ミヤマオダマキ

深山苧環 キンポウゲ目/キンポウゲ科/オダマキ属 花期/3月下旬~5月中旬
学名/Aquilegia flabellata Siebold et Zucc. var. pumila (Huth) Kudô

有毒改良種

ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

#ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

寒冷な高山に生える多年草。神奈川県内に自生なし。これのより大型な園芸種が広く流通しており、民家の庭や公園花壇などでよく栽培されている。元は高山植物でありながら気難しい性質はないので簡単に栽培でき、ぼちぼち増えもする。単にオダマキといった場合はオダマキ属に分類される植物の総称であるが、ふつうは最も一般的なミヤマオダマキの園芸種を指す。花は青紫色系。日本産オダマキは他に赤褐色系の花を咲かせるヤマオダマキ(山苧環)がある。日本産オダマキはこの青っぽいミヤマオダマキと赤っぽいヤマオダマキの二種しかない。近頃はセイヨウオダマキ(西洋苧環)と総称される外国産オダマキも流通しているが、明らかに花が風変りで突飛な姿をしているので日本産オダマキと混同することはないだろう。苧環(おだまき)とは、糸を糸巻で巻いて玉状にしたもののこと。この花の距(きょ)が糸繰(いとく)りに使われる木枠の突起に見立てられたと思われる。別名イトクリソウ(糸繰草)。

ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/10

#ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/10

しづやしづ


鎌倉でオダマキといえば‥、
しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな──
どうしてもこの嘆きの和歌の話をせねばなるまいが、ここに出てくるオダマキは花ではなくて糸の方。”しづ”は詠み手である静御前(しずかごぜん)と糸を織って作られた布である倭文(しず)を掛けている。”もがな”は”あったらいいなぁ”という願望を表す。

文治2年(1186)4月8日、源頼朝と妻の北条政子が鶴岡八幡宮を参詣したとき、捕虜にしていた静御前を廻廊に召し出して舞を舞わせた。静は、頼朝から反逆の罪で追われている源義経の妾(めかけ)で、白拍子(芸者)だった女。よりにもよって、関東の平安を祈念する鶴岡八幡宮の神前で反逆者である義経を慕い、義経が活躍していた頃に時が戻ってほしいものだなぁなどと、頼朝を恨む歌を詠んだのだった。(『吾妻鏡(あずまかがみ)』)


いまでは4月第二日曜日から始まる鎌倉市観光協会主催の「鎌倉まつり」の中で、鶴岡八幡宮舞殿(まいでん)にて「静の舞(しずかのまい)」が演じられ、当時の情景が再現されている。なお静御前が舞を舞った廻廊とは当時あったとされる若宮の廻廊であり、現在ある舞殿のことではない。

ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

#ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

ミヤマオダマキの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

#ミヤマオダマキの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

希少な巻貝の仲間にオダマキ(Depressiscala aurita)というのがあるがもちろん無関係の別種。茶碗蒸しにうどんを入れた小田巻(おだまき)なる関東人からしたらちょっと気味の悪い料理が関西にはあるらしい。小田巻蒸しとも。

ミヤマオダマキの花

花色は青紫。ぱっと開いて花弁に見えるのが萼片、ラッパ型副花冠に見えるのが花弁で五枚あり、花弁後方に突き出ている尻尾のような突起部を距という。草丈は人の脛(すね)程度しかなく花は下向きに咲くので観賞にやや難あり。一段高くなっているところに植えた方が花を楽しめるかも。

ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

#ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/05

#ミヤマオダマキ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/05

ミヤマオダマキの花の構造 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

#ミヤマオダマキの花の構造 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02

ミヤマオダマキの実

ミヤマオダマキの若い実 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/21

#ミヤマオダマキの若い実 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/21


東京都文京区・#小石川植物園(分類標本園)、横浜市泉区・#天王森泉公園

#海蔵寺、#東慶寺、#大船フラワーセンター、#大磯城山公園

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

ヤマオダマキ

ヒメウズ