宿生木、宿り木、宿木 ビャクダン目/ビャクダン科/ヤドリギ属 花期/3月~4月初旬 結実期/翌年の2月~6月
学名/Viscum album L. subsp. coloratum Kom
薬用自生種
ヤドリギ 大磯町・JR東海道本線「大磯」駅前 2023/03/04
大きな木の高いところに半寄生する常緑の小低木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。ヤドリキとは言わない。学術的には、ヨーロッパなどに分布して実が白いセイヨウヤドリギ(西洋宿生木)の亜種に位置付けられている。樹上に何やら鳥の大きな巣のような球形のぼんぼんがあったら本種である。巨大なマリモ(毬藻)に見えるかも。宿主となる樹木に根を張って養分を吸い取っているらしいが、宿主がみるみる弱っていく様子は感じられないので、ほどほどにパラサイト(寄生)するにとどめてあとは自力で光合成を行っているものと思われる。宿主はケヤキ(欅)の大木が圧倒的に多い。ときにエノキ(榎)。ごく希にそれ以外の落葉樹にも付くことがある。宿主が落葉する冬場に、にわかに人の目に留まるようになる。湘南・鎌倉・三浦半島では広域にひょんなところに自生あり。普通にそこかしこにあるというほど多からず、希少というほど少なからず。一本の宿主に複数株が生え出る傾向あり。そのすぐ隣の木には一株も付いていないのに。
ケヤキの大木に寄生したヤドリギ(白色矢印) 逗子市沼間・五霊神社 2024/01/15
鎌倉体育館前のヤドリギ 鎌倉市・若宮大路 2023/12/30
ヤドリギ 藤沢市大庭・ガスト藤沢大庭店南側 2024/02/14
ケヤキに寄生したヤドリギ 大磯町・JR東海道本線「大磯」駅前 2023/03/04
ケヤキに寄生したヤドリギ 大磯町・JR東海道本線「大磯」駅前 2023/03/04
ヤドリギ 大磯町・JR東海道本線「大磯」駅前 2023/03/04
ケヤキに寄生したヤドリギ 大磯町・エリザベス・サンダース・ホーム 2024/01/08
ケヤキに寄生したヤドリギ 秦野市・葛葉緑地 2022/03/13
ケヤキに寄生したヤドリギ 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2021/12/15
ケヤキに寄生したヤドリギ 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2021/12/15
ケヤキに寄生したヤドリギ 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2021/12/15
ケヤキは3月下旬から芽吹き始めるので、じきにヤドリギも見納めに。
エノキに寄生したヤドリギ(白色矢印) 大磯町大磯・旧東海道 2024/01/01
#エノキに寄生したヤドリギ 大磯町東小磯・東海道松並木 2024/01/08
エノキに寄生したヤドリギ 二宮町・吾妻山公園 2021/01/21
ヤマナシの大木に寄生したヤドリギ 東京都文京区・小石川植物園 2020/01/21
ヤマナシの大木に寄生したヤドリギ 東京都文京区・小石川植物園 2020/01/21
実が熟してきたヤドリギの雌株 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
熟した実と雌花が付いたヤドリギ(アカミヤドリギ)の雌株 大磯町・六所神社参道 2024/03/30
熟した実と雌花が付いたヤドリギ(アカミヤドリギ)の雌株 大磯町・六所神社参道 2024/03/30
よく見たらカラス(烏)の巣だった、なんていうことがないでもない。
ケヤキの樹上に作られたカラスの巣 平塚市・前鳥神社 2024/01/13
生えたての若いヤドリギ 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
生えたての若いヤドリギ 大磯町・六所神社参道 2024/03/24
頻繁に分枝し、葉は対生。
ヤドリギの葉 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2021/12/15
ヤドリギの葉 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2021/12/15
ヤドリギの葉 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2021/12/15
ヤドリギの生え際(左の黒い物体はヨコヅナサシガメの集団越冬か) 大磯町東小磯・東海道松並木 2024/01/08
姿は似ていないので混同する心配はないが、類似する寄生植物としてヒノキバヤドリギ(檜葉宿生木)なるものあり。神奈川県内では人為的に植栽されたツバキ(椿)などに付いていることがある。小田原市・湯河原市・真鶴町にはオオバヤドリギ(大葉宿生木)が自生。
松田町(-まち)寄(やどりき)はロウバイ(蝋梅)園で知られる山間の地区であるが、集落が合併してできた村の名前に由来し、よく寄り集まって話し合いをしていたから名付けられたとかどうとか。本種とは関係ないようである。
ヤドリギの花
花は枝先に付き、ふつう小花三個セット。花被(花弁)は四裂で、半開するにとどまる。軽く開いた花被片の内側に何やらシダ植物の胞子嚢(-のう)のようなものあらば(雄株の)雄花。花被片の中に突起が一個あるのみならば(雌株の)雌花である。雄性先熟なのか、雌花の方が若干であるが開花が遅れる傾向あり。ヤドリギは高木の高所に寄生していることがほとんどなので、花を間近で見られる機会は希有。
ヤドリギの(雄株の)雄株 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
ヤドリギの(雄株の)雄株 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
ヤドリギの(雄株の)雄花 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2022/03/17
ヤドリギの(雌株の)雌花 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
ヤドリギの(雌株の)雌花 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
ヤドリギの(雌株の)雌花 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
ヤドリギの(雌株の)雌花 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
ヤドリギ(アカミヤドリギ)の(雌株の)雌花 大磯町・六所神社参道 2024/03/24
ヤドリギ(アカミヤドリギ)の(雌株の)雌花 大磯町・六所神社参道 2024/03/30
ヤドリギの(雌株の)雌花と(雄株の)雄花 小田原市・飯泉観音 2024/03/24
ヤドリギの実
小さな球形で、透明感あり。翌年の春以降に(翌年の花期と重なるようにして)、黄緑色から淡い黄色っぽく熟す。見頃は3月中旬~下旬。オレンジ色に熟す(野生の)品種もあり、アカミヤドリギ(赤実)と呼び分けられることがある。実の色以外に違いは見られないので、”アカミヤドリギの雄株”なるものが仮に存在していてもそれとはわからない。野鳥愛好家に人気が高いキレンジャク(黄連雀)やヒレンジャク(緋連雀)が本種の実をよく食べることで知られる。種子を包んでいる果肉はねっとりねばねばした成分を含んでおり、消化されずに糞と一緒に排出されれば、そこにへばりついて発芽に至る、という方法で種子拡散が行われている。
ヤドリギ(アカミヤドリギ)の熟しかけている実 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2019/01/18
ヤドリギ(アカミヤドリギ)の熟しかけている実 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2019/01/18
枝先に雌花は三個セットで咲いていたが、三個すべてが結実しているものは見た例(ためし)がない。
ヤドリギ(アカミヤドリギ)の熟した実 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2024/02/18
ヤドリギ(アカミヤドリギ)の熟した実 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2019/03/10
ヤドリギ(アカミヤドリギ)の熟した実 大磯町・六所神社参道 2024/03/30
ヤドリギ(アカミヤドリギ)の熟して落ちた実 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2022/07/01
ヤドリギとアカミヤドリギの熟して落ちた実 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2019/05/16
ヤドリギとアカミヤドリギの熟して落ちた実 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2022/07/01
アカミヤドリギとヤドリギの熟して落ちた実 茅ヶ崎市萩園・三島大神 2022/07/01
清楚な白色だったらセイヨウヤドリギの実。日本国内で見かけることはない。
東京都文京区・#小石川植物園(C13のヤマナシに)、横浜市金沢区・称名寺(仁王門と阿字ヶ池の間のケヤキに=強剪定で樹形悪い、阿字ヶ池西側のケヤキに)
逗子市沼間・五霊神社(ごりょう-、沼間児童園地側のケヤキに多い)、若宮大路(鎌倉体育館~一の鳥居の西面)、茅ヶ崎市・中央公園(滝東側のケヤキに)、茅ヶ崎市萩園・三島大神(ケヤキに多い、やや低所に赤実あり)、大磯町営駅前自転車駐車場(東側のケヤキに多い)、大磯町・エリザベス・サンダース・ホーム(聖ステパノ学園、ケヤキに多い)、大磯町東小磯・東海道松並木(低所の2玉は共に雄株)、大磯町・六所神社(参道のケヤキに多い、比較的低所に黄実と赤実)
葉山町・玉蔵院(参道の町指定天然記念物「玉蔵院のエノキ・イチョウ」のエノキに1玉+小1玉)、逗子市沼間・田越川・馬場橋(北側のケヤキ(=かまくらと三浦半島の古木・名木50選「鈴木家・桐ケ谷家のケヤキ」)やサクラなどに多め)、逗子市・六代御前の墓(かまくらと三浦半島の古木・名木50選「六代御前のケヤキ」2本共に、少ない)、ガスト藤沢大庭店(南側高台上の高木2本に)、寒川町・けやきの森病院(西面のケヤキ並木に)、大磯町大磯・旧東海道(JR東海道本線のすぐ北・山側のエノキの高所に1玉)、大磯城山公園、二宮町・吾妻山公園(芝生広場シンボルツリーのエノキに)
秦野市・葛葉緑地(うぐいすの道の東端のケヤキに)、小田原市・飯泉観音(納経塔・鐘楼東側の四国八十八ヶ所写し霊場のケヤキに多い、低所に黄実と雄株)、#箱根湿生花園(落葉広葉樹林区(カタクリ地帯の向かい)、目線に雌株、樹名板あり、劣化著しい)