丘小車 キク目/キク科/オカオグルマ属 花期/4月中旬~5月上旬
学名/Tephroseris integrifolius (L.) Holub subsp. kirilowii (Turcz. ex DC.) B.Nord.
自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IB類」
オカオグルマの花 秦野市西田原(にしたわら) 2025/04/25
丘陵地や山地の日当たりの良い乾燥気味な開けた草地に生えるらしいやや大型な多年草。段々畑を囲う水はけの良い土手が特に好条件か。明るい日陰にも生え得る。野生のキク(菊)の一種。名は、丘に生えているオグルマの仲間の意。オグルマは花の姿が小さな車輪に見立てられたらしい。分岐しない一本茎を直立させて、草丈は人の膝(ひざ、高さ50cm)を超える程度にまあまあ背高に伸び、最上部で複数個の頭状花序(とうじょうかじょ、頭花)を咲かせる。オニタビラコ(鬼田平子)を巨大化させたような風変わりな姿をしているので、見れば一目でこれとわかる。花自体はありきたりな黄色いキクの花で、よく栽培されているツワブキ(艶蕗)に雰囲気が似ている。神奈川県内では大磯丘陵から丹沢や箱根にかけて分布あり。数を減らしているらしく、県の絶滅危惧種に仲間入りを果たした。『神奈川県レッドデータブック2022』は’生育に適した場所がしだいに減少している’と述べているが、農地周辺の土手なんぞいくらでもあろうに、としか思わない。秦野市にある自生地周辺の農地一帯を歩いたが、極めて限定的な区画に細々と生えているばかりで、周辺の類似した環境には一本たりともありはしなかった。大型で目障りな雑草として人が駆除しているだけではないのか。一般の人からしたらコウゾリナ(髪剃菜)やブタナ(豚菜)あたりとさほど大きな違いを見出せない雑草でしかないかもしれない。
開花中のオカオグルマ 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマが生える農地 秦野市西田原 2025/04/25
開花中のオカオグルマ 秦野市西田原 2025/04/25
農地周辺に生えた開花中のオカオグルマ 秦野市西田原 2025/04/25
開花中のオカオグルマ 秦野市西田原 2025/04/25
開花中のオカオグルマ 秦野市西田原 2025/04/25
開花中のオカオグルマ 秦野市西田原 2025/04/25
土手に生えた開花中のオカオグルマ 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの稜がある茎 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの稜がある茎 秦野市西田原 2025/04/25
花時に、ロゼット状の根生葉が残る。白いクモ毛が多いとされるが、明るい日陰に生えた個体ではそうでもなかった。
オカオグルマの花時の葉 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花時の葉 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花時の葉 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花時のやや小さな茎生葉 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花時のクモ毛が多い根生葉 秦野市西田原 2025/04/25
近似種サワオグルマ(沢小車)は湿地に生える。オグルマも湿地を好み、開花は真夏。
オカオグルマの花
頭花の数は少ない株でニ三個から、ふつうはおよそ十個程度。一個の頭花は直径2.5cm程度。花色は黄色。野生のキクとしてはやや大きくやや見栄えのする花である。見頃は4月下旬の早め。
オカオグルマの花 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花のサイズ感 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの花の大きさ 秦野市西田原 2025/04/25
総苞片は均等に細いものがきれいに一列に整列する。
(頭花の数が異様に多い)オカオグルマの総苞 秦野市西田原 2025/04/25
オカオグルマの総苞 秦野市西田原 2025/04/25
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)