南天萩 マメ目/マメ科/ソラマメ属 花期/9月中旬~10月上旬 結実期/11月
学名/Vicia unijuga A.Braun
自生種保護
ナンテンハギ 鎌倉中央公園 2016/10/10
明るい林縁部や草地などに生える多年草。蔓植物のように見えないでもないが、周囲の物に巻き付けて自身を固定するための巻きひげはなく、茎が支柱となるものに巻き付いて絡むでもないので、蔓植物ではない。背丈の低い他の草に紛れて、あるいは地面に這い気味に倒れて生えている。湘南・鎌倉・三浦半島では、主に三浦丘陵にあり。多からず少なからず、ちらほら出くわす程度の普通種。完全な市街地にはないが、緑地がすぐ身近にある鎌倉や三浦半島では宅地周りにも生えている。
林縁の草地に生えたナンテンハギ 鎌倉市・祇園山ハイキングコース 2019/10/03
#ナンテンハギ、桃色の玉はヒメツルソバ 逗子市・神武寺 2018/10/25
ササ藪に紛れて生えたナンテンハギ 逗子市桜山 2018/11/23
マメ科の葉は三出複葉が多いが、ナンテンハギの葉は一対二枚であることが最大の特徴。それが互生する。なおマメ科の二枚葉にはミヤマタニワタシ(深山谷渡)なるものもあるが、山地に自生するもので、神奈川県内では相模湖以北(景信山~陣馬山方面)および大山周辺でのみ確認されていて、湘南・鎌倉・三浦半島にはない。葉軸の先端から巻きひげが出ていたらオオバクサフジ(大葉草藤)である疑い。
ナンテンハギの葉 鎌倉中央公園 2016/10/10
葉の基部に、明石家さんま扮するブラックデビルの耳のような形をした一対の托葉がある。さほど大きくはないのであまり目立ちはしないか。
ナンテンハギの托葉 逗子市桜山 2018/11/23
ナンテンハギの花
花はマメ科らしい形状で、花色は紫系で個体差あり。暖かい初秋では明るい濃い赤紫色(ややどぎつめの濃いピンク色)、更に紫、咲き終わり近くなると青っぽくなることも。ほぼ同時期に似たような形状と大きさの花を付けるヤブマメ(薮豆)も咲いているが、こちらの花色は白基調に淡い紫が入るもの。紫花で数多くまとまってどっさり付いていたらクサフジ(草藤)の仲間のどれかか。クサフジそのものは神奈川県内に自生なし。
ナンテンハギ 鎌倉中央公園 2017/09/19
ナンテンハギ 鎌倉中央公園 2017/09/19
ナンテンハギ 鎌倉中央公園 2016/10/10
シロバナナンテンハギ 鎌倉中央公園 2017/09/29
シロバナナンテンハギ 鎌倉中央公園 2017/09/29
シロバナナンテンハギ 鎌倉中央公園 2017/09/29
暖秋・暖冬だと年が明けた真冬でも咲いているものがある。
ナンテンハギ 鎌倉市・円覚寺 2019/12/16 ※暖冬
ナンテンハギ 鎌倉市扇ガ谷 2024/01/07 ※暖冬
ナンテンハギの実
小さなエンドウ(豌豆)っぽい形状。完熟して乾燥すると、莢(さや)がカールしながら開いて種子(豆)を露出させる。他の草にまみれてあるせいだろう、犯人はコオロギ(蟋蟀)なのか何なのか莢も豆も虫にかじられているものが目立った。
シロバナナンテンハギの実 鎌倉中央公園 2017/11/16
シロバナナンテンハギの実 鎌倉中央公園 2017/11/16
シロバナナンテンハギの実 鎌倉中央公園 2017/11/16
シロバナナンテンハギの実 鎌倉中央公園 2017/11/16
シロバナナンテンハギの実 鎌倉中央公園 2017/11/16
子安の里(頂上の直売所北側)、鎌倉市大町・祇園山ハイキングコース(八雲神社上の日当たりある草地、見晴台周辺)、亀ヶ谷坂、浄智寺(太鼓橋周辺)、喫茶吉野(入口東慶寺側)、鎌倉中央公園(少ないが白花も、夏の刈払いで被害多い)、鎌倉広町緑地(畑周辺)、#貞宗寺(参道途中池側)
六代御前の墓(長柄桜山古墳群2号墳への通路沿いに僅少)、鎌倉市浄明寺・平成巡礼道への谷戸