スイセン(ニホンズイセン)

水仙 クサスギカズラ目/ヒガンバナ科/スイセン属 花期/12月中旬~2月
学名/Narcissus tazetta L. var. chinensis M.Roem

有毒危険改良種

スイセン(ニホンズイセン) 逗子市池子・逗子ホームせせらぎ 2017/12/21

#スイセン(ニホンズイセン) 逗子市池子・逗子ホームせせらぎ 2017/12/21

地中海周辺を原産とする多年草。スイセンといった場合はスイセン属に分類される園芸種も含めた総称、またはニホンズイセン(ニホンスイセン、日本水仙)という品種を指す。ニホンズイセンは古い時代に日本に渡来しよく広まったもので、冒頭で述べた通り名前に反して外国産(近代以前の移入種なので外来種の扱いをしない)。じつは日本在来のスイセンはただの一種もない。ニホンズイセンは昭和時代(-1989)は住宅街の道路沿いにもよく植えられておりヒガンバナ(彼岸花)同様たいへんよく目にする花であったが、新しい多様な園芸品種が出回るようになってからは”ありふれたつまらない花”との烙印を押されたか、徐々に見かける機会は減っていった。今なお知名度の高い定番種ではあるものの、昭和のにおいがするところで多く栽培されている傾向が強い。昔々誰かが植えたのだろうものが日本の自然界に帰化し野生化していることもある。

開花前のスイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・御成小学校 2024/01/17

開花前の#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・御成小学校 2024/01/17

スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・瑞泉寺 2016/12/06

#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・瑞泉寺 2016/12/06

スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2019/02/01

#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2019/02/01

スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・海蔵寺 2019/02/01

#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・海蔵寺 2019/02/01

スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

スイセン(ニホンズイセン) 松田町・寒田神社 2017/01/06

#スイセン(ニホンズイセン) 松田町・寒田神社 2017/01/06

スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市長沢・北下浦海岸遊歩道「水仙ロード」 2023/01/20

#スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市長沢・北下浦海岸遊歩道「水仙ロード」 2023/01/20

スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市長沢・北下浦海岸遊歩道「水仙ロード」 2023/01/20

#スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市長沢・北下浦海岸遊歩道「水仙ロード」 2023/01/20

スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市・野比海岸「水仙ロード」・ビッドル広場 2023/01/20

#スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市・野比海岸「水仙ロード」・ビッドル広場 2023/01/20

スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市・野比海岸「水仙ロード」・ビッドル広場 2023/01/20

#スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市・野比海岸「水仙ロード」・ビッドル広場 2023/01/20

スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市・野比海岸「水仙ロード」・ビッドル広場 2023/01/20

#スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市・野比海岸「水仙ロード」・ビッドル広場 2023/01/20

秋に発芽するので、球根の植え付けは八月~九月に行う。

スイセン(ニホンズイセン)の発芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/11/08

#スイセン(ニホンズイセン)の発芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/11/08

スイセン(ニホンズイセン)の発芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/11/08

#スイセン(ニホンズイセン)の発芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/11/08

スイセンは全草有毒。スイセンの葉をニラ(韮)と間違えて食べてしまう事故が現に毎年毎年発生しており、特に高齢者は注意が必要。ニラよりもスイセンの方が葉は幅広で硬いのだが、育ちの良い市販のニラと確かに形状が紛らわしいものがある。ニラは薄っぺらいうえ特有の香りがあるので、葉を千切ってにおいを嗅いでみること。明らかなニラ臭(ギョウザ(餃子)に入っていそうなにおい)がしなかったらスイセンの葉である疑い。また球根(鱗茎)をネギ類と間違えて食べてもいけない。スイセンは葉も花茎(かけい)も球根も、かき混ぜた納豆のような、あるいはナメクジのようなぬるぬる成分を切断面から大量に出すのも大きな特徴。球根を誤食する人が少ないのは、切った途端に現れる強烈なぬるぬるぬめぬめに異常を察知するためと思われる。スイセンを誤って食べてしまうと、三十分、あるいは一時間程度のちに腹痛や下痢、嘔吐(おうと)などの食中毒症状を引き起こし、救急搬送される事例が多い。希ではあるが重篤(じゅうとく)化すれば死に至ることも。誤食を防ぐために、畑や家庭菜園の近くにスイセンを植えるのはやめておいた方が良いだろう。あるいはスイセンを一度でも植えたところには(除去しそこねたスイセンの球根が土中に残存していることが多々あるため)ニラやネギ類は植えないように心がけたい。厚生労働省によれば平成25年(2013)から令和4年(2022)の十年間で自然毒による食中毒事件を最も多く発生させているのがスイセン。事件数65件は第一位、患者数216人はジャガイモ(馬鈴薯)に次いで第二位である。死者1名を出していることを考えると、危険性はトリカブト(筑波鳥兜)と同じといえる。

スイセン(ニホンズイセン)の葉 横須賀市長沢・北下浦海岸遊歩道「水仙ロード」 2023/01/20

#スイセン(ニホンズイセン)の葉 横須賀市長沢・北下浦海岸遊歩道「水仙ロード」 2023/01/20

スイセン(ニホンズイセン)の葉 茅ヶ崎市萩園 2020/01/01

#スイセン(ニホンズイセン)の葉 茅ヶ崎市萩園 2020/01/01

スイセンが関係した事故例


令和4年(2022)4月、京都市の子育て支援施設でスイセンの仲間を誤って「ニラのしょうゆ漬け」として食べた子どもと職員計77人のうち、4~6歳の12人が嘔吐や発熱、のち全員が回復した。職員によれば「数年前に知人からニラだと言われて譲り受けた」「以前に大人が食べたが、異常はなかった」と。スイセンの誤食事故は平成24年(2012)以降の10年間で、全国で62件発生している。(同年4月12日 ABCテレビ)


令和2年(2020)6月、岡山県で、親子三人が誤ってスイセンの球根を食べて嘔吐などの食中毒に。畑で収穫したニンニクにスイセンが混じっていた。(同年6月23日 山陽新聞)


令和2年(2020)4月、東京都立川市で、ニラと誤ってスイセンの葉を具にしたスープを食べた家族三人が吐き気や下痢。自宅の庭ではニラとスイセンを栽培していた。(同年4月24日 東京都発表)


令和2年(2020)4月、岩手県で家族三人がニラと誤ってスイセンを豚肉のしょうが焼きにして食べ嘔吐や下痢。(同年4月11日 岩手日報)


令和2年(2020)4月、山形県で70代の夫婦がスイセンを摘み取り、花は飾り、葉は籠に放置。翌日ニラとその葉を混ぜてオムレツを作って食べたところ吐き気。(同年4月3日 山形新聞)


令和2年(2020)2月、埼玉県の羽生市三田ヶ谷農林公園(キヤッセ羽生)の農業物産館(むじなも市場)がニラとしてスイセンの葉を1杷(わ)販売。客からの指摘で誤りに気付いた。(同年2月19日 羽生市発表)


令和元年(2019)12月、愛媛県で80代男性が河川敷に生えていたスイセンをニラと勘違いして採取し、子の50代男性と一緒に寄せ鍋に入れて食べ下痢や嘔吐。(同年12月5日 毎日新聞)


令和元年(2019)11月、千葉県の八百屋が近くの雑木林で採取したスイセンらしきものをニラとして販売。買って食べた家族三人が嘔吐。(同年11月25日 産経新聞)


令和元年(2019)4月、山形県で女性(60代)がニラと誤ってスイセンをチヂミにして食べ食中毒に。庭にはニラとスイセンが生えていた。(同年4月23日 朝日新聞)


令和元年(2019)4月、山形県で親子二人がニラと誤ってスイセンをおひたしにして食べ、約一時間後に腹痛や嘔吐、下痢。畑のモグラ除けとして、ニラの近くでスイセンを栽培していた。(同年4月16日 朝日新聞)


令和元年(2019)4月、秋田県で60代女性がスイセンの葉を刻んでチャーハンに入れて食べ、食中毒に。スーパーマーケットの産直コーナーでビニールポット入りの「ニラ苗」として販売されていたものだった。(同年4月4日 秋田魁新報)


平成31年(2019)4月、福井県でスイセンをカレーライスに入れて食べた家族三人が食中毒、うち一人は一時入院した。60代男性が、葉がニラ、鱗茎がタマネギに似ていることから食べられると思って自宅近くの道路脇で採取し持ち帰ったという。(同年4月17日 福井新聞)


平成28年(2016)5月、北海道でニラと間違えてスイセンの葉を食べた60代男性が食中毒による多臓器不全で死亡。(同年5月31日 産経新聞)
厚生労働省によれば、平成21年(2009)以降にスイセンが原因で発生した食中毒事故では唯一の死者となっている。

スイセン(ニホンズイセン)の葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

#スイセン(ニホンズイセン)の葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

スイセンの葉が関係した食中毒事故が起こる度に「ニラの葉の方が薄いし、においを嗅いでみれば間違えようがないだろ!」などとつれないコメントが降って湧くのが常ながら、”ニラの葉の方が薄いし、においを嗅いでみれば”の点はまさしくその通りであるも、両者の違いは”明らか”とは言い切れないものもあるので注意(というより覚悟に近いもの)が必要。うっかりすると農家でさえ見誤るのである。

よく似ているニラとスイセン(ニホンズイセン)の葉 2020/01/24

#よく似ているニラとスイセン(ニホンズイセン)の葉 2020/01/24

よく似ているニラとスイセン(ニホンズイセン)の葉 2020/01/24

#よく似ているニラとスイセン(ニホンズイセン)の葉 2020/01/24

なお、スイセンの葉はおよそ梅雨に入ると傷んで消える。葉があるのはだいたい11月~6月。夏は地中の球根のみとなって休眠する。

八重咲きスイセン(ニホンズイセン)の球根 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

八重咲き#スイセン(ニホンズイセン)の球根 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

八重咲きスイセン(ニホンズイセン)の球根 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

八重咲き#スイセン(ニホンズイセン)の球根 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

スイセンは神奈川県内では、川崎市高津区の花、横浜市西区の花、寒川町の花、大井町の花に制定されている。

ニホンズイセンの花

清楚な見た目に加えて、爽やかな甘い香りも人気。真冬に咲く希少な花である。そのためセッチュウカ(雪中花)の別名も。花茎はナガネギ(長葱)の葉のように中空。

スイセン(ニホンズイセン)の蕾 鎌倉市・御成小学校 2024/01/17

#スイセン(ニホンズイセン)の蕾 鎌倉市・御成小学校 2024/01/17

スイセン(ニホンズイセン)の蕾 鎌倉市・横浜国立大学附属鎌倉中学校 2019/12/05

#スイセン(ニホンズイセン)の蕾 鎌倉市・横浜国立大学附属鎌倉中学校 2019/12/05

スイセン(ニホンズイセン)の咲き始め 鎌倉市・横浜国立大学附属鎌倉中学校 2019/12/05

#スイセン(ニホンズイセン)の咲き始め 鎌倉市・横浜国立大学附属鎌倉中学校 2019/12/05

スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市長沢・北下浦海岸遊歩道「水仙ロード」 2023/01/20

スイセン(ニホンズイセン) 横須賀市長沢・北下浦海岸遊歩道「水仙ロード」 2023/01/20

スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/11

花茎一本から咲く花の数はその株(球根)の育ち具合によると思うが、十一個咲いたものも。一斉同時には開花せず、一つずつ徐々に咲き進んでゆく。おっとりした性格のようで、蕾がほころび始めてから完全に開くまで三日程度かかる。また花持ちの良さは抜群で、寒いうちから咲き出したものは優に一ヶ月近くもしなびることなくきれいに咲き続けてくれる。つまりは群生地では、一番花が咲き始めてちょうど三週間後が、傷んでいる花はまだなく花数も多い見頃といえる。ただしそれまでに強風吹き荒れれば花が倒れてしまっている可能性も出てはくるが。

花(蕾を含む)が11個もあるスイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10

花(蕾を含む)が11個もある#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10

花(蕾を含む)が11個もあるスイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10

花(蕾を含む)が11個もある#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/01/10

八重咲きのスイセンは似ても似つかないがニホンズイセンである。蕊が花弁に変身したことで副花冠がどこにお供に付けばよいのかわからなくなって混乱し、細かく分裂してごちゃついた感じ。一重咲き同様の芳香あり。

スイセン(ニホンズイセン)と八重咲きスイセン(ニホンズイセン)の混生 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2019/02/01

#スイセン(ニホンズイセン)と八重咲き#スイセン(ニホンズイセン)の混生 鎌倉市・鶴岡八幡宮 2019/02/01

八重咲きのスイセン(ニホンズイセン) 二宮町・せせらぎ公園 2018/02/11

八重咲きの#スイセン(ニホンズイセン) 二宮町・せせらぎ公園 2018/02/11

一重咲きと八重咲きの#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・円覚寺龍隠庵参道 2019/12/16

一重咲きと八重咲きの#スイセン(ニホンズイセン) 鎌倉市・円覚寺龍隠庵参道 2019/12/16

ニホンズイセンの実

実(種子)は作らない。球根で増える。

ニホンズイセンの花後、膨らんで実になりそうな部分はふにゃんふにゃん 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24

#ニホンズイセンの花後、膨らんで実になりそうな部分はふにゃんふにゃん 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24


#田浦梅の里(ウメより半歩早咲き)、#明月院、#海蔵寺、#徳富蘇峰記念館梅林(ウメより半歩早い、2月初旬)

#観音崎公園(18万株、2月上旬)、#野比海岸(水仙ロード(県道212号北下浦海岸通り沿い(きたしたうら-)=事実上ビッドル広場・久里浜医療センター入口・北下浦海岸通り駐車場(旧北下浦海岸通り第2駐車場)周辺の三地点、他は県道212号北下浦海岸通り沿いの山側石垣上)に公称200万株、1月10日前後=海辺につき強風で傷みも早い、水仙まつり ※北下浦海岸通り第駐車場(有料)は三が日および土日祝のみ開場)、#城ケ島公園(八重・60万株、駐車場周り、緑陰広場、水仙ロード、1月下旬~2月上旬、かながわの花の名所100選「城ヶ島公園(スイセン)」、城ケ島観光協会(三浦市観光協会城ケ島支部)主催「城ケ島水仙まつり」・三浦市観光協会主催「県立城ケ島公園水仙まつり」あり)、#子安の里、#明王院(※撮影不可)、#瑞泉寺(1月10日~15日頃、かながわの花の名所100選「瑞泉寺(スイセン)」)、#覚園寺(愛染堂前庭、数は多くないが八重咲きあり)、#宝戒寺(八重咲き)、#青梅聖天(八重咲きも、日陰で葉ばかり多い)、#大長寺(八重咲きも)、寒川町・#JR相模線台畑第一踏切(寒川神社北西)、#氷室椿庭園(八重)、二宮町・#吾妻山公園(役場口側、日陰で葉ばかり多い)

静岡県下田市・#爪木崎公園(つめきざき-、1月15日頃、真っ先に新聞記事に取り上げられる)

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スイセン