浜菊 キク目/キク科/ハマギク属 花期/(6月中旬~7月、)9月下旬~11月上旬
学名/Nipponanthemum nipponicum (Franch. ex Maxim.) Kitam.
#ハマギク 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
主に東北地方の太平洋岸に生える常緑の多年草で、ノギク(野菊)の一種。分布域が東日本大震災(2011)の被災地と重なっており、復興にまつわる逸話の中で本種が取り上げられることがある。茎は木質化するので亜低木とも。一属一種で、日本固有種。過酷な海辺に生える植物なので強健で、花も大きいことから、観賞用に江戸時代から栽培されてきたらしい。名は、イソギク(磯菊)と対になるよう付けられたのだろうか。ハマギクといいながらも砂浜にではなく、イソギク同様に岩場辺りに好んで生えるようである。草丈は生育環境により差異が大きく出そうだが、栽培されているものはおよそ人の膝(ひざ、高さ50cm)程度といったあたりか。一株が放射状に茎を伸ばして、こんもりとしたドーム菊(ザル菊)っぽい姿となる。切り戻しをせず放っておくと1mくらいにもなるようだが、姿が荒れて見苦しくなってしまうので、極力小さくまとまった形状になるよう育てられるのがふつう。自生地の南限は茨城県(いばらき-)であり、神奈川県内で見かけるのはすべて人為的に植栽されたもの。ホームセンターの園芸コーナーに苗が並ぶも、公園や民家の庭などで花が咲いているところは滅多に見かけない。そこかしこに植えられているのはマーガレットである。葉の形状で見分けられる。
#ハマギク 箱根湿生花園 2017/10/01
#ハマギク 箱根湿生花園 2017/10/01
#ハマギクの鉢植え(1株) 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
葉は、葉身の葉先側のおよそ半分に鋸歯あり。やや肉厚。
#ハマギクの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
#ハマギクの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
#ハマギクの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
#ハマギクの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2022/06/19
#ハマギクの茎と葉 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
コハマギク(小浜菊)という近似の別種がある。
ハマギクの花
形状は典型的なキクの花である頭状花序。花弁(のように見える舌状花)は白色。ノギクにしては花が大きく直径7cm程度になるため、見栄えがする。日本に自生があるノギクとしては最大の花らしい。芳香はあるも、納豆のような、あまり心地の良い香りではない。
#ハマギク 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
#ハマギク 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
#ハマギク 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
#ハマギクの頭状花序(直径8cm弱) 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
黄色の筒状花(とうじょうか)は、満開するとこんもり膨らんだ半球形になる。
#ハマギクのまだ扁平な咲きかけ筒状花 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
#ハマギクの満開して半球形に膨らんだ筒状花 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
#ハマギクの総苞 茅ヶ崎市浜之郷 2022/10/29
真夏の前から開花し始めることままあるも、暑すぎるのは苦手なようで、花の形が悪かったり、蕾が黒ずんで腐ったりも。きれいに満開するのは10月に入ってから。咲き終わったら、翌年に備えて(株元に出現している新芽を残して)強く切り戻す。切った枝は挿し木に利用できる。
花後に切り戻された#ハマギク 茅ヶ崎市浜之郷 2022/12/02
よく栽培されるシャスタ・デイジーは、フランスギクにハマギクを交配させたものらしい。フランスギクより性質が強く、葉が厚め。
横浜市中区・#三溪園(少ない)
#くりはま花の国、#大船フラワーセンター(本館前花壇)、#氷室椿庭園、#花菜ガーデン(槿花の小径のトイレ横)
#円覚寺松嶺院、江の島・#湘南港(センタープロムナード)、#藤沢土木事務所汐見台庁舎海浜自然生態園
#箱根湿生花園(企画展、9月末~10月初旬)