ヤマハゼ

山櫨 ムクロジ目/ウルシ科/ウルシ属 花期/5月中旬~下旬 結実期/10月~11月
学名/Toxicodendron sylvestre (Siebold & Zucc.) Kuntze

有毒危険自生種稀少

ヤマハゼの葉 大井町赤田/山田 2022/05/19

ヤマハゼの葉 大井町赤田/山田 2022/05/19

野山に生える落葉小高木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。主に山地から丘陵地にかけて自生するようながら、神奈川県内では丹沢や箱根の山奥深くにはないらしく、中国原産の帰化植物であるハゼノキ(櫨の木)と分布域にたいして差はない模様。とはいえ、ハゼノキのように都市部や市街地にもずけずけと生え出てくるようなことはまずなく、自然豊かな地域で目にする傾向が強い普通種。湘南・鎌倉・三浦半島では希少。ウルシ(漆)の仲間なので、体質によってはかぶれることがあるので注意が必要。ハゼノキよりも触ると(多く生えている毛が傷ついて汁気を出しているのだろう)かぶれやすい印象がある。触らない、(花粉を飛ばす)花に近づかないことをお薦めする。

ヤマハゼ 大磯町大磯・王城山 2023/05/18

ヤマハゼ 大磯町大磯・王城山 2023/05/18

ヤマハゼ(白色矢印) 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼ(白色矢印) 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼ(白色矢印) 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼ(白色矢印) 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼ 大井町赤田 2023/05/03

ヤマハゼ 大井町赤田 2023/05/03

ぱっと見の姿が特にハゼノキと似ていて紛らわしいが、全体的に、ハゼノキは無毛(でつるつる)、ヤマハゼは細かな毛がある、という違いがある。但し、交雑しているのか個体差なのかはわからないが、だいぶ薄毛なものも希にあるので総合的な判断が必要となる。毛が生えているのは主に、冬場に見られる冬芽全体、開花時期には前年枝と本年枝の境目(冬芽があった部分)、本年枝の先端、花序の軸、葉柄(ようへい)から(特に葉裏の)葉脈上、など。なお開花時期にずれがあり、ヤマハゼの方がハゼノキより早咲きである。

ヤマハゼ 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼ 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼ 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼ 大井町山田 2023/05/11

開花中のヤマハゼの雄株 大磯町大磯・王城山 2023/05/18 

開花中のヤマハゼの雄株 大磯町大磯・王城山 2023/05/18 

開花中のヤマハゼの雌株 大井町山田 2023/05/11

開花中のヤマハゼの雌株 大井町山田 2023/05/11

開花中のヤマハゼの雌株 大井町山田 2023/05/11

開花中のヤマハゼの雌株 大井町山田 2023/05/11

ハゼノキ同様に奇数羽状複葉。ハゼノキよりも小葉が大きく幅広な傾向が感じられるも、個体差あるので見分けの判断材料にはならない。なお散るのが早く、ハゼノキの紅葉が見頃を迎える頃にはもう落葉している。小葉は全縁(ぜんえん)。細かな鋸歯があったらオニグルミ(鬼胡桃)タラノキ(楤木)。小葉の基部にだけ鋸歯の名残のようなものあったらニワウルシ(シンジュ)。偶数羽状複葉ならムクロジ(無患子)

ヤマハゼの葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの葉 大井町赤田/山田 2022/05/19

ヤマハゼの葉 大井町赤田/山田 2022/05/19

ヤマハゼの葉 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの葉 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

#ヤマハゼの葉 横浜市金沢区・金沢自然公園 2018/05/20

ヤマハゼの葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/05/20

ヤマハゼの葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/05/20

ヤマハゼの毛が多い葉 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの毛が多い葉 大井町山田 2023/05/11

葉裏はハゼノキと違って白っぽくはない。

ヤマハゼの白くなく、毛が多い葉裏 大井町赤田/山田 2022/05/19

ヤマハゼの白くなく、毛が多い葉裏 大井町赤田/山田 2022/05/19

ヤマハゼの毛が多い本年枝の先端 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの毛が多い本年枝の先端 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼにしては毛が少ない本年枝の先端 大磯町大磯・王城山 2023/05/18

ヤマハゼにしては毛が少ない本年枝の先端 大磯町大磯・王城山 2023/05/18

ヤマハゼの前年枝と本年枝の境に多い毛(白色矢印) 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの前年枝と本年枝の境に多い毛(白色矢印) 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの前年枝と本年枝の境に多い毛(白色矢印) 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの前年枝と本年枝の境に多い毛(白色矢印) 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの幹(樹皮) 大井町赤田 2023/05/03

ヤマハゼの幹(樹皮) 大井町赤田 2023/05/03

ヤマハゼの幹(樹皮) 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15

#ヤマハゼの幹(樹皮) 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15

冬枯れているヤマハゼ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/11/30

冬枯れている#ヤマハゼ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/11/30

冬枯れているヤマハゼ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/11/30

冬枯れている#ヤマハゼ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/11/30

ヤマハゼの毛むくじゃらの冬芽 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/11/30

#ヤマハゼの毛むくじゃらの冬芽 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/11/30

ヤマハゼの毛むくじゃらな冬芽 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15

#ヤマハゼの毛むくじゃらな冬芽 横浜市金沢区・金沢自然公園 2020/12/15

ヤマハゼの毛むくじゃらな冬芽 茅ヶ崎市東海岸北 2023/01/19

#ヤマハゼの毛むくじゃらな冬芽 茅ヶ崎市東海岸北 2023/01/19

オニグルミの冬芽も毛が多いが、葉痕(ようこん)がぜんぜん違う。

ヤマハゼの花

ハゼノキと似たような花を咲かせる。開花時期の目安はエゴノキ(斉墩果)が満開の頃。雌蕊がほぼなく、雄蕊ばっかりびんびんにおっ立っているのが(雄株の)雄花。

ヤマハゼの(雄株の)雄花 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの(雄株の)雄花 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの(雄株の)雄花 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの(雄株の)雄花 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの(雄株の)雄花 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの(雄株の)雄花 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの(雄株の)雄花 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ヤマハゼの(雄株の)雄花 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2023/05/12

ぱっと見は雌蕊も雄蕊もある両性花ながら、雄蕊がやや退化しているのが(雌株の)雌花。

ヤマハゼの(雌株の)雌花 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの(雌株の)雌花 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの(雌株の)雌花 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの(雌株の)雌花 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの(雌株の)雌花 大井町山田 2023/05/11

ヤマハゼの(雌株の)雌花 大井町山田 2023/05/11

人には「触るな」と言いながら、(かぶれやすい体質ではない)私自身は写真撮影のために枝を素手で掴んだりしているわけだが、三十分くらいたつとちくちくとした刺激を伴うかゆみは発生している。手から腕を簡単に水洗いすればどうということのない、極めて軽度なかぶれ。クリスマスローズと同程度で、イラクサ(刺草)の方がよっぽどたちが悪いかな、という印象。


横浜市金沢区・#金沢自然公園(なんだろ坂バーベキュー広場下段下東端=樹名板あり、雄株のはずだが少しだけ実ができるか)、横浜市栄区・横浜自然観察の森(タンポポの道②~③に雄株、コナラの道⑥~⑦・貧相、共に「さわらないでください!」の注意書きあり、コナラの道⑩~⑪、ウグイスの道⑫に貧相)、横浜市栄区上郷町(横浜栄高校西の青色コンテナ製のレンタルトランクルーム南西、近くで見れない、ハゼノキと混生?)

大磯町大磯・王城山(おうじょうやま、住宅地終わりに雄株、山頂入口に雄株、やや薄毛)

長久保公園(なし、公式サイトに掲載されているものは正しくはハゼノキ)、茅ヶ崎市東海岸北・鉄砲通り・#下山動物病院(薄毛)

大井町赤田/山田・いこいの村あしがら(南方)、大井町山田(菊川「拝橋」西側、ビオトピアフィールド南東の車道沿い)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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