蜘蛛蘭 クサスギカズラ目/ラン科/クモラン属 花期/6月末~7月中旬
学名/Taeniophyllum glandulosum Blume
自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IA類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IA類」
#ウメに着生したクモラン 鎌倉市 2024/05/03
常緑の多年草。野生のラン。緑色の扁平な根っこを四方八方に広げてウメ(梅)などの古木の枝にへばり付いている着生ランの一種。葉はなく、クモみたいな姿をした根っこしかない、という姿が風変わりでおもしろい。葉がない代わりに緑色の根で光合成をしているらしい。一度樹木から剥がしてしまうと再活着しないことが知られており、栽培はできない。大きさは直径3.5~5cm程度のものを多く見かける。神奈川県内ではムギラン(麦蘭)と同様に鎌倉市・山北町・南足柄市でのみ存在が確認されている。鎌倉市内では二地点に自生しており、個体数は意外と少なくはない。被着生樹木は私が知る限りウメ5本・シダレザクラ(枝垂桜)1本・ビャクシン(柏槇)3本しかないのは心許(こころもと)ない。
#ビャクシンに着生したクモラン 鎌倉市 2024/05/04
#ウメに着生したクモラン 鎌倉市 2024/05/06
#ウメに着生したクモラン 鎌倉市 2024/07/09
#ウメに着生したクモラン 鎌倉市 2024/07/09
#ウメに着生したクモラン 鎌倉市 2024/07/09
開花中のクモラン 鎌倉市 2024/07/09
未熟な実がなったクモラン 鎌倉市 2024/10/30
ついでに類似する着生ランの、カヤラン(榧蘭)、ヨウラクラン(瓔珞蘭)、ムギラン(麦蘭)、着生シダ植物のマツバラン(松葉蘭)も、併せて探しておきたい。
クモランの花
花茎(かけい)を伸ばして淡い黄緑色の花を咲かせる。花は咲きかけなのか咲き終わりなのか何なのかよくわからない半開きなもので全力で咲いている状態。極小なので肉眼ではまともには見えたものではない。
クモラン 鎌倉市 2024/07/09
クモラン 鎌倉市 2024/07/09
クモラン 鎌倉市 2024/07/09
クモランの実
クモランの未熟な実 鎌倉市 2024/10/30
ムギランの熟した実 鎌倉市 2024/05/04
クモランの熟した実 鎌倉市 2024/05/04
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)