浜髪剃菜、浜剃刀菜、浜顔剃菜 キク目/キク科/コウゾリナ属 花期/(5月~6月、)9月~11月上旬
学名/Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. litoralis Kitam.
自生種稀少保護
ハマコウゾリナ 三浦市・諸磯 2023/09/14
日当たりの良い海岸風衝草地などに生える一年草(越年草)。コウゾリナの海岸型の変種または品種に位置付けられているもの。コウゾリナは茎が直立して1m以上にもなるだいぶ背高な植物であるが、ハマコウゾリナは強い海風から身を守るために這性(はいせい)で高さは30cm程度にしかならないもの。茎は地面すれすれの最下部でよく分枝(ぶんし)してだらしなく倒れ、周辺に生えているイソギク(磯菊)などの背丈が低い草に紛れることで自身を安定させている。花が地面近くで咲いているものだから遠目にはタンポポ(蒲公英)が生えているかのように見えてしまうかもしれない。神奈川県内では主に三浦半島に分布。自生地があまり多くなくやや希少。
ハマコウゾリナのロゼット 三浦市・諸磯 2023/06/21
ハマコウゾリナのロゼット 三浦市・諸磯 2023/09/14
初夏に咲いたハマコウゾリナ 三浦市・諸磯 2023/05/25
ハマコウゾリナ 三浦市・諸磯 2023/09/14
海岸風衝草地に生えるハマコウゾリナ(黄色花) 三浦市・諸磯 2023/09/26
海岸風衝草地に生えるハマコウゾリナ(黄色花) 三浦市・諸磯 2023/09/26
海岸風衝草地に生えるハマコウゾリナ(黄色花) 三浦市・諸磯 2023/10/26
海岸風衝草地に生えるハマコウゾリナ(黄色花) 三浦市・諸磯 2023/10/26
海岸風衝草地に生えるハマコウゾリナ(黄色花と白綿毛) 三浦市・諸磯 2023/10/26
海岸風衝草地に生えるハマコウゾリナ(黄色花と白綿毛) 三浦市・諸磯 2023/10/26
#ハマコウゾリナ(1株) 茅ヶ崎市浜之郷 2023/09/26
#ハマコウゾリナ 茅ヶ崎市浜之郷 2023/09/15
茎はコウゾリナより明らかにとげとげしていないものもあるので注意。
ハマコウゾリナの茎 三浦市・諸磯 2023/05/25
ハマコウゾリナの茎 三浦市・諸磯 2023/09/14
ハマコウゾリナの茎 三浦市・諸磯 2023/09/26
ハマコウゾリナの茎 茅ヶ崎市浜之郷 2023/09/13
ハマコウゾリナの葉 三浦市・諸磯 2023/09/14
葉は鋸歯(きょし)が不明瞭。鋭利な鋸歯があればノゲシ(野芥子)かオニノゲシ(鬼野芥子)。海辺に貧相なノゲシが生えているとちょっと紛らわしい。総苞の様子も違うので見分けはできる。
ハマコウゾリナの茎生葉 三浦市・諸磯 2023/05/25
コウゾリナの根生葉は花時には枯れてもうなくなっており、ハマコウゾリナの根生葉は花時にもある、という話が『神奈川県植物誌2018』など図鑑等に掲載されていることあるが、そうとは言い切れないので注意。
花時に根生葉がないハマコウゾリナ 三浦市・諸磯 2023/06/21
#ハマコウゾリナの花時にも残る根生葉 茅ヶ崎市浜之郷 2023/09/15
ハマコウゾリナの花
初夏にも咲くが、基本的には秋咲き。夜間は花は閉じる。
ハマコウゾリナの蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2023/09/13
ハマコウゾリナ 三浦市・諸磯 2023/09/29
ハマコウゾリナ 三浦市・諸磯 2023/09/14
ぱっとまん丸には咲いてくれるのはかなり希で、実際にはいびつだったり、開きが中途半端だったり、花弁(のように見える舌状花)が捩(ねじ)れていたり、見た感じきれいとは言い難い花がほとんど。
#ハマコウゾリナの総苞 茅ヶ崎市浜之郷 2023/09/15
ハマコウゾリナの総苞 三浦市・諸磯 2023/09/14
ハマコウゾリナの実
タンポポ型の実ができる。キク科なので、種子に見える一個一個が果実。冠毛と呼ばれる綿毛が付いており、風に飛ばされて分布範囲を広げてゆく仕組み。
ハマコウゾリナの実 三浦市・諸磯 2023/10/26
ハマコウゾリナの実 三浦市・諸磯 2023/09/26
剱崎、黒崎の鼻(令和5年(2023)滅失か)、諸磯
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
こんばんは。なつかしい海岸風景を楽しく拝見しました。ハマコウゾリナがたくさん咲いているのがうれしいですね。このあたりの海岸草地では今ごろ、イソギクも満開となっていることでしょう。
こちらでは秋の花もほぼ終わりですが、神奈川ではもうしばらく目にできると拝察します。新たな記事掲載も楽しみにしています。