東国鯖の尾 キンポウゲ目／キンポウゲ科／シロカネソウ属 花期／3月中旬～4月
学名／Dichocarpum trachyspermum (Maxim.) W.T.Wang & P.K.Hsiao
トウゴクサバノオ 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
山地の湿った林内に生える多年草。小型な野草。日本固有種。名前は、東国に生えるサバの尾っぽ、の意。九州に生える近似種サバノオの実がY字に開くため、魚のサバの尾ひれに見立てられた。本種の実はT字に平開するためサバの尾ひれっぽさはない。また、分布は九州北部から東北南部にかけて広くあり、関東以北の東国にのみ産するわけでもない。神奈川県内では丹沢や箱根に分布あり。湘南・鎌倉・三浦半島に自生なし。ハナネコノメ（花猫の目）やミツマタ（三椏）群生地を見物に丹沢方面へ足を伸ばすと林道脇にちょろっと生えていたりする。多くは見かけない。ぱっと見は咲き終わりのハナネコノメか、ただのユリワサビ（百合山葵）か、といった感じの小型な植物ながら、なんか花が黄ばんでいる、なんか葉の形状が見慣れないかも、そんな違和感がふっと湧いてきたら本種である疑い。
トウゴクサバノオ 厚木市七沢・不動尻 2019/03/20
林道沿いに生えたトウゴクサバノオ（白色矢印） 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオ 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオ（右隣はキランソウ） 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオ 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオ 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオの葉 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオの葉 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオの花
花の大きさはユリワサビと同程度またはそれ以上に小さい。花色は白ではなく、淡い黄色。
トウゴクサバノオ 厚木市七沢・不動尻 2019/03/20
トウゴクサバノオ 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオとユリワサビの比較 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
トウゴクサバノオ 秦野市蓑毛・柏木林道 2024/03/27
花が白っぽかったら、丹沢ならツルシロカネソウ（蔓白銀草）、箱根ならハコネシロカネソウ（箱根白銀草）、である疑い。共に湘南・鎌倉・三浦半島になし。
厚木市・不動尻、秦野市蓑毛（大日堂北方金目川沿いの柏木林道）
参考資料
『神奈川県植物誌2018』（電子版を含む） 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行（2018）
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行（2011）
ハナネコノメ
ユリワサビ
