水大葉子 オモダカ目/トチカガミ科/ミズオオバコ属 花期/7月末~10月上旬 結実期/9月~11月
学名/Ottelia alismoides (L.) Pers.
自生種稀少保護
環境省レッドリスト「絶滅危惧II類(VU)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧II類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」
ミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
主に田んぼの浅い水の中に生える一年草。水底に根を張り、葉は完全に水中に没した状態で生える、沈水植物(ちんすい-)。ゆえに、光合成をするために、水はきれいな透明で、水面(みなも)をアオウキクサ(青浮草)などが覆ってしまっていないことが生育条件となる。名は、葉が雑草のオオバコによく似ていることから。なおオオバコはシソ目オオバコ科なのでまったくの別種である。水田そのものの減少、強い農薬の使用等の影響で数を減らしているという。あるいは、七月頃に行われるイネ(稲)の中干しで枯死、イネ収穫前の九月から落水されてタネができる前に枯死は、一年草ゆえにたちまち種として存続の危機に直面してしまう。こうなるともう、農家の方の(生産性を犠牲にしての)ご厚意が生命維持に不可欠となる。神奈川県内、田んぼが多く残る海老名市や小田原市を中心に細々と自生がある模様。湘南・鎌倉・三浦半島では寒川町界隈にあるらしいが、他所ではまず見かけないのでは。
田んぼに生えたミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
田んぼに生えたミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
田んぼに生えたミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
田んぼに生えたミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
葉は、名前の通りオオバコによく似ている。ぺらっぺらに薄くて透けるが意外と硬く、ビニール製ではないかとの疑念が湧く。形状は細め、幅広、丸っこい等、個体差あり。
ミズオオバコの葉 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコの葉 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコの葉 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコの透ける葉 海老名市大谷 2020/09/04
オオバコとミズオオバコの葉の比較 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコの花
花茎(かけい、水深に応じて結構長くもなる)を伸ばして、花は水面より上に突き出て咲く。近似種トチカガミ(鼈鏡)と同系の花であるが、ミズオオバコの方が明らかに大きくて見栄え良し。花の大きさは個体差あるもおよそ花径3cm前後か。最大のもので3.5cm強。花色も地域差あるようながら、およそ白っぽい薄ピンク色。花喉部(かこうぶ、花の中央部)は黄色。ふつうは両性花。一日花なので、花見は晴天日の正午前が良い。風吹けば薄い花弁はびらびらなびいてしまうので、できるだけ無風の日に。見頃は8月末~9月中旬か。
ミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコ 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコの萼と子房 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコの実
自家受粉できるらしい。咲き終わると花茎が倒れてひだ付きの子房は水中に没し、やや膨らんで熟す。中に小さな種子が多数収まっている。
ミズオオバコの実 海老名市大谷 2020/09/04
ミズオオバコの実 海老名市大谷 2020/09/04
横浜市戸塚区・舞岡公園(耕作体験田んぼ、小谷戸の里の古民家裏コンテナ、ピンク濃いめ)
鎌倉中央公園(田んぼにあるらしいが一般立入禁止なので一切見えなかろう)
海老名市大谷(おおや、田んぼに)、海老名市中新田(田んぼに)、厚木市・あつぎこどもの森公園
昨日舞岡公園で見てきました。
通路から遠いため、ここまで詳細には見えなかったけれど、花弁の色は、もう少しピンクが濃いように感じました。