クリムソンクローバー

Crimson Clover　マメ目／マメ科／シャジクソウ属　花期／4月～5月中旬
学名／Trifolium incarnatum L.

外来種駆除稀少

#クリムソンクローバー　横浜市緑区いぶき野　2021/05/04

主に春から初夏にかけて、緑肥（りょくひ）として、あるいはダイズ（大豆）やアズキ（小豆）に被害をもたらすダイズシストセンチュウ対策となる効果が期待されて、田んぼや畑で大規模に栽培されることがある、ヨーロッパなどを原産とする一年草。昭和（-1989）の頃のレンゲソウ（蓮華草）と似たような扱いがされるものである。株元から叢生（そうせい）した茎は直立ではないものの立ち上がり、草丈は人の膝（ひざ）下（50cm以下）くらいになる。クリムソンクローバー（クリムゾンクローバー）という名は、赤色の花を咲かせる、シロツメクサ（白詰草）の仲間（クローバー）、の意。クリムソンとは赤系の色のこと。ストロベリーキャンドル、ストロベリートーチ、などとも。和名はベニバナツメクサ（紅花詰草）。湘南・鎌倉・三浦半島では、近年、平塚市北西部の田んぼ地帯でちょっとしたブームとなっているようながら、いつまで継続して栽培されるかはわからない。耐暑性はないので5月後半には枯れてくるか。そうなる前に、田んぼはイネ（稲）の田植え、畑は夏野菜の植え付けを行わなければいけないため、クリムソンクローバーごと鋤（す）き込まれているだろうけれども。野良への逸出帰化が懸念されている植物ではある。ホームセンターの園芸コーナーで「クリムゾンクローバーストロベリートーチ」（サカタのタネ）としてタネが販売されている。

田んぼに群生した#クリムソンクローバー　横浜市緑区いぶき野　2021/05/04

#クリムソンクローバーの草姿　横浜市緑区いぶき野　2021/05/04

葉はシロツメクサのような三出複葉。

#クリムソンクローバーの葉　横浜市緑区いぶき野　2021/05/04

クリムソンクローバーの花

茎の頂上に、まさにクリムゾン色（赤とも、ピンクとも、紫ともつかぬ、その中間的な色）の穂状の花序を咲かせる。はじめイチゴ（苺）のような形状で、咲き進んで行くうちにほぼ円錐形に変わる。シロツメクサっぽい雰囲気を感じる花序である。基本的には農地一面にタネを大量に蒔いて大群生させるため、通りがかった多くの人が足を止めて写真を撮って行くくらいの目を見張る景観を作り出す。もしかしたら一瞬、キバナセンニチコウ（黄花千日紅）の’ストロベリー・フィールズ’かと勘違いしてしまうかも。ケイトウ（鶏頭）の仲間にも紛らわしい姿の花はある。見頃は4月下旬。花持ちは良いらしいので、切花としての利用もできそう。