連理草 マメ目/マメ科/レンリソウ属 花期/4月下旬~6月
学名/Lathyrus quinquenervius (Miq.) Litv.
有毒自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IB類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」
レンリソウの葉 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
川べりの土手など日当たりの良い湿った草地に生える多年草。群生する。園芸植物のスイートピーの近縁種とされるマメ科の植物であるが、花は小さいので見栄えのするものではない。雰囲気的にはむしろクサフジ(草藤)の仲間にひっくるめてしまった方がしっくりくるか。連理とは、一対になって合わさることを意味し、小葉が対になって生える様子から名付けられたのだろう。一本の硬い茎がしっかり直立し、草丈は以外と低くて人の膝(ひざ、高さ50cm)上くらい。葉軸(ようじく)先端から伸びた巻きひげで周囲の草を掴んで自身を固定する。草地の中に生えるのでごちゃついている印象に思えてしまうが、蔓植物ではないのでひょろひょろ長く伸びた茎がごちゃごちゃ巻き付いたり絡み合ったりしているわけではない。神奈川県内ではそもそも希少種。湘南・鎌倉・三浦半島にも自生があるとか、あったとか、絶滅したとかどうとか。花付きが悪く、咲いても小さくてあまり目立たないため、捜索に難。葉っぱの特徴的な形状を頼りに探すことになる。
レンリソウなどの保護囲い 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
草地に生えたレンリソウ 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
草地に生えたレンリソウ 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
草地に生えたレンリソウ(左上はクララ) 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
草地に生えたレンリソウ 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
草地に生えたレンリソウ 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
草地に生えたレンリソウ 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
#レンリソウのサイズ感 箱根湿生花園 2025/05/23
虫に食われてずたぼろな#レンリソウ 箱根湿生花園 2023/07/19
茎はしっかり硬くて直立。翼(よく、張り出し部分)がある。
#レンリソウの草姿 箱根湿生花園 2025/05/23
#レンリソウの翼がある茎 箱根湿生花園 2025/05/23
葉は偶数羽状複葉で、大きめの小葉が一対から三対ある。葉軸の先端からは巻きひげが伸びる。巻きひげは一本で、分岐しない。
#レンリソウの葉 箱根湿生花園 2025/05/23
#レンリソウの葉 箱根湿生花園 2025/05/23
#レンリソウの巻きひげ 箱根湿生花園 2025/05/23
#レンリソウの托葉 箱根湿生花園 2025/05/23
海辺に生えるハマエンドウ(浜豌豆)は同じレンリソウ属に分類されるが、姿かたちがぜんぜん似ていないので混同する虞(おそれ)なし。外来の園芸植物で帰化雑草として生え出ることもあるヒロハノレンリソウ(広葉の連理草)は各部の形状は似ているものの巨大植物なので見間違えることはあるまい。巻きひげは分岐する。
レンリソウの花
クサフジのような縦長な立派な花序は作らず、小花は多くても五個くらいまでしかない。花色は紫。咲き始めは明るい赤紫色に近く、咲き終わりは青っぽく変わる。アブラムシ(油虫)が大量に付きやすく、花色が部分的に欠損しているのは昆虫による食害の影響だろう。きれいな花を見つけるのは困難。そもそも花付きは不良。群生地であっても一面が花の紫色に染まるなどという光景にはまずならない。
#レンリソウの蕾 箱根湿生花園 2025/05/23
レンリソウの花 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
レンリソウの花 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
レンリソウの花 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
レンリソウの花 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
アブラムシが付いたレンリソウの花 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
レンリソウの花のサイズ感 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
レンリソウの花の咲き終わり 東京都府中市・多摩川 2025/05/26
東京都府中市南町(-ちょう)・多摩川(「南通り入口」交差点東側の左岸土手内側に大きな保護ロープ囲い、大量、5月中旬遅めが最盛期か)
#箱根湿生花園(②ススキ草原区、大量にあるがそもそも開花は少ない上にアブラムシとバッタによる食害が目立つ、5月下旬~6月初旬)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)