溝蕎麦 ナデシコ目/タデ科/イヌタデ属 花期/9月中旬~10月 結実期/11月中旬~12月
学名/Persicaria thunbergii (Siebold & Zucc.) H.Gross var. thunbergii
自生種
ミゾソバ 鎌倉中央公園 2016/10/10
休耕田や湿地に好んで生える一年草。名は、溝に生えるソバのような花、の意。溝は田んぼに掘られた水路のことをいっているようだが、ミゾソバは流水は好まない。茎は蔓(つる)のように細くて長く、地面を這っては分岐する。このため、大群生しているように見えることが多い。湘南・鎌倉・三浦半島でたくさん見られる普通種。自然豊かとはいえない地域のひょんな水辺にも生えているたくましい野草。
真夏のミゾソバ 逗子市・池子の森自然公園 2023/08/12
ミゾソバの群生 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20
ミゾソバの群生 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20
ミゾソバの群生 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20
葉はウシ(牛)の頭部を真正面から見たようなおもしろい形をしており、ウシノヒタイ(牛の額)という別名も。葉の大きさの大小、くびれの強さ等は個体差あり。特に若くて小さな葉はくびれが一切ないものも。
ミゾソバの若い葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20
ミゾソバの葉 鎌倉中央公園 2016/10/10
茎下方の葉には明瞭に葉柄(ようへい)が現れる。葉柄に翼(よく)はない、か、ないように見える。まじまじ観察すれば条(すじ)状の細い翼が(横に広がるのではなく)縦向きにあったりするが。葉も花も全体的に大きめで葉柄に翼が明確にあったら変種のオオミゾソバ(大溝蕎麦)である可能性。
ミゾソバの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2018/10/24
ミゾソバの葉 鎌倉中央公園 2016/10/10
ミゾソバの茎下方の葉、葉柄には翼が細々と確認できる 茅ヶ崎市・清水谷 2019/10/10
ミゾソバの葉柄に細々とある翼 茅ヶ崎市・清水谷 2019/10/10
似たような形態の植物に、オオミゾソバ、ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)、アキノウナギツカミ(秋の鰻掴)、ヤノネグサ(矢の根草)、およびイシミカワ(石実皮)がある。葉の形状の違い、花の大きさの大小に注意を払えば、いずれも見分けはできる。
ミゾソバの花
小さな、花径6mm前後の花を咲かせる。蕾は複数固まってあるが、花弁(のように見える萼)を開いているのは多くてニ三個くらいだろう。花色は白からやや濃いめのピンクまで、個体差あり。
ミゾソバの群生 茅ヶ崎市・清水谷 2019/10/10
ミゾソバ 箱根湿生花園 2017/10/01
ミゾソバ 鎌倉中央公園 2016/10/10
花柄(かへい)には腺毛(せんもう)がたくさん生えている。
白花のミゾソバ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20
白花のミゾソバ 鎌倉中央公園 2016/10/10
赤みが強いミゾソバ 鎌倉市・夫婦池公園 2017/10/09
赤みが強いミゾソバ 鎌倉中央公園 2016/10/16
ミゾソバの実
咲き終わって実ができているはずの頃であるが蕾とそっくりで見分けがつかない、という実。中に緑色の種子が収まっている未熟な実(と思われるもの)であっても、軽く手で触れただけで実がぼろぼろとこぼれ落ちてしまう。未熟なようでじつは発芽能力は既にあったりするのだろうか。
ミゾソバの未熟な実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/11/12
逗子市・池子の森自然公園(白っぽい)、鎌倉中央公園(山崎口入り左手の湿生花園)、清水谷(池周辺、木道のある湿地)、茅ヶ崎市行谷(田んぼ)
夫婦池公園、引地川親水公園大庭遊水地、寒川町田端(西久保橋北側の放棄田)
栄区の飯島市民の森に群落があります。
タデ科の植物なので、若葉にハの字が現れて、面白いな。
この特徴的な紋様が、ミズヒキとペアになって繁茂します。
ただ、最近はドクダミの繁茂が激しくて、ちょっと勢力が後退気味です。
寂しい気もします。