野原草藤 マメ目/マメ科/ソラマメ属 花期/6月中旬~9月 結実期/10月下旬~11月
学名/Vicia amurensis Oett.
自生種稀少保護
ノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
山地の日当たりの良い草地や林縁、または平野部の河原などに生える、蔓性の多年草。神奈川県内での分布域は特殊で、相模川に面した草むらにほぼ限定される。元はその源流部の山地に生えていて相模川を流れて下って来たということか。名は、野原に生えて、クサフジ(草藤)に似たものの意。クサフジも野原に生えるのであるが。花は確かにクサフジそっくり。ただクサフジより小葉がやや丸みを帯びているため、花がなければヒロハクサフジ(広葉草藤)の方が紛らわしいかもしれない。乱暴な言い方になるが、神奈川県内に限っていえば、相模川に生えていたらノハラクサフジ、海辺に生えていたらヒロハクフサジ、クサフジは自生なく、ここにツルフジバカマ(蔓藤袴)が絡んできて見分けがちょっと面倒臭い、という状態。湘南・鎌倉・三浦半島では寒川町・茅ヶ崎市・平塚市の相模川沿いで自生が確認されているようながらだいぶ希。海老名市・東名高速以北の相模川で探すと見つけやすいのかもしれない。
ノハラクサフジ生える草むら 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジ生える草むら 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
結実期のノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/10/06
実が熟したノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/11/01
葉は、ノハラクサフジは無毛、ヒロハクサフジは有毛。といわれるのだが、多くの人は色形の優れた見栄え良い若めの葉を手に取って観察するだろうことを考えると、(幼時にあった毛がまだ残っているため)ノハラクサフジの葉は無毛とはいえないので注意が必要。ノハラクサフジはできるだけ成熟した古めの葉を見ないといけない。葉裏を見て、ノハラクサフジは脈上を中心にややまばらに毛が残っているか無毛、ヒロハクサフジは葉身全面にまんべんなく細かい毛がしっかり生えている。明らかに形状が異なる花序で見分けた方が容易(たやす)い。
ノハラクサフジの葉 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジの葉 相模原市南区磯部・相模川 2023/10/06
ノハラクサフジの葉 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジのうっすら毛が残る葉裏 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジの托葉 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジの花
ノハラクサフジの花序は、縦に細長いクサフジ型。ヒロハクサフジの花序は縦長でないずんぐりとしたツルフジバカマ型。という傾向。開花は梅雨から夏。秋の涼しさを感じた頃に咲き終わる。花色は明るい紫。蕾や開花直後は青い。
ノハラクサフジの青い蕾 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジ 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジの萼 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジの実
はじめ扁平で膨らんでくる。小振り。
ノハラクサフジの若い実 相模原市南区磯部・相模川 2023/09/16
ノハラクサフジの未熟な実 相模原市南区磯部・相模川 2023/10/06
ノハラクサフジの未熟な実 相模原市南区磯部・相模川 2023/10/06
ノハラクサフジの未熟な実 相模原市南区磯部・相模川 2023/10/06
なお花が咲き終わるとにわかに個体の発見が困難になるので注意が必要。時を同じくしてアメリカセンダングサ(あめりか栴檀草)やコセンダングサ(小栴檀草)あたりが旺盛に茂ってノハラクサフジが生えていた草薮に近づけなくなったりも。
ノハラクサフジの熟した実 相模原市南区磯部・相模川 2023/11/01
ノハラクサフジの熟した実 相模原市南区磯部・相模川 2023/11/01
ノハラクサフジの種子 相模原市南区磯部・相模川 2023/11/01
ノハラクサフジの種子 相模原市南区磯部・相模川 2023/11/01
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)