コシノヒガンザクラ

越の彼岸桜 バラ目/バラ科/サクラ属 花期/3月中旬~下旬
学名/Cerasus subhirtella (Miq.) Masam. & S.Suzuki form. koshiensis (Koidz.) T.Katsuki & H.Ikeda

稀少

コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

落葉小高木。昭和4年(1929)加賀藩前田家の高岡城跡(富山県高岡市)で発見されたサクラの一種。その後、同県南砺市(なんと-)にある山(富山県指定天然記念物「蠟山越の彼岸桜自生地」)で野生が確認されたもの。名は、越国(こしのくに、新潟県から福井県までの富山県を含む北陸地方を指す)にあるヒガンザクラの仲間、の意だろう。単にコシノヒガンとも。エドヒガン(江戸彼岸)と(マメザクラ(豆桜)の変種である)キンキマメザクラ(近畿豆桜)の自然交雑種ではないかと推定されている。学名は、同様にエドヒガンとマメザクラの雑種であるコヒガン(小彼岸)の品種、に位置付けられている。神奈川県内自生なし。植栽されることが希にある。

コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

花の大きさや色、開花時期といったあたりがソメイヨシノ(染井吉野)に近く、ソメイヨシノほど枝を横に横には伸ばさないため、木が古く樹勢劣悪に陥ったソメイヨシノから本種に植え替えをしようとする動きが(特に街路樹で)現れ始めている。リスクやコストを抑えながらもサクラは植えたいという要望を擦り合わせた結果と思われるが、本種だろうがヨウコウザクラ(陽光桜)ジンダイアケボノ(神代曙)あたりを選ぼうが、美しさという点では比類なくずば抜けて異常に優れているソメイヨシノには及ばないことは覚悟されたい。

コシノヒガンザクラの花

エドヒガンやコヒガンの仲間であるので、萼筒(がくとう)基部がぼこっと膨らんで、膨らみと萼片の間の部分がくびれる、という特徴が出る。エドヒガンやコヒガンにしては花が大きくて見栄えがする、という印象を受けるだろう。開花時期は、ハルメキザクラ(春めき桜)が見頃を過ぎて、コヒガンと同時期で、ソメイヨシノの前。樹名板が掛けられていなければ何者かは判別できかねるかもしれない。

コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラ 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

小花柄(しょうかへい)と萼は有毛。萼片は鋸歯あり。

コシノヒガンザクラの萼 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラの萼 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

コシノヒガンザクラの萼 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラの萼 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

コシノヒガンザクラの萼 座間市・さくら百華の道 2023/03/22

#コシノヒガンザクラの萼 座間市・さくら百華の道 2023/03/22


横浜市鶴見区・#三ツ池公園、横浜市泉区・#さくら通り(相鉄いずみ野線「いずみ野」駅すぐ西側を南北に走る通りに並木)

座間市・#相模が丘仲よし小道(さくら百華の道、1.6km64品種220本=エドヒガン・コヒガンも)

参考資料

『新日本の桜』 木原浩写真、大場秀章・川崎哲也・田中秀明解説 山と溪谷社発行(2007)

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

エドヒガン

コヒガン

マメザクラ

ソメイヨシノ