

ヌルデの雄花 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

#ヌルデの雄花 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

ヌルデの雄花 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

#ヌルデの雄花 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

ヌルデの雄花 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

#ヌルデの雄花 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

花弁は反り返らず、雌蕊の柱頭(ちゅうとう)が目立つのが(雌株の)雌花。子房を囲うように退化した雄蕊がある。子房が赤っぽく染まっているのは受粉を終えた花か。

ヌルデの雌花 藤沢市稲荷・引地川沿い 2018/09/12

ヌルデの雌花 藤沢市稲荷・引地川沿い 2018/09/12

ヌルデの雌花 藤沢市稲荷・引地川沿い 2018/09/12

ヌルデの雌花 藤沢市稲荷・引地川沿い 2018/09/12

ヌルデの雌花 藤沢市稲荷・引地川沿い 2018/09/12

ヌルデの雌花 藤沢市稲荷・引地川沿い 2018/09/12

花期は秋の長雨や台風と重なりやすいため、ヌルデのきれいな花を観察するのは意外と難あり。

ヌルデの実

ハゼノキの実よりも粒が小さく、赤みが強め。

ヌルデの若い実 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

#ヌルデの若い実 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2019/09/17

ヌルデの熟す前の実 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2020/11/14

#ヌルデの熟す前の実 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2020/11/14

ヌルデの熟す前の実 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2020/11/14

#ヌルデの熟す前の実 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2020/11/14

ヌルデの熟す前の実 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2020/11/14

#ヌルデの熟す前の実 茅ヶ崎市・上ノ田公園 2020/11/14

ヌルデの完熟した実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/12/02

ヌルデの完熟した実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/12/02

ヌルデの完熟した実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/12/02

ヌルデの完熟した実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/12/02

ヌルデの完熟した実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/12/02

ヌルデの完熟した実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/12/02

ヌルデの実 横須賀市野比・かがみ田谷戸入口 2023/01/20

ヌルデの実 横須賀市野比・かがみ田谷戸入口 2023/01/20

ヌルデの完熟した実、いまだ鳥には食べられず 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21

#ヌルデの完熟した実、いまだ鳥には食べられず 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21


横浜市金沢区・金沢自然公園(#なんだろ坂に高木、園外の横浜横須賀道路釜利谷陸橋東側に低木)、横浜市栄区・横浜自然観察の森(樹木ウォッチング49番の札あり

衣笠山公園(若芽堰から竹林方面へ)、茅ヶ崎市・#上ノ田公園、二宮町・吾妻山公園

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