髪剃菜、剃刀菜、顔剃菜 キク目/キク科/コウゾリナ属 花期/4月中旬~10月 結実期/5月中旬~11月?
学名/Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. japonica
自生種保護
コウゾリナ 秦野市・立野緑地 2021/04/24
丘陵地の日当たりあるハイキングコース沿いなどに生える一年草(越年草)。ブタナ(豚菜)以上に大型化し、草丈は1mを超えてくることもある背高なタンポポ(蒲公英)、といった感じの植物。全草に棘々した感じの剛毛が生えているのが大きな特徴。名は、カミソリナ(髪剃菜)ないしカオソリナ(顔剃菜)からの転訛だとか。髪やら髭やらのざらざらちくちくした剃り残し感から来ているのかもしれない。茎は一本直立し、上部でよく分岐する。『神奈川県植物誌2018』には神奈川県内ほぼ全域に亘って「広く分布し多い」と記載されているが、湘南・鎌倉・三浦半島ではさほど頻繁に見かけるものでない。市街地の公園の芝地に大量に生えているのはブタナである。
ハイキングコース沿いに生えたコウゾリナ 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2021/05/23
道端に生えたコウゾリナ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2021/05/23
山道沿いに生えたコウゾリナ 秦野市・立野緑地 2021/04/24
道端に生えたコウゾリナ 茅ケ崎里山公園 2018/05/12
コウゾリナ 茅ケ崎里山公園 2018/05/12
コウゾリナの茎上部の葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2021/05/23
コウゾリナの葉 秦野市・立野緑地 2021/04/24
コウゾリナの茎の剛毛 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2021/05/23
コウゾリナの茎の剛毛 秦野市・立野緑地 2021/04/24
根生葉は開花時には枯れてなくなっている、と『神奈川県植物誌2018』をはじめとする植物図鑑に記載されているが、実際に観察した限りでは、あったりなかったり。蒸れて腐る状況を経験したかどうかというだけの話ではないか。
コウゾリナの花時にもしっかり残存している根生葉 横浜市金沢区・小柴崎緑道 2017/04/30
コウゾリナの花時にもしっかり残存している根生葉 大井町上大井 2022/05/19
アスファルトの割れ目から生えたコウゾリナの花期終了後にも残存していた根生葉 藤沢市遠藤 2022/05/30
神奈川県内では主に三浦半島に海岸型変種のハマコウゾリナ(浜髪剃菜)なるものあり。地面すれすれの茎最下部でよく分枝(ぶんし)し、茎は直立せずに這うため、高さは30cmもない。剛毛がより荒々しく、総苞の直下に明らかに総苞片とは別格に大きな苞葉が付くようであったら、南ヨーロッパ原産のハリゲコウゾリナ(針毛髪剃菜)である可能性。帰化は極めて希。
コウゾリナの花
花は黄色の、やや小型で小ざっぱりした感じのタンポポ形。初夏によく見かけるが、秋まで咲くらしい。
コウゾリナ 秦野市・立野緑地 2021/04/24
コウゾリナ 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2021/05/23
コウゾリナの総苞 秦野市・立野緑地 2021/04/24
コウゾリナの実
タンポポ形の種子(のように見える痩果(そうか))ができる。ちょっと汚れた感じのやや茶色がかった冠毛あり。
コウゾリナの実 横浜市金沢区・金沢自然公園 2021/05/23
コウゾリナの実 横浜市金沢区・金沢自然公園 2021/05/23
コウゾリナの実 横浜市金沢区・金沢自然公園 2021/05/23
横浜市金沢区・金沢自然公園(しだの谷口の階段上)、横浜市栄区・横浜自然観察の森(タンポポの道6~9)
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC、看護医療学部校舎前ロータリー周辺に少々)、茅ケ崎里山公園(桜の小径北側)
秦野市・立野緑地
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
こんばんは
暖かいような肌寒く感じる様な気候に
何とか付いて行く毎日ですが、、、
私の生活圏にコウゾリナを見付けようと ウロウロしてます。
無いですねェ
ミミナグサも見つからず。
仲間・似ている・紛らわしい ブタナの方は見分け出来る様に(嬉しい)
そして ニガナ ノゲシ オニノゲシ タラビコ オニタラビコ
が有るらしいと分かって ますます面白く難しいです。
こんな風に植物と向き合う時間を持つ きっかけを ありがとうございます。
季節が刻々と過ぎていく実感は貴重ですね