ロウバイ

蝋梅 クスノキ目/ロウバイ科/ロウバイ属 花期/12月下旬~2月 結実期/5月~12月

有毒改良種

ロウバイ(素心蝋梅) 鎌倉市・光則寺 2017/01/25

#ロウバイ(素心蝋梅) 鎌倉市・光則寺 2017/01/25

中国原産の落葉低木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。ロウバイという名前は、半透明な花弁がまるで蝋(ろう)で出来ているかのような質感だからとか、あるいは黄色い色加減がミツバチ(蜜蜂)が作る蜜蝋(みつろう)に似ているからだとか、臘月(ろうげつ、旧暦12月の別称)に花を咲かせるためだ、とかいう。梅林に一緒に植えられることもあるがウメ(梅)の仲間ではまったくなく、ロウバイはロウバイという完全に独立した種。古名カラウメ(唐梅)。花の見た目からいちいちウメの名前が引っかけられて出てくるがウメではない。春を告げるウメの花が咲き揃うまでの花が乏しい冬の間を慰めてくれる貴重な花である。甘い香りもとても良い。湘南・鎌倉・三浦半島でも、寺境内や民家の庭に定番。

ロウバイ(素心蝋梅、満月) 鎌倉市・長谷寺 2018/02/06

#ロウバイ(素心蝋梅、満月) 鎌倉市・長谷寺 2018/02/06

ロウバイ(素心蝋梅) 二宮町・せせらぎ公園 2018/02/11

#ロウバイ(素心蝋梅) 二宮町・せせらぎ公園 2018/02/11

冬から春への移行期には、マンサク(万作)も黄色い花を咲かせているだろう。こちらは花弁が細く、モップのような妙な花。

ロウバイの花

花は葉が出る前。本来は完全に落葉した裸の枝に黄色い花を咲かせるが、温暖化の影響もあるのか交配の結果なのかなかなか葉が落ちないものが目立ち始めている。植物園などでは美観を保つため、枯れ葉を人為的に取り除く作業をすることも。丸っこい蕾もかわいらしいので観賞は満開になる前に。

ロウバイ 横浜市緑区・四季の森公園 2016/12/19

#ロウバイ 横浜市緑区・四季の森公園 2016/12/19

ロウバイ 横浜市緑区・四季の森公園 2016/12/19

#ロウバイ 横浜市緑区・四季の森公園 2016/12/19

ロウバイ 横浜市緑区・四季の森公園 2016/12/19

#ロウバイ 横浜市緑区・四季の森公園 2016/12/19

ロウバイ 鎌倉市・フラワーセンター大船植物園 2019/01/29

#ロウバイ 鎌倉市・フラワーセンター大船植物園 2019/01/29

ロウバイ 鎌倉市・フラワーセンター大船植物園 2019/01/29

#ロウバイ 鎌倉市・フラワーセンター大船植物園 2019/01/29

ロウバイの本来の花は基部が暗紫色(あんししょく)を帯びる。先に日本に伝わってきていたためワロウバイ(和蝋梅)と呼ばれることもあるが、前述の通り中国原産の外来種である。いま数多く流通しているロウバイの園芸品種群と見比べると花はやや小さく華奢(きゃしゃ)。花弁は細く、従って先端が尖り気味に見え、寒い冬でありながら温かみを感じるようなふわっと豊かな丸っこい花ではちょっとない。※本頁では古いロウバイの様相を呈しているものを、江戸時代後期の著名な植物辞典『本草綱目啓蒙』に倣(なら)って(ロウバイの別名である)キュウエイバイ(九英梅)と呼ぶことにする。

ロウバイ(九英梅) 鎌倉市・大巧寺 2019/02/01

#ロウバイ(九英梅) 鎌倉市・大巧寺 2019/02/01

ロウバイ(九英梅) 鎌倉市・大巧寺 2019/02/01

#ロウバイ(九英梅) 鎌倉市・大巧寺 2019/02/01

ロウバイ(九英梅) 鎌倉市・大巧寺 2019/02/01

#ロウバイ(九英梅) 鎌倉市・大巧寺 2019/02/01

ロウバイ(九英梅) 鎌倉市・大巧寺 2019/01/24

#ロウバイ(九英梅) 鎌倉市・大巧寺 2019/01/24

花の基部が暗紫色を帯びるもので、黄色が明らかに色薄くクリーム色をしている品種をウンナンロウバイ(雲南蝋梅)と呼び分けることがある。名は中国の雲南省に因むのだろう、そのあたりが原産とされたか。やや早咲きな傾向がみられるという。

江戸時代後期に中国から新しく入ってきた見栄えのする園芸品種をトウロウバイ(唐蝋梅、檀香梅)という。花はふっくらとした半開きで大きく、花弁は幅広で丸みを帯びたウメのような形状。花の基部は九英梅同様に暗紫色。花の形状からケイコウバイ(磬口梅)とも。磬というのは、磬子(けいす、きんす、鏧子)のことだろう。民家の仏壇に置いてありチーンと鳴らす金属製打楽器(鈴(りん)という)の数十倍あるいは百倍くらい巨大なもので、個人宅にはないが寺のお堂には(宗旨にもよるが)ふかふか座布団に乗せてだいたい置いてあるゴーンと叩き鳴らすあれのこと。キュウエイバイとトウロウバイの中間種、つまりトウロウバイと呼ぶには品質が良くないものはカカバイ(荷花梅)という。花弁はやや幅広ながらトウロウバイほどでなく先端はやや尖り気味。半開きではなくもっと開く傾向あり。但し、交配も実生(みしょう)も進んでいるだろう現代でそのような見分けができるものかは疑わしい。

ロウバイ 鎌倉市・光則寺 2018/02/06

#ロウバイ 鎌倉市・光則寺 2018/02/06

ロウバイ 鎌倉市・光則寺 2017/01/25

#ロウバイ 鎌倉市・光則寺 2017/01/25

花の基部が暗紫色でなく全体が黄色い品種はソシンロウバイ(素心蝋梅)という。明るくきれいに見えるため人気が高く、庭木としてよく栽培される。香りも強く良好なもの多い。ふつうのソシンロウバイよりも見栄えのする選抜品種で知名度が高いものに’満月’がある。通称マンゲツロウバイ(満月蝋梅)。花が大きくふっくら丸みを帯びているようなので、トウロウバイ形のソシンロウバイといったところか。黄色も濃い。ただし知名度あるがゆえにマンゲツロウバイらしからぬ粗悪品も出回る。※近似の別品種とも見分けが付けられるものではないが、本頁はそれらしき様相の花を総じてマンゲツ(満月)と呼ぶことにする。

ロウバイ(素心蝋梅、満月) 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

#ロウバイ(素心蝋梅、満月) 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

ロウバイ(素心蝋梅) 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

#ロウバイ(素心蝋梅) 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

ロウバイ(素心蝋梅、満月) 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

暖秋暖冬の影響なのか黄葉が枯れても落ちてもいない#ロウバイ(素心蝋梅、満月) 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

ロウバイ(素心蝋梅) 鎌倉市・光則寺 2017/01/25

#ロウバイ(素心蝋梅) 鎌倉市・光則寺 2017/01/25

ロウバイ(素心蝋梅) 鎌倉市・光則寺 2017/01/25

#ロウバイ(素心蝋梅) 鎌倉市・光則寺 2017/01/25

ロウバイ(素心蝋梅、満月) 鎌倉市・長谷寺 2018/02/06

#ロウバイ(素心蝋梅、満月) 鎌倉市・長谷寺 2018/02/06

ロウバイ(素心蝋梅、満月) 鎌倉市・長谷寺 2018/02/06

#ロウバイ(素心蝋梅、満月) 鎌倉市・長谷寺 2018/02/06

品種の見極めは本来は葉の形状なども考慮しないといけないが、本頁ではそこまで突き詰めてはいない。突き詰めたところで広く出回っている多彩な園芸品種名の見定めなど到底できうるものでもない。あくまでも”それらしい雰囲気がよく感じられる”ものに参考程度に品種名を付した限り。一般的には、花が全部黄色いものをソシンロウバイと呼ぶのだ、ということだけをわかっていれば十分。あとは色々品種があるらしい、と。

ロウバイの花には甘い蜜があるのだろう、鳥やタイワンリス(台湾栗鼠)の冬場を凌ぐ格好の餌になっている。東慶寺などでは食べられ過ぎて丸禿げになってしまう年さえある。

ロウバイの実

不思議なイカ形。

ロウバイの若い実 平塚市・総合公園 2017/05/16

#ロウバイの若い実 平塚市・総合公園 2017/05/16

ロウバイの若い実 平塚市・総合公園 2017/05/16

#ロウバイの若い実 平塚市・総合公園 2017/05/16

ロウバイの若い実 平塚市・総合公園 2017/05/16

#ロウバイの若い実 平塚市・総合公園 2017/05/16

完熟するとミノムシ(蓑虫)形に。

ロウバイの完熟した実 横須賀市・くりはま花の国 2017/12/10

#ロウバイの完熟した実 横須賀市・くりはま花の国 2017/12/10

ロウバイの完熟した実 横須賀市・くりはま花の国 2017/12/10

#ロウバイの完熟した実 横須賀市・くりはま花の国 2017/12/10

種子はコーヒー豆形。

ロウバイの種子 横須賀市・くりはま花の国 2017/12/10

#ロウバイの種子 横須賀市・くりはま花の国 2017/12/10


横浜市戸塚区・#俣野園(2月上旬)

#浄妙寺(1月中旬~下旬、散策路=2月上旬~中旬)、#報国寺(参道入って右手、1月中旬~下旬)、#瑞泉寺(境内2株)、#明月院(1月下旬~2月上旬)、#浄智寺(1月下旬~2月上旬、門前道入口民家にも)、#東慶寺、#長谷寺(1月中旬~2月上旬)、#フラワーセンター大船植物園(1月下旬~2月上旬)

#くりはま花の国(四季の花壇)、#宝戒寺(歓喜天収蔵庫横)、#妙隆寺(本堂向って左手前、あまり近づけない)、#大巧寺(九英梅)、#安国論寺(手水舎向かい庫裏玄関前)、#海蔵寺(出口付近)、#光則寺、#貞宗寺(山門入りすぐ右側に小木)、平塚市・#総合公園(香りの森)

松田町寄(やどりき)・#寄ロウバイ園(入園無料・平成26年(2014)から200円・平成28年(2016)から300円)

参考資料

『本草綱目啓蒙』 小野蘭山著 小野職孝編(1803)

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