オオイタビ

大崖石榴 バラ目/クワ科/イチジク属 花期/7月~10月 結実期/10月~4月

自生種改良種稀少保護

オオイタビの実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/01/10

#オオイタビの実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/01/10

林内の半日陰の崖などを覆うように生える常緑の藤本(とうほん)で、雌雄異株(しゆういしゅ)。蔓性のイヌビワ(犬枇杷)、とでもいったような植物である。オオイタビカズラとも。神奈川県内でも三浦半島周辺などに自生があるようだが、見かける機会はほとんどない。ふつう目にするのは壁面緑化を目的に人為的に植栽されたもの。学名のフィカス・プミラ(Ficus pumila)あるいは単にプミラの名で白色の斑(ふ)が入る園芸品種も含めて市中に出回っており、ブロック塀等を覆い隠すのに、あるいはポットにちょい植えして室内置きの観葉植物として、一般の民家でも利用がある。カタカナ名で売り出した方が女性に受けるのか、正体は中国などから輸入したものなのか、そのあたりの売り手事情は知らない。従って野良で見かけたものであっても外国から持ってきた株の逸出帰化である可能性は否定しない。

オオイタビの植え込み 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

#オオイタビの植え込み 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

オオイタビの植え込み 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

#オオイタビの植え込み 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

オオイタビの植え込み 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

#オオイタビの植え込み 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

近似種にイタビカズラ(崖石榴)ヒメイタビ(姫崖石榴)あり。イタビカズラを基準に、葉が小さめなのがヒメイタビ、大きめなのがオオイタビ。オオイタビは特にヒメイタビと姿が似ているものがあり紛らわしい。単にイタビといったらイヌビワの異名である。石造の板碑(いたび)とは無関係。

オオイタビの若い枝 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

#オオイタビの若い枝 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

若いうちの枝にはうっすらと短い毛あり。ヒメイタビは長い毛が目立つ。

オオイタビの葉 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

#オオイタビの葉 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

イタビカズラの仲間はすべて、葉は互生。イタビカズラの葉は細身で長め、幅広で丸っこい感じがするのはオオイタビはヒメイタビ。オオイタビとヒメイタビは葉の大きさで単純に見分けられるものでないのが少々厄介。オオイタビの幼葉は切れ込みが入らない点でヒメイタビと異なる。

オオイタビの葉 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

#オオイタビの葉 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

主脈から支脈がやや鋭角に伸びる。主脈に対する支脈の角度は四十五度未満。ヒメイタビでは四十五度以上になる。

オオイタビの葉裏の特徴 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

#オオイタビの葉裏の特徴 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

蔓性の木で混同しうるものに、テイカカズラ(定家葛)フウトウカズラ(風藤葛)がある。

オオイタビの花

果物のイチジク(無花果)と同様、花嚢(かのう)と呼ばれる袋の内側で花を咲かせる特殊な形態を採用。花粉の運搬や受粉は特定の昆虫がその袋の中に潜り込むことで実現させる。袋のまま名を果嚢(かのう)と改めて実となるため、外見上は花が咲いているのかもう実になっているのかよくわからない。壁面緑化の植栽もので丁寧に刈り込みされていると果嚢は付けにくい。

オオイタビの越冬花嚢か 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

#オオイタビの越冬花嚢か 藤沢市・江の島サムエル・コッキング苑 2018/12/19

オオイタビの実

異様な大きさと形状になる。

オオイタビの実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/01/10

#オオイタビの実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/01/10

オオイタビの実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/01/10

#オオイタビの実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/01/10

オオイタビ(雄株か)の熟した実の中身 茅ヶ崎市浜之郷 2019/02/10

#オオイタビ(雄株か)の熟した実の中身 茅ヶ崎市浜之郷 2019/02/10


江の島サムエル・コッキング苑(入口外)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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『オオイタビ』へのコメント

  1. 投稿日:2019/02/12(火) 06:59:08 ID:a7e84d736 返信

    滅多に見ない品種も見られるのは、神奈川県植物誌の影響ですか。
    私は、このような本を前にするとすぐ眠くなる人種で、ここまで探求できません。

    • mirusiru.jp 投稿日:2019/02/12(火) 19:23:59 ID:ed514bd58 返信

      図書館にこもって参考書の閲覧もしています。
      楽さんはほんとうに神植をご覧になられていないようですね。
      “稀少な植物を探しに行く”という目的では神植はまったく役に立たないものですので。
      楽さんのブログの方が百万倍有益です。

      ミヤマフユイチゴはいまだに遭えませんし、ハマアザミにはトータル100時間近く無駄骨を折ってばかりですし、何年も地面ばっかり凝視し続けていながらただの一度さえ出くわさないイヌノフグリにはもううんざりしちゃったので野川公園の栽培品を見に行って済ましてやるとか思っていたら楽さんのブログに先日掲載されていて笑っちゃいましたし、植物はどうにもこうにも、運(と徒労)じゃないですかね。