ナシ

梨 バラ目/バラ科/ナシ属 花期/3月下旬~4月中旬 収穫期/8月~9月
学名/Pyrus pyrifolia (Burm. f.) Nakai var. culta (Mak.) Nakai

改良種

ナシの花 寒川町宮山 2013/03/24

#ナシの花 寒川町宮山 2013/03/24

農家が所有する果樹園で栽培される、中国原産のヤマナシ(山梨)を元に品種改良されてきた落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。果樹園では管理がしやすいように無理矢理にも低木に仕立てられているはずである。実が、果物のナシ。樹木としても呼称はナシで、俗にナシノキ(梨の木)と呼ばれることはあるかもしれない。古来より日本で栽培されてきた品種群を総称してワナシ(和梨)またはニホンナシ(日本梨)という。他に、セイヨウナシ(西洋梨)と、馴染みはないと思うがチュウゴクナシ(中国梨)という系統がある。湘南・鎌倉・三浦半島では寒川町で比較的盛んに’幸水(こうすい)’という有名な品種が生産されており、農業協同組合(農協)に加盟する農家は12軒にのぼる。海老名市や大和市などと共に「湘南なし」のブランド名で売出しを図っている。収穫は8月以降。季節になると農家の直売所でも売られるようになる。現代の主力品種は’幸水’と’豊水(ほうすい)’。

果樹園のナシ 二宮町・二宮果樹公園 2021/06/18

果樹園の#ナシ 二宮町・二宮果樹公園 2021/06/18

県指定天然記念物「ナシ、モモ原木群」のナシ 二宮町・二宮果樹公園 2021/06/18

県指定天然記念物「ナシ、モモ原木群」の#ナシ 二宮町・二宮果樹公園 2021/06/18

ナシ('長十郎')の葉 平塚市・花菜ガーデン 2020/06/29

#ナシ(’長十郎’)の葉 平塚市・花菜ガーデン 2020/06/29

ナシの幹(樹皮) 二宮町・二宮果樹公園 2021/06/18

#ナシの幹(樹皮) 二宮町・二宮果樹公園 2021/06/18

ナシの花

花は純白で美しいが、開花は展葉と同時である。スダジイ(須田椎)クリ(栗)と同系統の不快な臭気を強めに放つ。果樹園以外ではまず見ない。また果樹園は虫除けの保護網で囲ってあること多く、花を観賞する機会はなかなか得られない。ナシは、果樹園で、人の背丈ほどの高さで水平棚仕立てで栽培されているのが特徴。開花が始まると農家は授粉作業に忙しくなる。自身の花粉または同品種の花粉では実ができにくい自家不和合性(じかふわごうせい)という性質があるため、相性の良い異なる品種の花粉を用いて授粉させる必要がある。

ナシの水平棚仕立て 寒川町宮山 2013/03/24

#ナシの水平棚仕立て 寒川町宮山 2013/03/24

ナシ('長十郎')の蕾 平塚市・花菜ガーデン 2023/03/22

#ナシ(’長十郎’)の蕾 平塚市・花菜ガーデン 2023/03/22

ナシ('豊水')の蕾 平塚市・花菜ガーデン 2023/03/22

#ナシ(’豊水’)の蕾 平塚市・花菜ガーデン 2023/03/22

※以下、花終わり時期のものにつき葯(やく)が変色している可能性。

ナシ('幸水') 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

#ナシ(’幸水’) 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ナシ('幸水') 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

#ナシ(’幸水’) 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ナシ('豊水') 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

#ナシ(’豊水’) 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ナシ('長十郎') 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

#ナシ(’長十郎’) 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

花柄(かへい)と萼は緑色で無毛。萼筒(がくとう)はくびれる。

ナシ('長十郎')の萼 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

#ナシ(’長十郎’)の萼 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ナシの実

ブドウ(葡萄)と並んで、いち早く食卓に並ぶ秋の味覚。お母さんが冷蔵庫でナシを冷やし始めたら、それで夏は終わり、秋到来となる。果皮の色の違いによって、赤茶色のアカナシ(赤梨)と、青緑色のアオナシ(青梨)の、二つの系統に分けられる。主力品種の’幸水’と’豊水’は赤梨である。

県指定天然記念物「ナシ、モモ原木群」のナシ('青龍')の若い実 二宮町・二宮果樹公園 2021/06/18

県指定天然記念物「ナシ、モモ原木群」の#ナシ(’青龍’)の若い実 二宮町・二宮果樹公園 2021/06/18

ナシ('長十郎')の未熟な小さい実 平塚市・花菜ガーデン 2020/06/29

#ナシ(’長十郎’)の未熟な小さい実 平塚市・花菜ガーデン 2020/06/29

長十郎梨(ちょうじゅうろうなし)とも呼ばれる品種’長十郎’は明治26年(1893)に現在の神奈川県川崎市川崎区出来野(できの)地区で見つかったのが始まり。品種名は発見者の屋号から付けられた。その後大正時代(1912-26)を中心に、千葉県松戸市発祥の’二十世紀(にじっせいき)’と共に主力品種として席巻したため昭和(-1989)世代には聞き覚えのある品種であるも、昭和30年(1955)代以降は’幸水’に圧倒されるようんあり、現在は(もしかしたら受粉樹として植栽されてはいるかもしれないが)果物としては市場には出て来ない、従ってスーパーマケットの売り場では見る機会がなくなった懐かしの珍種と化した。現在多摩川周辺域で栽培されているナシは「多摩川梨」のブランド名で呼ばれるが、’長十郎’は生産されていない。歯ごたえがあるため、現代人からするとかりかり硬くておいしくない。長十郎梨として川崎区の”区の木”に制定。

ナシ('長十郎')の未熟な小さい実 平塚市・花菜ガーデン 2020/06/29

#ナシ(’長十郎’)の未熟な小さい実 平塚市・花菜ガーデン 2020/06/29

果樹園で栽培されているナシの実は虫・鳥・病気などから守るため袋がかぶせられており、木になっている様子を見ることはできない。
夜間のナシ園には黄色い防蛾灯(ぼうがとう)が灯るが、太陽に似た黄色の灯りが害虫の行動を抑制するのだという。ヤガ(夜蛾)に汁を吸われた実はそこから黒く傷んでしまって売り物にならない。ナシの害虫は他にカメムシやカナブンなど。果樹園を囲うように張られた網は、目の細かいものは防虫、粗いものはカラスやムクドリなど防鳥を目的としたものである。

寒川町では’幸水’を使用し山梨県勝沼町のワイナリー蒼龍葡萄酒株式会社の協力を得て製造した「寒川の梨ワイン」の販売に力を入れている。日本初のナシのワインという。11月より本数限定で発売開始。


東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター(武蔵野ゾーンDエリア)、川崎市多摩区・#川崎市農業技術支援センター(旧川崎市フルーツパーク、愛称アグリパーク、8月および9月 梨の販売・月曜定休、かながわの花の名所100選「川崎市フルーツパーク(ナシ)」)、横浜市港北区/都築区/青葉区/緑区(ブランド梨「浜なし」、果樹園で直売のみ)、川崎市川崎区大師駅前・#若宮八幡宮(’長十郎’の苗木植栽)、横浜市南区・#こども植物園(くだもの園にセイヨウナシ、近寄れない)

鎌倉市植木・#龍宝寺(参道沿いにセイヨウナシ(西洋梨)、4月上旬)、寒川町宮山・#馬場交差点寒川町・#JR相模線宮山踏切西側果樹園(滅失=宅地化された)、寒川町宮山・#相模川畔の農地、#花菜ガーデン(フルーツフルファーム)、#平塚市上吉沢(「飛谷津(とびやつ」バス停南側)、二宮町・#東京大学果樹園跡地(東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場二宮果樹園跡地)、#二宮果樹公園(08:30-17:00、県指定天然記念物「ナシ、モモ原木群」=ナシ8品種(菊水・新高・二宮白梨・相模・青龍・祇園・玉翠・旭)・モモ1品種、8月以降果実配布)

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