カワラサイコ

河原柴胡　バラ目／バラ科／キジムシロ属　花期／6月～7月
学名／Potentilla chinensis Ser.

自生種稀少保護

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

河川中流域以上の日当たりの良い砂礫（されき）河原に生える多年草。名は、河原に生えて、根がミシマサイコ（三島柴胡）のように肥大するもの、の意。ロゼット状に根生葉（こんせいよう）を広げて一直線に長い茎を這うように伸ばし、株の直径は80cm程度にも達するのでなかなか大きな一塊となる。高さは（周辺に寄りかかる他の植物なくば）30cm程度まで。神奈川県内では、多摩川・相模川・酒匂川（さかわがわ）の三川、および、流れ着いた種子によるものか湘南海岸の砂浜に自生あり。というけれど、湘南海岸で見かけた例（ためし）なし。長らく湘南海岸は砂の流出や飛散などの問題があって重機が入り込み大掛かりな土木工事を行っていることもあって、お目にかかれる機会はそうそうないのではないか。湘南・鎌倉・三浦半島ではほぼ見かけないものなのでたいへんな希少種といった印象しかないが、河川を遡上（そじょう）すればそれなりに数はあるのだろうか、神奈川県の絶滅危惧種に指定されていない。相模川では珍しくはないとか。

河原に生えたカワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

河原に生えたカワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

河原に生えたカワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

河原に生えたカワラサイコ（ピンクは帰化したムシトリナデシコ）　小田原市・酒匂川　2024/06/10

河原に生えたカワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

河原に生えたカワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

近似種にヒロハノカワラサイコ（広葉の河原柴胡）あり。根生葉の側小葉の数、付属小葉片の数、萼片外側の色、副萼片の形状、の違いで明確に見分けられる。

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/07/07

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/07/07

根生葉は奇数羽状複葉。側小葉は片側およそ10枚以上と多い。ヒロハノカワラサイコの側小葉は片側6枚程度しかない。側小葉と側小葉の間に小葉の出来損ないみたいなごく小さな付属小葉片なるものが積極的に出現する。ヒロハノカワラサイコの付属小葉片は最も先端側の側小葉下に左右一対のみ出現することがある程度。

カワラサイコの茎生葉（けいせいよう）　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコの茎生葉　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコの茎生葉　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコの大きな茎生葉　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコの根生葉　小田原市・酒匂川　2024/07/07

カワラサイコの根生葉（側小葉片側13枚、白色矢印は付属小葉片）　小田原市・酒匂川　2024/07/07

カワラサイコの根生葉　小田原市・酒匂川　2024/07/07

カワラサイコの葉裏　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコの茎　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコの花

見慣れたヘビイチゴ的な黄色花を咲かせる。花径2～2.25cm。

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

カワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/06/10

萼片外側は萼片内側と同じ緑色をしている。ヒロハノカワラサイコは萼片内側は無毛で緑色だが、萼片外側は白毛に覆われていて白い。萼片と萼片の間に細い線状の副萼片あり。ヒロハノカワラサイコの副萼片は萼片とほぼ同形である。

カワラサイコの萼片と副萼片　小田原市・酒匂川　2024/06/10

気温が高くなった時期（令和6年（2024）は6月末から最高気温は30℃を超えてきた）の午後には花弁が傷み脱落したものが目立った。萼片の内側と外側の色の違い、萼片と副萼片の形状の違い、などは観察しやすくなるが。（真偽は確かめていないが）一日花という話があるので、花見は午前中の早めに。

花弁が脱落したカワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/07/07　14：24

花弁が脱落したカワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/07/07　14：27

花弁が脱落したカワラサイコ　小田原市・酒匂川　2024/07/07　14：37

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