白詰草 マメ目/マメ科/シャジクソウ属 花期/4月中旬~9月
外来種駆除
シロツメクサ 秦野市北矢名 2017/04/06
ヨーロッパ原産の多年草。最早外来種という認識がされないほどに完全に日本に定着している雑草。河川の土手や公園の広場など、行政が造成工事を行った痩せた土地によく群生する。緑肥(りょくひ、生えている・植えている生きた草もろとも耕してしまうことでそれを肥料にしてしまおうとするもの)として使われることがあるせいか、田んぼ周辺にも多い。
シロツメクサの群生 厚木市・荻野運動公園 2016/05/10
シロツメクサ 寒川町一之宮・目久尻川沿い 2018/04/28
英名クローバー(Clover)。葉は通常小葉三枚だが、ときに四枚葉のものができる。これが「四つ葉のクローバー」と呼ばれて、見つけた者に(持っている者に)幸運が訪れるラッキーアイテムになっている。
シロツメクサの葉(四つ葉のクローバー) 茅ヶ崎市・清水谷 2016/05/02
シロツメクサの葉(四つ葉のクローバー) 茅ヶ崎市・清水谷 2016/05/02
シロツメクサの葉(五つ葉のクローバー) 茅ヶ崎市・清水谷 2016/05/02
シロツメクサ(クローバー)の小葉の形状はほぼ真ん丸。ハート形をしているのはカタバミ(片喰)の葉であって、形状としては確かにハート形の方がかわいらしくは感じられるけれどもそれはクローバーではない。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」がロゴに用いているのは桃色の四つ葉のカタバミの方。
シロツメクサ(クローバー)とカタバミの葉 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
近似種にムラサキツメクサ(紫詰草)がある。またシロツメクサとムラサキツメクサにはヤセウツボ(痩靫)が寄生することがある。
シロツメクサの花
最盛期は春の終わりから初夏。その後も咲き続けはするが、花数は大幅に減り、咲き終わった花殻(はながら)が大量に混じって全体的に見苦しく、なぜか花序も葉も一回り二回り小さくなってしまう。”真夏に咲いている小さなシロツメクサはじつは別品種でした”とかいう話でないのなら、シロツメクサは日本の夏は苦手なようだ。
シロツメクサ 秦野市北矢名 2017/04/06
葉先が丸っこくて、長く伸びた花茎(かけい)の先に花が付く。葉先が尖り気味で、花の直下に葉が付くようならムラサキツメクサの方。ムラサキツメクサにも白花が咲くことがある。咲き終わった小花がたらんと下垂したらシロツメクサである。
シロツメクサ 秦野市北矢名 2017/04/06
シロツメクサ 秦野市北矢名 2017/04/06
シロツメクサの矮小化した夏の花 茅ヶ崎市浜之郷 2018/08/05
花序には(シロツメクサほどではないにせよ)長めの柄(え)があり、花色はムラサキツメクサとの中間種のような淡い紅色で、咲き終わった小花は下垂し、小葉はシロツメクサ同様に無毛、つまりシロツメクサと紛らわしい近似種にタチオランダゲンゲ(立阿蘭陀紫雲英)なるものがあるので念のため注意したい。タチオランダゲンゲは名前の通り茎がよく立ち上がる傾向が見られ、花茎はシロツメクサに比べれば短く、萼片が萼筒(がくとう)部分より長めなものがあり、節(ふし)から根が出ない、といった特徴がある。
シロツメクサの実
小花は咲き終わると枯れて下を向き、実を作る。(ツメクサ類に共通する性質として)花弁は散らずに残る。
シロツメクサの咲き終わり 寒川町一之宮・目久尻川沿い 2018/04/28
シロツメクサの咲き終わり 茅ヶ崎市萩園 2018/05/25
シロツメクサの咲き終わり 茅ヶ崎市萩園 2018/05/25
湘南海岸公園(ヤシと芝生広場)
清水谷
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)