アオウキクサ

青浮草 オモダカ目/サトイモ科/アオウキクサ属 見頃/6月~8月

自生種

アオウキクサ(小)とウキクサ(大) 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

アオウキクサ(小)とウキクサ(大) 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

田んぼなどに生える水草で一年草。植物体が丸ごと水面に浮かんでいる浮遊植物である。湘南・鎌倉・三浦半島でふつうに見かけるウキクサの仲間は二種あり、葉(のように見える、葉と茎が一緒になった葉状体)が小さい方はアオウキクサ、大きい方はウキクサであろうと思われる。アオウキクサは田んぼに水が張られると土中の種子から発芽して無数に出現する普通種。

田んぼの水面を覆うアオウキクサ(ごく少数ウキクサも混じっている) 茅ヶ崎市浜之郷 2018/08/13

田んぼの水面を覆うアオウキクサ(ごく少数ウキクサも混じっている) 茅ヶ崎市浜之郷 2018/08/13

アオウキクサ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

アオウキクサ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

アオウキクサ(小)とウキクサ(少数の大) 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

アオウキクサ(小)とウキクサ(少数の大) 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

葉は、鋸歯のないイヌツゲ(犬黄楊)のような形状で、もっと小さい。葉は表も裏も緑色で、赤みを帯びない。娘葉状体と呼ばれる分身を作り分離し増えてゆく。

アオウキクサ(小)とウキクサ(大) 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

アオウキクサ(小)とウキクサ(大) 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

葉の裏から伸びる根は一本のみ。小さすぎて肉眼ではまったく見えないが、根の基部(葉裏に接合する部分)に翼(よく、張り出し部分)があるのが特徴。これも肉眼では見えないが、根の先端は尖る。翼がなく、先端が尖っていなかったらコウキクサ(小浮草)。葉裏が赤みを帯びていて根が複数本あればヒメウキクサ(姫浮草)の可能性。根は、風や波に煽られてもひっくり返らないための重しの役割も担っている。

アオウキクサの根 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

アオウキクサ(四つに増えた葉状体がくっ付いている状態)の根 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

アオウキクサの花

アオウキクサは種子で冬を越すため、花を咲かせるらしい。花といっても、葉の脇からちょろっと白色の蕊を出すのみ。雄蕊二個、雌蕊一個の極小の花。身近で見られる花としては日本最小の花かもしれない。なお世界最小の花とされるのは南ヨーロッパ原産で、日本では金魚の餌として流通しているミジンコウキクサ(微塵子浮草)の花という。

参考資料

『ネイチャーガイド 日本の水草』 角野康郎著 文一総合出版発行(2014)

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『アオウキクサ』へのコメント

  1. ツルミカツオ 投稿日:2024/07/19(金) 14:54:29 ID:19a8675b8 返信

    今に成って、急速にアオウキクサがはびこって来てますが、そのままにして置いても稲の収穫には問題ないですか?

    • mirusiru.jp 投稿日:2024/07/19(金) 20:07:38 ID:4b8e9bffa 返信

      両方の説がありますよね。正確なところは存じません。
      ウキクサが水面を蓋することで水温の上昇を抑制しますから、冷夏なら除草一択じゃないでしょうか。
      昨今の猛烈な暑さ、既にイネがある程度大きく成長しているだろう今の時期、ウキクサ類がイネに及ぼす大きな悪影響は個人的には特には見出せませんが、科学的な根拠に基づく話ではありません。現にウキクサが水面を覆っている田んぼは多く見かけますし、どうということはないのではないでしょうか。(という反面、除草剤が撒かれているのか、ウキクサが浮いていない田んぼもふつうに見かけますが。)
      あとは、ウキクサが遮光することで他の水田雑草の発生を抑制する効果、をどう評価するか、でしょうか。ただ明らかな好影響があるのであれば水稲農家がこぞって田んぼに意図的にウキクサを撒くということをし始めそうですが、そんなことをしている光景は見かけません。
      ウキクサがイネの生育に大きく悪影響を及ぼすことが明らかであるならば、テレビ・新聞・ヤフーニュースあたりのトピックに上がって来そうな気がしますが、そんな話も聞いた例がありません。
      その程度のものでしかないんじゃないでしょうか。推察の話ですが。