竜舌蘭 クサスギカズラ目/クサスギカズラ科/リュウゼツラン属 花期/7月中旬~8月中旬
学名(リュウゼツラン)/Agave americana L. ‘Marginata’
学名(アオノリュウゼツラン)/Agave americana L.
外来種
生態系被害防止外来種リスト「重点対策外来種」
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
園芸栽培される、アメリカ南部のテキサス州とメキシコを原産とする、大型な常緑の多年草。アロエの仲間かと思しき姿をした巨大な多肉植物であるがアロエではない。サボテンでもない。ランの仲間ではまったくない。ユッカには近い。黄色い斑入りの葉ならリュウゼツラン、斑なしの基本種はアオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭)という。葉がふつうの緑色ではなく少し青色がかっている。本来は斑なしがリュウゼツランで斑入りはフイリリュウゼツランなどと呼ばれるべきものであるが、斑入り品種の方が先に日本に入って来てリュウゼツランという和名を得てしまったため、後になって斑なし品種には半ば強引にアオノを付けて呼ぶことにした次第である。俗に両方合わせてリュウゼツランと呼ばれる。※本頁も特に分けずに併せて掲載する。近似種も含めて、リュウゼツラン属に分類される植物を意味するアガベ(アガヴェ)の名前で総称されることも。開花するまでに三十年とも五十年かかるともいわれ、テレビはとうとう百年に一度咲くとまで言い出すところがあったりなかったり。いずれにせよ、ふつうは数十年かけて大株に育ったところで開花に至る。なんでも戦後の高度成長期に当たる昭和30年代(1955-64)に日本でサボテンブームが巻き起こったとかで、その時に似たような多肉植物として本種も併せて植えられたらしい。昭和34年(1959)開園の静岡県伊東市・伊豆シャボテン公園(現伊豆シャボテン動物公園)や昭和38年(1963)開園の神奈川県真鶴町・真鶴サボテンドリームランド(のち真鶴サボテンランド、現お林展望公園)はこの流行りに乗っかった南国情緒豊かでモダンなレジャー施設であった。もしかしたらその当時からそこかしこで栽培され続けてきたものが近年花を咲かせている古株たちなのかもしれない。花が咲いた後に実ができたら、(地上部は)枯れておしまい。但し、その頃には隣に子株が既に生えていよう。
花茎成長途中の#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/06/12
#リュウゼツラン 逗子市・浪子不動園地 2017/07/22
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 横須賀市秋谷・久留和 2024/07/21
#リュウゼツランの葉 逗子市・浪子不動園地 2017/07/22
#リュウゼツランと#アオノリュウゼツランの葉の比較 横須賀市秋谷・久留和 2024/07/21
#アオノリュウゼツランとリュウゼツランの葉 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2020/06/04
#アオノリュウゼツランの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/11/06
#アオノリュウゼツランの葉(にしては緑色過ぎるが) 鎌倉市・青蓮寺 2018/03/13
葉がぴんと上向きに立っているうちは大株でもまだ花は咲かない。全体的に葉がだらりと垂れてくると開花が近いと思われる。
#アオノリュウゼツランの葉 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツランの葉 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
リュウゼツランはメキシコの酒「テキーラ」の原料である、とする話が新聞テレビ等に散見されるが誤り。テキーラの原料は同じリュウゼツラン属に分類される近似の別種(アガベ・テキラナ(アガベ・テキラーナ)、学名/Agave tequilana)。
リュウゼツランの花
一本の花茎(かけい)を天高くまで伸ばしてその先で花を咲かせる。あまりに背高なため正確な高さは計り知れないが、10m近いものもあるのではないか。湘南・鎌倉・三浦半島の露地で(外来種ではあるが)一般的に見られる植物としては”最も背が高い草”だろうと思われる。”最も大きい草”という表現になるとバショウ(芭蕉)がライバルになってくるか。花は下の段から徐々に上へ上へと咲いてゆき、全体的に満開することはない。もうちょっと全体的にたくさんぶわっと咲いてほしいなあと思って待っていると最下段からどんどん咲き終わって汚くなってゆくので要注意。真ん中よりちょっと下の段が咲いているときが最も見栄えが優れるのではないか。
#アオノリュウゼツランの蕾 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/06/12
#アオノリュウゼツランの蕾 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツラン 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#リュウゼツラン 逗子市・浪子不動園地 2017/07/22
#リュウゼツラン 逗子市・浪子不動園地 2017/07/22
#アオノリュウゼツラン 横須賀市秋谷・久留和 2024/07/21
開花にかかる正確な年数は不明。ふつうに考えれば個体差はあるだろうと思われる。本種はじつは植物園・公園・学校・マンション・会社・別荘・民家などのあちらこちらに思いのほかふつうに植えられており、神奈川県内だけでもおそらく数百株、下手すれば千株近くはあるのではないだろうか。従って、近隣市町村まで足を伸ばせれば花は毎年のように見ることができるだろう程度のものでしかない。幻どころか、希少性は特にない。新聞に”五十年に一度しか開花しない幻の花が咲いた”と毎年毎年掲載できることからもお察しいただけるはずである。
何もないところから伸びてきた#アオノリュウゼツランの花茎 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/06/12
#アオノリュウゼツランのなぜか花茎を伸ばした幼株 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツランのなぜか開花した幼株 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツランのなぜか開花した幼株 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
#アオノリュウゼツランのなぜか開花した幼株 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2024/07/20
リュウゼツランの実
秋から冬に熟す。それに合わせて葉が枯れる。枯れたあとも茎は長いこと直立したまま暴風にも耐え、朽ちて倒れるのは春になって以降。
#リュウゼツランの実の残骸 逗子市・浪子不動園地 2018/02/15
#リュウゼツランの実の残骸 逗子市・浪子不動園地 2018/02/15
#リュウゼツランの枯れた葉 逗子市・浪子不動園地 2018/02/15
#アオノリュウゼツランの実の残骸 横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校 2019/06/06
まだあった#アオノリュウゼツランの実の残骸 横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校 2019/08/11
#天神島臨海自然教育園(入口外に多数、園内2株)、#浪子不動園地(平成26年(2014)2株、平成29年(2017)1株開花・他は若い1株を除いて残存なし、滅失)、#大船フラワーセンター(エレベーター裏の花壇に1株=鉢植えごと埋設されているので移植される可能性も)、#江の島サムエル・コッキング苑(25株以上あり、平成20年(2008)6株開花、平成23年(2011)~平成26年(2014)4年連続開花、令和6年(2024)2株+3小株開花)
#くりはま花の国(ハーブガーデンに1株)、#横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校(平成31年(2018)開花)、#大船中学校(正門内)、#SPORTIFF茅ヶ崎店(新装開店で滅失)、#辻堂海浜公園(北入口の花壇)、#花菜ガーデン(キッズファーム?、同所にアガベ・アリゾニカ(葉が短い)とアガベ・ストリクタ(葉が細い)とイトランも)
横須賀市秋谷・久留和のアオノリュウゼツラン
私も7月21日天神島へ行った帰り、バスの窓から見つけバスを降りて撮影しました。
午後3時50分ごろでしたが、時間差で出会えなかったのが残念。