翹揺 マメ目/マメ科/ゲンゲ属 花期/3月下旬~5月
学名/Astragalus sinicus L.
自生種改良種
ゲンゲ(レンゲソウ) 平塚市田村 2024/04/07
田んぼで栽培される一年草(越年草)。中国原産の外来種であるが、古い時代に渡来したため在来種の扱いをされることがある。奇妙な名前は翹搖という中国名からか。漢名は紫雲英とも。日本では、学術的にはゲンゲの名が用いられるが、一般の人はふつうレンゲソウ(蓮華草)と呼ぶ。略してレンゲ。ハス(蓮)の花に雰囲気が似ていることから。なお中華料理用スプーンのレンゲ(チリレンゲ(散蓮華))はハスの散った花びら一枚に形状が似ていることから。昭和時代(-1989)は緑肥(りょくひ)として田んぼに大量のタネが蒔かれ、まだ水が張られていない田んぼ一面に本種の花が大群生をしている、という光景(レンゲ畑と呼ばれる)がよく見られた。マメ科の植物には空気中の窒素を取り込むという特殊能力があるため、これを田んぼに鋤(す)き込んでしまえば窒素肥料になるという仕組みであった。ウシ(牛)の餌になる牧草として、あるいは花はミツバチ(蜜蜂)の蜜源としても有用であった。現在は化学肥料の普及などもあって、本種の利用はかなり廃れ、湘南・鎌倉・三浦半島では(田んぼそのものもだいぶ減少しているが)レンゲ畑は滅多に見られない、”春の風物詩”も過去のものに。地域住民のふれあいなどを目的に「レンゲまつり」などと称した行事もあったが、それも消滅傾向に。過去に栽培していたものの名残りが田んぼ周辺で一部野生化していることあり。
#ゲンゲ(レンゲソウ)のレンゲ畑 座間市座間 2023/04/16
#ゲンゲ(レンゲソウ)のレンゲ畑 座間市座間 2023/04/16
#ゲンゲ(レンゲソウ)のレンゲ畑 座間市座間 2023/04/16
昔は幼稚園児あたりが近所のレンゲ畑に勝手に入り込んで傍若無人に駆けずり回って遊ぶという光景は少なからずあった。レンゲ畑は方々にたくさんあったが、あちこち踏まれてぐちゃぐちゃだった。花は勝手に摘み放題だった。今の時代はそんなことをすると問題になるので注意されたい。田んぼは私有地だから許可なく入るな、蒔いているタネだってカネを払って買っているのだ、肥料として育てているのだから踏み荒らすな、花も摘むな、犯人はネットに晒す、器物損壊罪で警察に通報する、という騒動になっているところも。
#ゲンゲ(レンゲソウ)のレンゲ畑 座間市座間 2023/04/16
ごく少数だけ咲いていた野生化したゲンゲ(レンゲソウ) 平塚市田村 2024/04/07
手に取るな やはり野に置け 蓮華草──
元は遊女を身請けしようとした友人をたしなめた言葉というが、いまは「野草を盗掘しないで」という意味で使われることがある。野に咲くゲンゲ(レンゲソウ)は野にあってこそ美しいと感じるもの、それを摘み取ってきて自分の家に飾ってみたところで美しさは損なわれてしまう(というより、おそらくしんなりしなびてしまう)から、野草は身勝手に採って来ないで咲いているところに見に行きなさい、というお叱り。
#ゲンゲ(レンゲソウ) 座間市座間 2023/04/16
#ゲンゲ(レンゲソウ)の葉 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2023/04/01
新手の緑肥としてクリムソンクローバーなどが用いられることも。
ゲンゲ(レンゲソウ)の花
10個程度の花が輪生するように咲く。ムラサキツメクサ(紫詰草)などのようなぼんぼんにはならず、一段のみ。
#ゲンゲ(レンゲソウ) 座間市座間 2023/04/16
#ゲンゲ(レンゲソウ) 座間市座間 2023/04/16
#ゲンゲ(レンゲソウ) 座間市座間 2023/04/16
#ゲンゲ(レンゲソウ) 座間市座間 2023/04/16
真上から見た#ゲンゲ(レンゲソウ) 座間市座間 2023/04/16
真上から見た#ゲンゲ(レンゲソウ) 座間市座間 2023/04/16
#シロバナゲンゲ 座間市座間 2023/04/16
ゲンゲ(レンゲソウ)の実
#ゲンゲ(レンゲソウ)の未熟な実 座間市座間 2023/04/16
#ゲンゲ(レンゲソウ)の未熟な実 座間市座間 2023/04/16
藤沢石川・#レンゲの里(4月下旬の土曜日および日曜日に「石川レンゲの里まつり」、滅失)、藤沢市宮原(みやばら)・#レンゲの里(4月下旬~5月上旬に「藤沢宮原レンゲの里まつり」、滅失)
大和市下和田・#やまとふれあいの里(渋谷中学校南西、4月29日(昭和の日)午前中に「レンゲまつり」)、#綾瀬市早川(綾瀬西高校東方、かながわの花の名所100選「綾瀬・城山れんげの里」、滅失)、#厚木市長沼(かながわの花の名所100選「長沼のレンゲ畑」、滅失)