万作、満作、金縷梅 ユキノシタ目/マンサク科/マンサク属 花期/2月中旬~下旬
学名/Hamamelis japonica Siebold et Zucc.
稀少
日本在来の落葉小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。日本固有種。黄色いモップのような変わった姿の花を咲かせる。春一番に「ま(ん)ず咲く」という東北訛りが転じてこの名が付いたとか、たくさんの花が付くことからとか。神奈川県内では丹沢や箱根などの山地に自生するようだが稀。湘南・鎌倉・三浦半島では見ない。
日本在来(固有種)のマンサクはシナマンサク(支那万作)などに比べて花が少なく、小さく、色薄く、芳香なく、葉が無毛で開花時期には落葉している、等々と見分け方の指南がされるが、正直なところどれがそれなのかよくわからない。在来種と思しきマンサクが花を豊かに付けている、園芸種だが花が小さい、園芸種がレモンイエローの花を咲かせている、在来種のはずなのに花の時期に枯れ葉がたくさん残っている、などなど、見分けできない。見分けはあきらめた。※在来種らしきもの、在来種ではないかといわれているものを本項に取り上げた。園芸種らしきもの及びその他外来種はすべてシナマンサクの項に含めた。
マンサク 横浜市戸塚区・俣野園 2017/02/13
アカバナマンサク 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/15
アカバナマンサク 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/15
アカバナマンサク 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/15
アカバナマンサク 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/15
東京都文京区・#小石川植物園(分類標本園に原種)、東京都調布市・#神代植物公園(うめ園に1本あると聞いているが見つからなかった、築山にあるという1本は伐採され滅失)、東京都八王子市上恩方町・夕やけ小やけふれあいの里(散策路(3号路)沿い、植樹か、3月上旬)、横浜市戸塚区・#俣野園(おそらく在来種という、若干数の枯れ葉が残る、2月下旬)
#浄妙寺(散策路のフユザクラ(冬桜)奥にアカバナマンサク、2月中旬~3月上旬)、#大巧寺(3月中旬~下旬)、藤沢市・#長久保公園(名札にはマンサクとのみ)
相模原市・陣馬山(山頂広場北東に1本)、厚木市/伊勢原市・唐沢峠(大山方面へ)
シナマンサク
支那万作、支那満作、支那金縷梅 ユキノシタ目/マンサク科/マンサク属 花期/2月中旬~3月
学名/Hamamelis mollis Oliv.
外来種改良種
中国原産。日本在来のマンサクよりも開花が早く、花が大きく、色が濃い。葉は有毛で、開花中も枯れ葉が落ちずにしぶとく残る(観賞用に人為的に葉が落とされることがある)。公園や寺境内でマンサクとして広く栽培されているのは、花が見栄えするシナマンサクの園芸種か。
マンサク 長谷寺 2013/02/16
シナマンサク(’クームウッド’、展示品) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/02/08
シナマンサク(’クームウッド’、展示品) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/02/08
北米原産というハヤザキマンサク(早咲き万作)なるものなどもあり、園芸品種も含めればもう品種の区別はできかねる。
マンサク 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/15
マンサク 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/15
だいたい同時期にロウバイ(蠟梅)も黄色い花を咲かせている。4月にはトキワマンサク(常盤万作)が開花。
東京都文京区・#小石川植物園(分類標本園に原種)、東京都調布市・#神代植物公園(さるすべり・ざくろ園に「シナマンサク」の樹名板ある園芸種1本)
#浄妙寺(本堂向かって左奥に2株、散策路)、#明月院、#東慶寺、#円覚寺黄梅院、#英勝寺、#長谷寺(経蔵横に2株)、#大船フラワーセンター(アジサイ・ボーダー花壇、枯死)
#青蓮寺(山門外イチョウ(公孫樹)隣の巨大石碑裏、平成25年(2013)頃台風被害)、#龍宝寺(庫裏前、アカバナマンサクも=接写不可)、花菜ガーデン
相模原市緑区・#相模原北公園(アジサイ園トイレと郷土の森の間の通路沿い、樹名板あり)
参考資料
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)