榧蘭 クサスギカズラ目/ラン科/カヤラン属 花期/4月中旬~5月初旬 結実期/翌年の2月~3月
学名/Thrixspermum japonicum (Miq.) Rchb.f.
自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「準絶滅危惧」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧II類」
カヤランの満開の花 鎌倉市・円覚寺(えんがくじ)・方丈前庭 2025/04/22
常緑の多年草。湿度が保たれたところの針葉樹ないしサクラ(桜)やウメ(梅)などの古木の枝から垂れ下がって生える野生の着生ランの一種。木の枝や葉に軽く隠れて明るい日陰になっている部分に好んで生えるか。少々の風ではぷらんぷらん揺れることなく、意外とがっちり固着している。名は、葉の形状がカヤに似ていることから。実際にはイヌガヤ(犬榧)の方が似ているか。大きいもので茎葉の部分が縦7cm×横5.5cm程度。葉一枚は長さ3cm(やや反りがち)×幅0.5cm程度。神奈川県内では主に丹沢から箱根の方面にかけて広く分布。湘南・鎌倉・三浦半島では鎌倉の古寺(三ヶ寺)にのみ自生があるかもしれない。希少な野生ランの仲間としては比較的個体数が多いらしい。花も比較的大きくかわいらしいので人気が高い。近頃の真夏の猛暑(に伴う過度な乾燥)が関係しているのか誰かに持ち去られてしまっているのか定かでないが、十年くらい前に比べると個体数は減って株も小さくなったとか。
#ビャクシンに着生した小さな蕾を付けた秋のカヤラン 鎌倉市・円覚寺・仏殿前庭 2024/10/30
#ビャクシンに着生した小さな蕾を付けた秋のカヤラン 鎌倉市 2025/03/23
ビャクシンに着生した開花前の春のカヤラン 鎌倉市 2025/03/23
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン 鎌倉市 2025/04/21
#ビャクシンから見え隠れする開花中のカヤラン 鎌倉市 2025/04/21
#ウメに着生したカヤラン 鎌倉市 2025/04/21
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン(白色矢印) 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン(白色矢印) 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
#ビャクシンに着生したカヤランのサイズ感 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
#ビャクシンの高所に着生した開花中のカヤラン 鎌倉市・円覚寺・仏殿前庭 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン 鎌倉市・円覚寺・仏殿前庭 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン(根本は人為的に養生されている) 鎌倉市 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン(根本は人為的に養生されている) 鎌倉市 2025/04/22
#ビャクシンに着生した開花中のカヤラン 鎌倉市 2025/04/22
#ビャクシンに着生したカヤランのサイズ感 鎌倉市 2025/04/22
#ビャクシンに着生した実がほぼ熟したカヤラン 鎌倉市 2024/03/07
#ビャクシンに着生した実がほぼ熟したカヤラン 鎌倉市 2024/03/07
#ビャクシンに着生した実がほぼ熟したカヤランのサイズ感 鎌倉市 2024/03/07
#ビャクシンに着生したカヤランの根 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
着生ランのヨウラクラン(瓔珞蘭)、ムギラン(麦蘭)、クモラン(蜘蛛蘭)、着生シダ植物のマツバラン(松葉蘭)も、併せて探しておきたい。但し、ヨウラクランはまだ咲き始めていないか、ムギランは蕾、クモランの花期はぜんぜん遅く、マツバランはシダなのでそもそも花を咲かせない(胞子嚢(ほうしのう)を作る)。より小型で全体に赤い斑紋が多く入りがちなベニカヤラン(紅榧蘭)、別名マツラン(松蘭)なるものもあるが、神奈川県内ではかなり希少で、湘南・鎌倉・三浦半島に分布なし。カラヤンは名高いオーストリア人指揮者。
カヤランの花
枝から垂れ下がるように生えた個体の先端部分、つまり最下部で、下向きに花を咲かせる。花径は1cmないし1cm弱。花色はやや明るい黄色で、赤い斑紋が入る。見頃は4月下旬、近年は地球温暖化の影響で4月下旬の早め。
カヤランのまだ小さな蕾 鎌倉市 2025/03/23
カヤランの開きかけの花 鎌倉市 2025/04/22
カヤランの開きかけの花 鎌倉市 2025/04/22
カヤランの満開近い花 鎌倉市 2025/04/22
カヤランの満開近い花 鎌倉市 2025/04/22
カヤランの満開の花 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
カヤランの満開の花 鎌倉市・円覚寺・方丈前庭 2025/04/22
カヤランの花 鎌倉市 2025/04/22
カヤランの花の咲き終わり 鎌倉市 2024/05/03
インターネット事典のコトバンク(kotobank)が、『改訂新版 世界大百科事典』を出典として’花は(中略)1日でしぼむ’、『日本大百科全書(ニッポニカ)』を出典として’花が一日咲きである’、と掲載しているが誤りで、一日花ではなく、一週間は持たなかろうがふつうに数日間は花開いている。
カヤランの実
細長い棒状の実ができる。中にはラン科ならではの細かなけばけばした種子が多量に収まっている。実が熟して裂開するのは翌年の春の開花前の時期。実の残骸は花期まで残る。
カヤランの熟しかけている実 鎌倉市 2024/03/07
カヤランのほぼ熟した実 鎌倉市 2024/03/07
カヤランのほぼ熟した実 鎌倉市 2024/03/07
カヤランの熟して裂開した実と露出した種子 鎌倉市 2024/03/07
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)