ツルグミ

蔓茱萸　バラ目／グミ科／グミ属　花期／10月下旬～11月中旬　結実期／4月～5月
学名／Elaeagnus glabra Thunb.

自生種

ツルグミ　鎌倉市／逗子市・名越切通　2020/11/06

丘陵地の林内を通るハイキングコース沿いなどに生える常緑の低木ないし小高木で、雌雄同株（しゆうどうしゅ）。枝は徒長したかのようにひょろっと長くて細く、他の樹木類に寄りかかったり引っかかったりしながら上へと登ってゆく。枝はおよそ開出して生え出て、自重で垂れ下がり気味となる。湘南・鎌倉・三浦半島では三浦丘陵や大磯丘陵などでちらほら見かけはするものの、やや薄暗い場所に生えているものが多いせいか生育状態はどれもこれも不良。通路確保を名目とした刈払いに遭っていたり、株は貧相なものばかり。成長著しからぬそういった株では花は咲かない（実もできない）。

大樹を登るツルグミ　鎌倉市／逗子市・名越切通　2020/11/06

樹木から枝垂れるツルグミ　逗子市・神武寺　2018/10/25

開花中のツルグミ　逗子市・神武寺　2018/10/25

ツルグミの枝ぶり　鎌倉市／逗子市・名越切通　2020/11/06

葉は、同じ秋咲きのマルバグミ（丸葉茱萸）、別名オオオバグミ（大葉茱萸）ほど幅広にならないので丸っこさを感じない。葉裏は赤褐色。葉柄（ようへい）は短い。

ツルグミの葉　鎌倉市／逗子市・名越切通　2020/11/06

ツルグミの葉　逗子市・神武寺　2018/10/25

ツルグミの葉裏　鎌倉市／逗子市・名越切通　2020/11/06

ツルグミの葉裏　逗子市・神武寺　2018/10/25

枝には大きな角（つの）状の棘（とげ）がある。

ツルグミの棘　鎌倉市／逗子市・名越切通　2020/11/06

葉が丸っこさを感じる、葉裏の赤褐色が弱め、葉柄長め、花の形状がツルグミと一致しない、枝がちょっと太め、などの特長あらば、マルバグミとの雑種と推定されているアカバグミ（赤葉茱萸）、別名オオバツルグミ（大葉蔓茱萸）の可能性。ツルグミとマルバグミの中間的な性質が現れる。マルバグミが分布する沿岸地域（といっても湘南・鎌倉・三浦半島は北部も含めてほぼ全域が含まれる広域）に雑種も出現する。

葉の縁（ふち）がヤブツバキ（藪椿）のごとく裏側へ軽く反る、葉裏が銀色、などの特徴あらば、ナワシログミ（苗代茱萸）との雑種と推定されているマルバツルグミ（丸葉蔓茱萸）、別名ウラギンツルグミ（裏銀蔓茱萸）の可能性。