ひまらや杉 マツ目/マツ科/ヒマラヤスギ属 花期/11月~12月 結実期/翌年の11月中旬~1月上旬
学名/Cedrus deodara (Roxb. ex D.Don) G.Don
危険外来種

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ) 平塚市高村・高村公園 2025/12/01
ヒマラヤ西部のネパールからインド北部・パキスタン・アフガニスタン東部などに自生する常緑の高木。幹を一本直立させて、樹高20mを超える巨木に育つ。でっかいクリスマスツリーのような樹形になるが、メタセコイアよりかは枝振りに野性味を感じる、といったもの。樹形はメタセコイアよりかは乱れがちながら、ふつうはビャクシン(柏槇)やコウヨウザン(広葉杉)ほど大きくは荒れない。名前に反してスギではなくマツ(松)の仲間である。英名の一つHimalayan cedar(発音はヒマラヤン・シーダァ、ヒマラヤのスギの意)を直訳したのだろう。別名ヒマラヤシーダ、ヒマラヤシーダー。シダ植物とはもちろんまったく関係ない。日本に入ってきたのは、明治12年(1879)に横浜在住のイギリス人ジャーナリストであったブルック(John Henry Brooke)がインドから種子を持ち込んだのが最初とされる。横浜市山手地区のフェリス女学院大学などに残っているヒマラヤスギはその時代に植栽されたものだろうか、山手だけで八本のヒマラヤスギが横浜市の名木古木に指定されている。ヒマラヤなどという遥か遠方からもたらされた珍木で、常緑で、樹形が美しく、男性的で格好良い、公園や庭園のシンボルツリーになり、類似するものがない、といった理由からだろうか、人気を博してたちまち広まったらしい。現在、公園はもとより、学校、工場、釈迦の生誕地にも生えるためか寺の境内、何なら神社の境内にだって、よく植栽されている。いずれも大樹であるので、ヒマラヤスギを植えることがちょっとしたブームになった時代があったのだろうことが推察される。なぜか神奈川県内にやたらたくさん植えられている外国産の大きな木トップ3は、イチョウ(公孫樹)、メタセコイア、ヒマラヤスギ、である。

社殿脇に植えられた#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ) 小田原市・報徳二宮神社 2025/01/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ、左側) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園 2025/02/10

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園 2025/02/10

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の大樹 鎌倉市浄明寺・犬懸橋 2025/02/27

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の大樹 東京都文京区・小石川植物園 2023/03/11

#ヒマラヤスギの大樹(中央) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園 2025/03/23

参道の左右に植えられた#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ) 平塚市・愛宕神社 2025/10/06

雄花の蕾を付けた#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ) 伊勢原市 2025/10/28

実が熟しかけている#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌株 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ) 横浜市金沢区・金沢自然公園 2025/11/22

短い雄花が開花中の#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄株 伊勢原市 2025/11/27

短い雄花が開花中の#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄株 伊勢原市 2025/11/27

雌花が開花中の#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌株 伊勢原市 2025/11/27

花期終盤で雄花が倒れて脱落し始めた#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄株 伊勢原市 2025/11/27

花期終盤で雄花が倒れて脱落し始めた#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄株 伊勢原市 2025/11/27

熟した実を付け雌花が開花している#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌株 伊勢原市 2025/12/01

実が熟した#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ) 伊勢原市 2025/11/27

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の木の下で見られる落下物 平塚市 2025/01/05
枝は、地面と水平になるように伸びる性質がある。
葉は、短いマツの葉といった感じ。長さは3cm程度。葉の色は緑色だが、やや灰色を帯びている。遠くから樹木全体を眺むれば、少しばかり青白い、と感じられることが多いだろう。葉の見た目はちくちく痛そうに思えるが、意外とやや軟らかめ。と思って油断しているとちくりと刺さりもするが。

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の葉 平塚市高村・高村公園 2025/01/10

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の葉 平塚市土屋 2025/01/05

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の葉 平塚市高村・高村公園 2025/01/10

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の葉 伊勢原市 2025/10/19

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の幹(樹皮) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園 2025/02/10
ヒマラヤスギの花
図鑑には雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花と掲載されていると思うが、実際には雌雄異株であることも少なくない。開花は秋の真っ只中(11月下旬)。下枝が落とされていることが多いため、花を間近で見られる機会は滅多にないだろう。
枝の所々で人の小指くらいの大きさの薄茶色いものが突き立っていたらそれが雄花。花粉を放出し終えたら脱落する。

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花の蕾 伊勢原市 2025/10/28

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花 伊勢原市 2025/11/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花 伊勢原市 2025/11/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花 伊勢原市 2025/11/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花のサイズ感 伊勢原市 2025/11/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花のサイズ感 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花 伊勢原市 2025/11/27

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花 伊勢原市 2025/11/27

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の短い雄花の蕾 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の咲き始めた短い雄花 伊勢原市 2025/11/27

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の短い雄花 伊勢原市 2025/12/01

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)のやや短い雄花 伊勢原市 2025/12/01

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花の脱落痕 伊勢原市 2025/11/21

ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雄花の脱落痕 伊勢原市 2025/12/08
間近でよおく見ないと見つけられないほど小さなツクシ(土筆)の頭のような形をした若々しい緑色のものが雌花。一年かけて大きな実になる。

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌花 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌花 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌花のサイズ感 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌花 伊勢原市 2025/11/27

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌花 伊勢原市 2025/12/01

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌花 伊勢原市 2025/12/01
暗紫色をした雌花のようなものは、実に成長できずにお亡くなりになられた(去年の)雌花(の残骸)と思われる。触るとぽろりと脱落し、かっさかさに乾燥しているのがわかる。

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌花の亡骸 伊勢原市 2025/11/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の雌花の亡骸 伊勢原市 2025/11/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の咲き終わって地面に落ちた雄花 平塚市土屋 2025/01/05

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の咲き終わって地面に落ちた雄花 平塚市土屋 2025/01/05

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の咲き終わって地面に落ちた雄花 平塚市土屋 2025/01/05
ヒマラヤスギの実
人の握りこぶしくらいの大きさをした松ぼっくりのような球果ができる。が、実は大きな木の上の方にぽつりぽつりとなる程度なので、間近で見られる機会は滅多にないだろう。実は翌年の花が開花するのとほぼ同時期に熟し、鱗片が開いて種子を落とす。熟した実の基部側は鱗片がばらばらにばらけて脱落するが、先端部分はばらけることなく丸ごとぽとりと落ちる、という変わった性質がある。先端部分の方はバラ(薔薇)の花のような美しい姿をしており、シダーローズと呼ばれ、特にクリスマス向けのリース(輪飾り)やオーナメント(飾り)の素材として高い人気を誇る。

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の目立った成長がまだ見られない若い実 伊勢原市 2025/12/23

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の目立った成長がまだ見られない若い実 伊勢原市 2025/12/23

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の目立った成長がまだ見られない若い実 伊勢原市 2026/01/18

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の未熟な実 伊勢原市 2025/10/28
付着している水あめのような物質は松脂(まつやに)。乾燥していないものを触ると手がべったべたになる。アルコール類(消毒用エタノール、ジッポオイル、灯油など)で落とせるのではないか。

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の未熟な実 伊勢原市 2025/10/28

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の未熟な実 伊勢原市 2025/10/28

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の未熟な実 伊勢原市 2025/11/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の未熟な実 伊勢原市 2025/11/11

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の熟し始めた実 伊勢原市 2025/11/21

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の熟した実 伊勢原市 2025/12/01

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の熟した実 伊勢原市 2025/12/01

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の熟した実 伊勢原市 2025/12/01

ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の熟した実 伊勢原市 2025/12/08

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の地面に落ちた実(シダーローズ) 横浜市金沢区・金沢自然公園 2025/11/22

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の地面に落ちた実(シダーローズ) 平塚市 2025/01/05

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の地面に落ちた実(シダーローズ) 平塚市 2025/01/05

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の地面に落ちた実(シダーローズ) 平塚市 2025/01/14

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の地面に落ちた実(シダーローズ)の裏側 平塚市 2025/01/05
熟した実は、先にシダーローズと呼ばれる先端部分が脱落する。実を支える軸が先端部まで到達していないため不安定で、ぽろっと落っこちやすい。その後、基部側の鱗片がぼろぼろばらけて崩落してゆく。

ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の先端部(シダーローズ)が脱落した熟した実 伊勢原市 2025/12/08

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の去年の実の残骸 伊勢原市 2025/10/19

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の鱗片と種子 平塚市 2025/01/05

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の鱗片 平塚市 2025/01/05
発芽率はかなり悪いらしい。少なくとも公園などでは実生の若木を見た例(ためし)がない。

#ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダ)の種子 平塚市 2025/01/05
東京都新宿区・#四ツ谷駅(赤坂口出たところのJR中央本線線路沿い、目線に花・実、平成30年(2018)初秋 すべて伐採され滅失)、東京都立川市・#昭和記念公園(目線に花・実)、横浜市中区・#山手公園(日本で最初に植えられたヒマラヤスギとされる、横浜市名木古木指定)、横浜市金沢区・#金沢動物園(清戸橋(きよどばし))、横浜市金沢区・#金沢自然公園(なんだろ坂、他)
鎌倉市・県道204号線(金沢街道)・#犬懸橋(東側)、藤沢市・#日本大学湘南キャンパス(バラ園(閉鎖)東向いに並木)、江の島・#江島神社中津宮(コッキングによる献木、日本最古級のヒマラヤスギか、滅失)、二宮町・#百合が丘清水公園
#ヴェルニー公園、葉山町一色71-80・#ヒマラヤスギ公園、#極楽寺、#遊行寺(諏訪神社神輿殿前に2本)、藤沢市・#日本精工藤沢工場、平塚市・#総合公園、平塚市・#高村公園、平塚市・東海大学湘南キャンパス(教職員専用第1駐車場、「東海大学1号館前」バス停から)、二宮町・#ラディアン花の丘公園
箱根町・#強羅公園(噴水上のシンボルツリー)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
スギ
メタセコイア
ラクウショウ
セコイア(センペルセコイア)
コウヨウザン
ビャクシン