いんかの片喰 カタバミ目/カタバミ科/カタバミ属 花期/5月~12月上旬
学名/Oxalis triangularis A.St.-Hil.
外来種改良種駆除
#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/08/16
日当たり良い場所でやや乾燥気味に栽培される、ブラジル原産の多年草、の園芸種。オキザリス(Oxalis)(カタバミ属に分類される植物の総称)の一種。名は、原産地である南米のインカ帝国から付けられたか。別名多く、インカカタバミ(いんか片喰)、葉の形からサンカクカタバミ(三角片喰)、サンカクバオキザリス(三角葉おきざりす)、学名からオキザリス ・トリアングラリス、などとも。オキザリス・レグネリー(学名/Oxalis regnellii)はそっくりで見分けがつかない別種ともいわれるが、ここではシノニム(同じものを指す支持を得られていない学名)としておく。サカタのタネはハナカタバミ(はなかたばみ)の名前で販売しているようだが、ハナカタバミ(花片喰)は別種に付けられている名前である。いずれにしろ本種は主に二系統の園芸品種が流通しており、葉が紫色でムラサキノマイ(紫の舞)と名付けられているもの、葉が緑色でミドリノマイ(緑の舞)と呼ばれるもの、がある。斑入りだったり、葉の表が緑色で裏は紫色など、細かくいうといろいろあるのだが、大雑把には紫葉と緑葉の二系統。一般的に見かけるのは紫葉の方で、カラスバオキザリス(烏葉おきざりす)とも。ホームセンターの園芸コーナー等で球根(鱗茎(りんけい)という)が安価で売られているので、民家の庭で栽培されていることだろう。乾燥に強く、過湿にやや弱い。花は冬でも咲いてくれるが、強めの霜に当たったり凍結してしまうと葉や花は一気に傷んでしまう。耐寒性はあるので、(地上部は消滅しても)宿根草として越冬はしてくれよう。
#インカノカタバミ 鎌倉市西御門 2019/11/04
#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/08/05
三ヶ月で大きく茂った#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/11/23
#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/06/21
#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/08/16
インカノカタバミの群落、投棄由来の帰化か栽培か 秦野市・立野緑地 2021/04/30
葉は、オキザリスの仲間としては比較的大きめで、ふつう直径6cm強。小葉が心形(ハート形)ではなく三角形をしているのが大きな特徴。葉の色は前述の通り二系統あり、紫色か緑色。黒っぽい銅葉(どうば)に紫色の斑(ふ)が入る品種などもあり。紫葉が野外に逸出して緑葉に先祖返りすることがある、という噂も。直射日光が強いと葉を畳む。
#インカノカタバミの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/23
#インカノカタバミの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/19
#インカノカタバミの軽く斑が入った葉 茅ヶ崎市下町屋 2020/09/14
#インカノカタバミの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2021/06/17
インカノカタバミの葉 秦野市・立野緑地 2021/04/30
他のオキザリスの仲間同様に、初夏以降、葉裏が”さび病”に罹(かか)りやすい。虫が卵を大量に産み付けたかのような気色の悪いオレンジ色の粒々で葉裏が覆われる。発生する前に、サプロール乳剤やジマンダイセン水和剤などのさび病に効果ある農薬(殺菌剤)で防除する。
インカノカタバミの葉裏(オレンジ色は初期のさび病) 秦野市・立野緑地 2021/04/30
地下に、ダイコン(大根)のように肥大した根茎(こんけい)がある。
(地上部は降霜で傷んで消滅した)#インカノカタバミの根茎 茅ヶ崎市浜之郷 2021/02/07
インカノカタバミの花
花も(葉の色とは関係なく)二系統あり、帰化雑草として生えてくるムラサキカタバミ(紫片喰)と同じような薄ピンク色か、白色。葉の個性が強めなので、花はこれくらい小ざっぱりしたものの方がかわいらしく見えるかもしれない。花径2cm余り。
#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/09/06
#インカノカタバミ 鎌倉市西御門 2019/11/04
#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/08/05
#インカノカタバミの萼 茅ヶ崎市浜之郷 2020/08/05
#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/06/17
#インカノカタバミ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/06/17
#インカノカタバミの萼 茅ヶ崎市浜之郷 2021/06/17
白花で緑葉、というものは、白花のイモカタバミ(芋片喰)と混同されやすい。葉の形状が違う。
わが家の庭でも栽培しています。かみさんが買ってきて植えました。勝手に広がりますが、野生のカタバミほど繁殖力は強くないようです。
名前がわからずかみさんに尋ねたら、オキザリス・トリアングラリスと教えられました。「インカノカタバミ」という名前はまったく知りませんでした。
この赤い葉は使いようによっては花壇が美しくなります。春に花壇の地面一面にこの葉があって、そこにムスカリとかチューリップとか、ヒヤシンスとか咲いているのはなかなかよい景色になります。
夏になって、荒れた庭にぽつぽつとこの葉があるのは、確かにまったく見映えしませんけど。
過去に何度か、楽さんのブログでお名前を拝見しています。ふと、訪ねてみて、この記事を見つけました。