鈴柴胡 リンドウ目/キョウチクトウ科/カモメヅル属 花期/6月下旬~8月中旬
学名/Vincetoxicum pycnostelma Kitag.
自生種稀少保護
環境省レッドリスト「準絶滅危惧(NT)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧II類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」
スズサイコの花 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25 06:18
丘陵地や山地の日当たりの良い草地に生える多年草。『神奈川県植物誌2018』に’やや乾いた’草地に生えるとの記載があるが、田んぼ周辺や湿原でも見ることができる。コバノカモメヅル(小葉の鴎蔓)の仲間で、蔓植物でないもの。名は、蕾が鈴に見立てられ、草姿が柴胡(さいこ)という生薬(漢方薬)に用いられるミシマサイコ(三島柴胡)に似てひょろひょろ背高なことから。Psycho(サイコ、精神病)なわけではない。極細ながら丈夫な一本の茎がすらっとひょろっと直立し、草丈は膝(ひざ)上の高さ60cmくらい。葉が細くて長いのが特徴的だが、ササ(笹)やイネ科の雑草に紛れてしまってぜんぜん目立たなかろう。花は夜間に咲き日中は閉じてしまっているため、なおさら人の目に留まらない。神奈川県内ではそもそも希少種な上、述べた通り捜索に難が多く、目撃情報がかなり少ない。湘南・鎌倉・三浦半島では限られた数地点で自生が確認されているのみ。お目にかかれない度は超希少な絶滅危惧IA類に匹敵する。
開花中のスズサイコ 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25 06:08
葉は対生。細長く、長さは17cm程度にもなる。
スズサイコの葉 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25
ミシマサイコ、カワラサイコ(河原柴胡)、ヒロハノカワラサイコ(広葉の河原柴胡)は、名前にサイコが付くが近似種ではない。いずれも絶滅が危惧される希少種という共通点はあるけれど。
スズサイコの花
花は夜間に咲く。夕方になって開花し始め、朝の直射日光を浴びると閉じてしまう。花見は、日没間際か、どん曇りの日の出の頃に。花色は黄緑色。コバノカモメヅルのように赤褐色を帯びるものもある。花径1.25cm程度。
スズサイコの花 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25 06:10
スズサイコの花 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25 06:22
スズサイコの花 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25 06:13
スズサイコの花 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25 06:25
スズサイコの花のサイズ感 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25 06:27
晴れ間が覗いてきて花が閉じ始めたスズサイコ 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/25 06:39
日中は花が閉じているスズサイコ 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/24 14:10
日中は花が閉じているスズサイコ 横須賀市・衣笠山公園 2024/06/24 14:05
横浜市緑区・新治市民の森(にいはる-、駐車場は土日祝のみ・08:30- 開場)
衣笠山公園(保護囲いに5株程度、07:30-08:30 県道26号から車両進入禁止、駐車場は 08:30- 開場)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)