夏茱萸 バラ目/グミ科/グミ属 花期/3月下旬~4月 結実期/5月中旬~6月
学名/Elaeagnus multiflora Thunb. var. multiflora
食用自生種稀少保護

満開の#ナツグミ 箱根町仙石原・長安寺 2025/05/01
丘陵地の林縁や林内に生える落葉小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。樹高は5mを超えるくらいにまで思いのほか大きな木に育つ。グミの仲間で実が夏に赤く熟すことからナツグミという。菓子のグミはドイツ語でゴムを意味するグミ(gummi)に由来し、植物のグミとは関係ない。実は食べられるので園芸栽培されることがある、らしいのだが、見かけた記憶はほとんどない。神奈川県内にも広く分布あり。湘南・鎌倉・三浦半島にも自生しているがこれもあんまり見かけた記憶がない。花はたくさん咲けども離れた位置からではまったく目立たない、実は目立てども鳥獣に食われてしまう、葉は虫にやられるのか何なのか汚くなっているものが少なくない、といった理由で見過ごしているのだろうとは思う。日本固有種。

開花し始めたナツグミ(白色丸囲い) 鎌倉広町緑地 2026/03/25

開花し始めたナツグミ 鎌倉広町緑地 2026/03/25

開花し始めたナツグミ 鎌倉広町緑地 2026/03/25

満開の#ナツグミ 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/09

満開の#ナツグミ 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/09

満開のナツグミ 平塚市土屋 2024/04/15

花が咲き終わったナツグミ 鎌倉広町緑地 2026/04/24

花が咲き終わった#ナツグミ 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/29

ナツグミが生える林縁 平塚市土屋 2026/04/29

花期最終版のナツグミ(中央) 平塚市土屋 2026/04/29

満開の#ナツグミ 箱根町仙石原・長安寺 2025/05/01

満開の#ナツグミ 箱根町仙石原・長安寺 2025/05/01

満開の#ナツグミ 箱根町仙石原・長安寺 2025/05/01
展葉は開花と同時。

ナツグミの葉 鎌倉広町緑地 2026/04/24

花期最終盤のナツグミの葉 平塚市土屋 2026/04/29

#ナツグミの葉 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/29

#ナツグミの葉 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/29

#ナツグミの葉 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/29

ナツグミの葉 平塚市土屋 2026/04/29

ナツグミの葉 平塚市土屋 2026/04/29

ナツグミの葉 平塚市土屋 2026/04/29

#ナツグミの葉 箱根町仙石原・長安寺 2025/05/01

#ナツグミの葉 箱根町仙石原・長安寺 2025/05/01
ナツグミにそっくりなものに、トウグミ(唐茱萸)とダイオウグミ(大王茱萸)あり。三者は変種の関係に位置付けられている。トウグミは中国(China)原産の外来種であるかのような名前が付けられてしまっているが、正しくは日本国内(日本海側)にのみ自生がある日本固有変種である。神奈川県内に自生なし。ダイオウグミはその変種で実がびっくりするほど大きくなる栽培種で、別名ビックリグミ(びっくり茱萸)とも。三者いずれも公園や植物園などに植栽されていることがあるが、樹名板に示されている名前が間違いであることも少なくないので要注意。成長した実の大きさ(長さ)が2.0を超えておよそ2.5cmくらいあったらダイオウグミ(ビックリグミ)、ナツグミとトウグミの実は共に1.5cm程度であるため葉の表面(おもてめん)にある白色の点々模様(に見える毛)の形状の違いで見分けるものとされる。但し、点々模様は小さいため肉眼では正確には見えない(要10倍ルーペ)、点々模様がどちらとも判断しがたい形状をしているものがある(この場合はダイオウグミ(ビックリグミ)である可能性が高い)、そもそも点々模様がないこともある、と判別に困難が伴う。一般の人には難易度が高いので、三者ひっくるめて(広義の)ナツグミと呼んでしまって構わない。※本サイトでは、ナツグミ・トウグミ・ダイオウグミ(ビックリグミ)は厳格に呼び分ける。
| ナツグミとトウグミとダイオウグミ(ビックリグミ)の見分け方 | |||
| ナツグミ | トウグミ | ダイオウグミ(ビックリグミ) | |
| 実の長さ | 1.5cm程度 | 1.5cm程度 | 2.5cm程度 |
| 葉の表面の模様 | 鱗状毛 | すべてがトゲが長い星状毛 | (トゲが短い)星状毛 |
| 葉の形状 | やや細め | やや幅広 | 長さ10cmを超えて異様に大きい |
葉の表面(おもてめん)にある白っぽい点々模様を10倍ルーペなどで拡大して観察すると、ナツグミは鱗状毛(りんじょうもう)、トウグミは”すべてが”星状毛(せいじょうもう)、である。ナツグミの鱗状毛というのは、丸っこい点々である。但し花時には丸い点々に短いトゲが生えているように感じられるものが混じることもある。トウグミの星状毛は、”すべてが”(ウニの一種である)ガンガゼのように長いトゲが生えている、という模様をいう。トウグミの星状毛は、”すべての点々模様が”ガンガゼでなければいけない。ナツグミとトウグミの葉をある程度見慣れていないと、ここの判断で間違えてしまう。ダイオウグミ(ビックリグミ)はおよそ星状毛ではあるも、トゲが短いものもあってナツグミの鱗状毛と判断に窮することがある。従って、花時にナツグミないしトウグミと判定した個体の果実を確認したら正しくはダイオウグミ(ビックリグミ)だった、という事態がまま起こるので要注意。

ナツグミの鱗状毛とトウグミの星状毛の違い

ナツグミの葉の模様(鱗状毛) 鎌倉広町緑地 2026/03/25
トウグミの星状毛であるようにも思えるも、すべての点々模様がガンガゼのような長いトゲを有しているというわけではないそれは、ナツグミかダイオウグミ(ビックリグミ)である。特に花の咲き始め(=展葉し始め)の時期は紛らわしい模様を有す葉が多いように思われる。ナツグミ・トウグミ・ダイオウグミ(ビックリグミ)の見分けは、実が大きく成長する5月以降に行う方が確実。

トゲトゲしたものも混じるので星状毛と間違えやすいナツグミの葉の模様(鱗状毛) 鎌倉広町緑地 2026/03/25

#ナツグミの葉の模様(鱗状毛) 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/09

ナツグミの葉の模様(鱗状毛) 鎌倉広町緑地 2026/04/24

#ナツグミの葉の模様(鱗状毛) 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/29

ナツグミの葉の模様(鱗状毛) 平塚市土屋 2026/04/29

ナツグミの葉の模様(鱗状毛) 平塚市土屋 2026/04/29

#ナツグミの葉の模様(鱗状毛) 箱根町仙石原・長安寺 2025/05/01
ナツグミの花
春に、グミの仲間らしい形状の花をやや下向きに垂らす。多数咲き、爽やかな甘い芳香あり。花色は純白ではなくやや黄ばむ。古い花になればなるほど濃く黄ばんだ色になる。学術的には、花弁はなく、四枚の花弁に見える部分は萼の裂片である。花径はおよそ1.2cm余り。

ナツグミの蕾 鎌倉広町緑地 2026/03/25

ナツグミの花 鎌倉広町緑地 2026/03/25

ナツグミの花(水滴は降雨) 鎌倉広町緑地 2026/03/25

ナツグミの花 鎌倉広町緑地 2026/03/25

ナツグミの花 鎌倉広町緑地 2026/03/25

ナツグミの花のサイズ感 鎌倉広町緑地 2026/03/25

#ナツグミの花 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/09

#ナツグミの花 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/09

#ナツグミの花のサイズ感 箱根町仙石原・長安寺 2025/05/01
同時期にアキグミ(秋茱萸)も開花する。花の形状が若干ではあるが明確に異なるので、簡単に見分けることは可能。
ナツグミの実
液果にしか見えない偽果(ぎか)。緑色から、5月中旬以降に赤く熟す。大きく成長した実で、長さ1.5cm程度。果汁が多くアンズ(杏)に近い風味を有すがやや甘味が足りない。また若干粉っぽい舌触りで渋みも僅かに感じられる。食べられはするが、現代の感覚ではそこまでおいしいものではない。

#ナツグミの若い実 厚木市・神奈川県自然環境保全センター 2026/04/29
#覚園寺(有料拝観区域内=写真撮影禁止、市指定天然記念物「ナツグミ」、枯死滅失により令和4年(2022)指定解除)、#円覚寺、鎌倉広町緑地(御所川(ごしょがわ)沿い「2 樹木オリエンテーリング チェックポイント」の隣に低木1株)、茅ケ崎里山公園(なし、「桜の小径~丘の村子供の森」に多い一部に「ナツグミ」の樹名板あるものはすべてダイオウグミ(ビックリグミ))、平塚市土屋(大木)
厚木市・#神奈川県自然環境保全センター(本館東方のモミジバフウとユリノキの間に大株=やや早咲き・3月下旬・樹名板なし、樹木観察園E10北向かい「グミ」の樹名板ある大株はダイオウグミ(ビックリグミ)、E10西側の「トチュウ」西隣に「ハコネグミ」も=主幹を失った汚木だが少数咲いて実もなる)、箱根町仙石原・#長安寺(駐車場)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)
トウグミ
アキグミ
オオオバグミ(マルバグミ)
ナワシログミ
オオナワシログミ(フイリグミ)
ツルグミ
サンシュユ