ツバキ

椿 ツツジ目/ツバキ科/ツバキ属 花期/(早咲き)9月~、12月中旬~4月 見頃/(侘助)1月、2月~4月

改良種

ツバキ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2014/03/16

ツバキ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2014/03/16

ツバキ属の常緑樹の総称。原種はヤブツバキ(藪椿)(主に3月上旬~中旬)、ないし日本海側の寒冷地に自生するユキツバキ(雪椿)の二種。他は交雑種ないし品種改良された園芸種である。
近似種のサザンカ(山茶花)が秋の花なのに対し、ツバキは春咲き。春の木と書いて椿である。別名ハルツバキ(春椿)。ナツツバキ(夏椿)は単なる夏咲きのツバキではなくちちょっと異質な存在。ツバキとサザンカの交雑種であるカンツバキ(寒椿)ハルサザンカ(春山茶花)はサザンカの一種に分類されている。ツバキとサザンカは交配されて非常に多くの品種が生み出されており、両者の明確な区別は最早できかねる状態。大まかな見分けは、サザンカを基本とし、どれだけツバキの性質を持ち合わせているか等を総合的に勘案して判断するよりない。といってもそんな判断を的確にできる人はどこぞのツバキ協会の理事クラスに招聘されてしかるべきレベル。一般人は”樹名板に記されている品種名と分類を鵜呑みにする”以外の手立てはなく、樹名板なければそれが何者なのかはさっぱりわからない、そういう世界。
参考)サザンカとツバキの違いサザンカとツバキの簡単な分類

春(5~6月)、秋(8~9月)にチャドクガ(茶毒蛾)というガの幼虫(ケムシ)が発生するので注意が必要。毛(空中を浮遊するものを含む)に触れると皮膚がかぶれて痒(かゆ)くなる。葉に新しい虫食いの痕を見つけたらそのツバキからはすぐにそっと離れたい。

ツバキは、横浜市、逗子市、中郡二宮町の木に制定されている。

ツバキの花

ツバキとしての花期は長いが、きれいに咲く時期は品種によって大きく異なる。

12月下旬から2月中旬にかけて、最低気温が氷点下を下回るような時期は霜に当たって花も蕾もことごとく傷む。餌が乏しい真冬はヒヨドリ(鵯)に啄(ついば)まれやすくもある。神奈川県内では、比較的温暖な南部の例えば茅ヶ崎市の氷室椿庭園などよく日が当たるところのものであればまだしも、厚木市七沢の神奈川県自然環境保全センターツバキ園であるとか東京都町田市の薬師池公園などはどうにもこうにも冬はだめ。ほぼまったくといってしまってよいくらい、状態のきれいな花には出会えない。寒いところのツバキは、暖かくなってから。

ツバキ('氷室雪月花') 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ツバキ(’氷室雪月花’) 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ツバキ('氷室雪月花') 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ツバキ(’氷室雪月花’) 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ツバキ('氷室雪月花') 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ツバキ(’氷室雪月花’) 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ワビスケツバキ('数寄屋') 厚木市・自然環境保全センターツバキ園 2018/02/07

ワビスケツバキ(’数寄屋’) 厚木市・自然環境保全センターツバキ園 2018/02/07

ツバキ('菊冬至') 横須賀市・くりはま花の国 2017/02/08

ツバキ(’菊冬至’) 横須賀市・くりはま花の国 2017/02/08

ツバキ('黒龍') 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

ツバキ(’黒龍’) 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

ツバキ('玉霞') 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

ツバキ(’玉霞’) 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

ツバキ('銀閣寺赤ヤブ') 鎌倉市・大巧寺 2018/02/15

ツバキ(’銀閣寺赤ヤブ’) 鎌倉市・大巧寺 2018/02/15

ツバキ('港の春') 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ(’港の春’) 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ('羽衣') 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ(’羽衣’) 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ('荒獅子') 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ(’荒獅子’) 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ('加茂本阿弥') 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ(’加茂本阿弥’) 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ 茅ヶ崎市東海岸南 2018/03/17

ツバキ 茅ヶ崎市東海岸南 2018/03/17

‘乙女椿’は、古名’乙女’、別名’淡乙女(うすおとめ)’。淡い桃色の千重咲き(せんえざき)。花期は12月~4月。刈込みにも強いため、公園木としてよく利用されており目にする機会は多いだろう。

ツバキ('乙女椿') 茅ヶ崎市・民俗資料館(旧和田家) 2011/11/28

ツバキ(’乙女椿’) 茅ヶ崎市・民俗資料館(旧和田家) 2011/11/28

ツバキ('金魚葉椿') 鎌倉市・大巧寺 2013/03/26

ツバキ(’金魚葉椿’) 鎌倉市・大巧寺 2013/03/26

ツバキは、花が終わるときに花一つ丸ごとぽとりと落下し、葉は大きめで縁(ふち)が裏側へ軽く反る。緑濃い葉に、確固たる色を主張する花弁。儚く散れるサクラ(桜)とは対照的なこちらも日本の美といえるだろう。
この花一つがまるごとぽとりと落ちる性質から、古くは”首が落ちることを連想させるから入院患者を見舞う際にはツバキは持っていかない方がよい”などとくだらな過ぎて呆れるしかない理由が付けられ禁忌されていた。

ツバキの落花 横浜市戸塚区・俣野園 2017/02/13

ツバキの落花 横浜市戸塚区・俣野園 2017/02/13

ときどき落ちずに樹上で傷む。不気味なものは、ときに悪しき美しさを放っている。

ツバキの枯花 高麗山公園 2018/02/27

ツバキの枯花 高麗山公園 2018/02/27

ツバキの実

品種によっては結実しない。

ツバキの未熟な実 藤沢市・長久保公園 2018/06/26

ツバキの未熟な実 藤沢市・長久保公園 2018/06/26


東京都町田市・薬師池公園(椿園にサザンカ・ツバキ410種1,100本、但し総じて生育不良・花数極少)、横浜市戸塚区・俣野園(乙女椿、3月中旬~4月上旬)、横浜市青葉区・こどもの国(入園料600円、椿の森にサザンカ100種100本・ツバキ500種5,000本他、海老名市の民家で発見された’相模侘助’)

くりはま花の国(つばき園、樹木園への園路にも少々、1月中旬~下旬 太郎冠者)、森戸川源流(森戸川林道終点から連絡尾根を登ったところ)、報国寺(金魚葉椿)、覚園寺(地蔵堂裏の太郎庵(覚園寺椿)=2月~3月上旬・市天然記念物、太郎庵は地蔵堂への参道階段脇・旧内海家住宅南側にも、愛染堂前庭西端の崖上は太郎庵ではない、侘助は赤・白・黒等)、宝戒寺(非常に多い、但し樹名板なく品種不明)、英勝寺(侘助(’英勝寺侘助’、木曜定休)=2月上旬~3月上旬・市天然記念物)、光則寺(金魚葉椿など)、長谷寺(金魚葉椿など)、氷室椿庭園(11月下旬? 隠れ磯、12月中旬~ 紅侘助、1月中旬~2月上旬 太郎庵、1月下旬~2月上旬 太郎冠者、2月~ 氷室雪月花、他は基本的に2月下旬~3月、三浦乙女、かながわの花の名所100選 ※09:00-開園、月曜および祝翌日定休、3月無休、朝の清掃前なら落椿も)

清雲寺(金魚葉椿)、大椿寺(椿の御所)、大巧寺(駐車場民家側に金魚葉椿、加茂本阿弥(かもほんなみ)=現地樹名板は賀茂本阿弥(かもほんあみ))、葛原岡神社(駐車場周辺~社務所、1月下旬~2月上旬)、高徳院(仁王門前、3月)、収玄寺(1月中旬~下旬 白侘助)、鎌倉市植木・龍宝寺(駐車場に乙女椿)、龍口寺(五重塔前=2月末~3月初旬、かながわの花の名所100選、浄行菩薩横の白ツバキは平成24年(2012)7月14日倒壊・のちひこばえ生える)、江の島サムエル・コッキング苑(温室遺構西側に椿園=午前中、3月~4月(江ノ島都鳥(原木)など)、一斉に開花しないので見るにも撮るにも難、3月中旬でも花数は多からず、展望灯台への通路沿い、展望灯台前=2月上旬~中旬、かながわの花の名所100選)、鴫立庵(1月下旬~2月上旬 ※平成28年(2016)度から入庵料町外大人100円⇒300円に改定)

※写真枚数が多くなった氷室椿庭園のツバキは別頁を設けてまとめた。

厚木市・自然環境保全センター(ツバキ園、132品種174本、1月 白侘助、1月下旬~・2月中旬~ 太郎冠者、3月中旬~ 三浦乙女)、箱根神社(’箱根侘助’)、湯河原町・県道75号椿ライン(かながわの花の名所100選)、静岡県御殿場市・東山旧岸邸(樹齢約400年の太郎冠者、2月上旬、大きさは「広報ごてんば 2016年4月5日号 No.1270」表紙参照)

参考資料

『最新 日本ツバキ図鑑』 日本ツバキ協会編集 誠文堂新光社発行(2010)

『色分け花図鑑 椿』 桐野秋豊著 学習研究社(2005)

ユキツバキ

雪椿 ツツジ目/ツバキ科/ツバキ属 花期/3月中旬~4月上旬、(自生地)4月中旬~6月

秋田県から滋賀県にかけての日本海側の山地に自生するツバキヤブツバキ(藪椿)の亜種ないし変種とも。豪雪地帯なので、自生地では地面を這うような姿で生える。枝細くしてしなやかなのは雪の重みに耐えるため。

花は紅色の一重で、しっかり平開する。花弁は五枚で、幅狭なためやや見栄えには劣るか。雄蕊もよく開き、黄色い花糸は茶筅のような姿には合着しない(基部で少しだけ合着する)。

葉は薄めで葉脈明瞭、鋸歯鋭い。葉柄は短く、有毛。

ユキバタツバキ(雪端椿)といったらヤブツバキとユキツバキの中間型をいう。交配された園芸種多し。


東京都文京区・小石川植物園(3月20日頃)、東京都町田市・薬師池公園

くりはま花の国(県木の広場、原種に似ても似つかぬ園芸種)、円覚寺黄梅院(八重の園芸種)、フラワーセンター大船植物園

参考資料

『園芸植物大事典 3』 小学館発行(1989)

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