ヤノネグサ

矢の根草 ナデシコ目/タデ科/イヌタデ属 花期/10月中旬~11月上旬

自生種稀少保護

ヤノネグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ミゾソバ(溝蕎麦)アキノウナギツカミ(秋の鰻掴)などと同じく、湿地や田んぼに生える一年草。細い茎は地べたを這って、分岐した枝は他のミゾソバなどともつれながらひょろ長く直線的に伸び、茎の上部だけやや斜上して花を露出させる。花が小さいので勘違いしそうになるが、藪に紛れてまったく視認できない茎の長さは密かに1mくらいあったりする。全体的な姿はアキノウナギツカミに似るが、葉の形状は異なる。『神奈川県植物誌2001』によれば普通種。ただ実際には見かける機会はほとんどないのではないか。仮にあっても大量に生えているミゾソバなどに紛れてしまうこと、花が小さく咲いていても気づかないことも原因かもしれないが、現に入念に捜したところでなっかなか見つかりはしないので、湘南・鎌倉・三浦半島ではそうそう生えているものではないのでは。アキノウナギツカミ以上に見かけない。これらとは葉の形状と小花の大きさを比較して見分ける。他に類似するものにママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)があるが葉の形状から違いは明白、イシミカワ(石実皮)も葉の形状および花や実の様子から簡単に見分けられる。

ヤノネグサ、背景の白花はミゾソバ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサ、背景の白花はミゾソバ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサ、右下はミゾソバ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサ、右下はミゾソバ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

茎は細くてひょろ長なのでアキノウナギツカミに似る。茎に生えた逆刺(ぎゃくし、下向きの棘(とげ))はかなり細かく、指でしごいても痛からず。アキノウナギツカミと同程度で、少々ざらつく感じ。ミゾソバの逆刺は更に細かく、ざらっとも来ないさらさらな触り心地。

葉の形状はアキノウナギツカミとは明確に異なり、ヤノネグサは茎をまったく抱かない。葉柄(ようへい)は短いながら視認できる。ミゾソバの若い葉とも紛らわしいが、ヤノネグサの葉の方が細長めで、ウシ(牛)の額(ひたい)形にくびれることは一切なく、基部はわずかにあるいはある程度心形(しんけい)。

ヤノネグサの葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサの葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサの葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサの葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサの葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサの葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサの葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサの葉 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

矢の根とは弓矢の先端に付けられた鏃(やじり、獲物にぶすっと突き刺さる部分)のこと。葉の形状が見立てられたか。

ヤノネグサの花

小花の花径は2.5mmとか3mm程度しかなく、観賞する価値を一切感じないレベルで極小。ちなみにアキノウナギツカミの花もだいたい同じくらいの大きさ、または僅かに大きめ。ミゾソバはこれらに比べれば明らかに大きく花径5mmないし6mm程度と、ある程度観賞に足るサイズ感はある。花弁(のように見える萼片)外側の先端は(ときに強めに)赤みを帯びる。ほぼ白花もあるらしい。

ヤノネグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサ(とミゾソバ)の花柄(かへい)には腺毛(せんもう)が生えている。アキノウナギツカミは無毛。

ヤノネグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサとミゾソバの比較 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

ヤノネグサとミゾソバの比較 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20

田んぼに生えるものはイネ(稲)刈りが終わってしばらくたってから、10月下旬が見頃。

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