片喰、酢漿草 カタバミ目/カタバミ科/カタバミ属 花期/4月~11月
自生種
カタバミ 茅ケ崎里山公園 2017/05/07
道端に、民家の庭に、鎌倉の寺境内に、公園に、農地周辺に、もう至る所に雑草として生えてくる多年草。葉は”ハート形”の小葉(しょうよう)が三枚で、まるでクローバー(シロツメクサ(白詰草)の仲間の”丸形”小葉をいう)のよう。葉の表面(おもてめん)は無毛。茎は地面を這うため群生状態になり、茎先端は立ち上がって花を付ける。とにかくしつっこい雑草で外来種ではないかとさえ感じられるが、在来種とのこと。もしかしたら、”日本一引っこ抜かれている雑草”かもしれない。抜いても抜いても生えてくる。草むしりをした翌日にはもう生えていたりさえする。
芝地に生えたカタバミ(青花はオオイヌノフグリ) 茅ケ崎里山公園 2017/05/07
カタバミ 茅ヶ崎市萩園 2020/01/01 ※暖冬
カタバミ(小葉はハート形)とシロツメクサ(斑入り、小葉は丸形)の混生 東京都薬用植物園 2017/05/09
時折見かける直立型の(野生状態での)品種をタチカタバミ(立片喰)という。
タチカタバミ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
タチカタバミ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
全体的に小振りで葉が赤みを帯びる(野生状態での)品種をアカカタバミ(赤片喰)という。カタバミとアカカタバミの中間的な品種はウスアカカタバミ(薄赤片喰)。市街地のアスファルトの割れ目などによく生えている。海岸型の変種で葉の表に毛が多いものをケカタバミ(毛片喰)という。神奈川県内の海辺にも希にあるという。
カタバミ属に分類される植物は総称してオキザリス(Oxalis)と呼ばれる。花や葉がかわいらしい外国産のものが園芸栽培用に流通し、または野良に帰化している。
カタバミの花
花は小さく、花径1cm弱くらい。明るい黄色。花弁は五枚。
カタバミ(白色紋入り葉はシロツメクサのもの=クローバー) 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09
参考資料
『神奈川県植物誌2001』 神奈川県植物誌調査会編集 神奈川県立生命の星・地球博物館発行(2001)