ツバキ

椿 ツツジ目/ツバキ科/ツバキ属 花期/(9月~、)12月中旬~4月 見頃/2月~4月 結実期/9月~10月
学名/Camellia spp.

改良種

ツバキ('紅乙女(こうおとめ)') 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/07

ツバキ(’紅乙女(こうおとめ)’) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/07

ツバキ属の常緑樹の総称。原種はヤブツバキ(藪椿)(主に3月上旬~中旬)、ないし日本海側の寒冷地に自生するユキツバキ(雪椿)の二種。他は交雑種ないし品種改良された園芸種である。牧野富太郎によれば名前の由来は葉が厚いこと、つまり厚葉木から。
近似種のサザンカ(山茶花)が秋の花なのに対し、ツバキは春咲き。春の木と書いて椿である。別名ハルツバキ(春椿)。ナツツバキ(夏椿)は単なる夏咲きのツバキではなくちちょっと異質な存在。ツバキとサザンカの交雑種であるカンツバキ(寒椿)ハルサザンカ(春山茶花)はサザンカの一種に分類されている。単にサザンカといった場合にもツバキとの交配が疑われるものはある。ツバキとサザンカは交配されて非常に多くの品種が生み出されており、両者の明確な区別は最早できかねる状態。大まかな見分けは、サザンカを基本とし、どれだけツバキの性質を持ち合わせているか等を総合的に勘案して判断するよりない。といってもそんな判断を的確にできる人物はどこぞのツバキ協会の理事クラスに招聘されてしかるべきレベル。一般人は”樹名板に記されている品種名と分類を鵜呑みに信じる”以外の手立てはなく、樹名板なければそれが何者なのかはさっぱりわからない、そういう世界。ただし樹名板はさほど信頼できるものでない(園芸店がこう言って売っていた、植えた人がこれではないかと判断した、というだけで付けられた樹名板は多い)、というのもまた事実。英名カメリア(Camellia、発音はカメーリァ・強勢はメに)。

ツバキ('八重姫')東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

#ツバキ(’八重姫’)東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

ツバキ('氷室雪月花') 鎌倉市・大巧寺 2019/01/24

#ツバキ(’氷室雪月花’) 鎌倉市・大巧寺 2019/01/24

ツバキ(市指定天然記念物「咲き分け散り椿」) 座間市・星谷寺(しょうこくじ) 2024/03/25

#ツバキ(市指定天然記念物「咲き分け散り椿」) 座間市・星谷寺(しょうこくじ) 2024/03/25

ツバキ(市指定天然記念物「咲き分け散り椿」) 座間市・星谷寺 2024/03/25

#ツバキ(市指定天然記念物「咲き分け散り椿」) 座間市・星谷寺 2024/03/25

ツバキ(市指定天然記念物「咲き分け散り椿」) 座間市・星谷寺 2024/03/25

#ツバキ(市指定天然記念物「咲き分け散り椿」) 座間市・星谷寺 2024/03/25

ツバキ(市指定天然記念物「咲き分け散り椿」) 座間市・星谷寺 2024/03/25

#ツバキ(市指定天然記念物「咲き分け散り椿」) 座間市・星谷寺 2024/03/25

参考)サザンカ(原種)の特徴

春(5~6月)、秋(8~9月)にチャドクガ(茶毒蛾)というガの幼虫(ケムシ)が発生するので注意が必要。毛(空中を浮遊するものを含む)に触れると皮膚がかぶれて痒(かゆ)くなる。葉に新しい虫食いの痕を見つけたらそのツバキからはすぐにそっと離れたい。

ツバキは、横浜市、逗子市、中郡二宮町の木に制定されている。

ツバキの花

ツバキとしての花期は長いが、きれいに咲く時期は品種によって大きく異なる。

12月下旬から2月中旬にかけて、最低気温が氷点下を下回るような時期は霜に当たって花も蕾もことごとく傷む。

蕾のうちから茶色く傷んでしまった、ありがちな残念な冬季のツバキ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/01/16

蕾のうちから茶色く傷んでしまった、ありがちな残念な冬季の#ツバキ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/01/16

真冬はこんなのばっかりな、傷んだツバキ('明石潟') 藤沢市・長久保公園 2019/01/22

真冬はこんなのばっかりな、傷んだ#ツバキ(’明石潟’) 藤沢市・長久保公園 2019/01/22

餌が乏しい真冬はヒヨドリ(鵯)に啄(ついば)まれやすくもある。神奈川県内では、比較的温暖な南部の、例えば茅ヶ崎市・氷室椿庭園など日がよく当たるところのものであればまだしも、厚木市七沢・神奈川県自然環境保全センターツバキ園であるとか東京都町田市・薬師池公園などはどうにもこうにも冬はだめ。ほぼまったくといってしまってよいくらい、状態のきれいな(ましな)花には出会えない。寒いところのツバキは、暖かくなってからに限る。のんびり構え過ぎていると今度は咲き終わってしまっていて悔しい思いをするわけであるが。

ツバキの蕾 藤沢市・長久保公園 2019/01/22

#ツバキの蕾 藤沢市・長久保公園 2019/01/22

ツバキ('氷室雪月花') 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

#ツバキ(’氷室雪月花’) 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ツバキ('氷室雪月花') 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

#ツバキ(’氷室雪月花’) 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ツバキ('氷室雪月花') 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

#ツバキ(’氷室雪月花’) 鎌倉市・大巧寺 2017/01/07

ワビスケツバキ('胡蝶侘助'か、現地樹名板は'侘助') 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/07

#ワビスケツバキ(’胡蝶侘助’か、現地樹名板は’侘助’) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/07

ワビスケツバキ('数寄屋') 厚木市・自然環境保全センターツバキ園 2018/02/07

#ワビスケツバキ(’数寄屋’) 厚木市・自然環境保全センターツバキ園 2018/02/07

ツバキ('菊冬至') 横須賀市・くりはま花の国 2017/02/08

#ツバキ(’菊冬至’) 横須賀市・くりはま花の国 2017/02/08

ツバキ('黒龍') 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

#ツバキ(’黒龍’) 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

ツバキ('玉霞') 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

#ツバキ(’玉霞’) 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

ツバキ('銀閣寺赤ヤブ') 鎌倉市・大巧寺 2018/02/15

#ツバキ(’銀閣寺赤ヤブ’) 鎌倉市・大巧寺 2018/02/15

ツバキ('神代椿') 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/20

#ツバキ(’神代椿(かみよつばき)’) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/20

ツバキ('神楽獅子') 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/20

#ツバキ(’神楽獅子’) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/20

ツバキ('菊冬至') 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

#ツバキ(’菊冬至’) 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

ツバキ('神代都鳥') 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

#ツバキ(’神代都鳥’) 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

ツバキ('卜伴') 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

#ツバキ(’卜伴’) 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

ツバキ('日月') 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

#ツバキ(’日月’) 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

ツバキ('宝合') 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

#ツバキ(’宝合’) 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

ツバキ('鹿児島') 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

#ツバキ(’鹿児島’) 東京都調布市・神代植物公園 2019/02/24

ツバキ('港の春') 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

#ツバキ(’港の春’) 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ('羽衣') 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

#ツバキ(’羽衣’) 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ('荒獅子') 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

#ツバキ(’荒獅子’) 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ('加茂本阿弥') 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

#ツバキ(’加茂本阿弥’) 鎌倉市・大巧寺 2017/02/25

ツバキ 茅ヶ崎市東海岸南 2019/02/26

#ツバキ 茅ヶ崎市東海岸南 2019/02/26

ツバキ 茅ヶ崎市東海岸南 2018/03/17

#ツバキ 茅ヶ崎市東海岸南 2018/03/17

‘乙女椿’は、古名’乙女’、別名’淡乙女(うすおとめ)’。淡い桃色の千重咲き(せんえざき)。花期は12月~4月。刈込みにも強いため、公園木としてよく利用されており目にする機会は多いだろう。

ツバキ('乙女椿') 茅ヶ崎市・民俗資料館(旧和田家) 2011/11/28

#ツバキ(’乙女椿’) 茅ヶ崎市・民俗資料館(旧和田家) 2011/11/28

ツバキ('金魚葉椿') 鎌倉市・大巧寺 2013/03/26

#ツバキ(’金魚葉椿’) 鎌倉市・大巧寺 2013/03/26

ツバキ('金魚葉椿')の若葉 鎌倉市・大巧寺 2023/04/29

#ツバキ(’金魚葉椿’)の若葉 鎌倉市・大巧寺 2023/04/29

ツバキ('金魚葉椿')の若葉 鎌倉市・大巧寺 2023/05/12

ツバキ(’金魚葉椿’)の若葉 鎌倉市・大巧寺 2023/05/12

ツバキ('金魚葉椿')の若葉 鎌倉市・大巧寺 2023/05/12

ツバキ(’金魚葉椿’)の若葉 鎌倉市・大巧寺 2023/05/12

ツバキ('金魚葉椿') 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2019/02/24

#ツバキ(’金魚葉椿’) 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2019/02/24

ツバキは、花が終わるときに花一つ丸ごとぽとりと落下し、葉は大きめで縁(ふち)が裏側へ軽く反る。緑濃い葉に、確固たる色を主張する花弁。儚く散れるサクラ(桜)とは対照的なこちらも日本の美といえるだろう。なお咲き終わるとサクラは「散る」が、ツバキは「落ちる」と表現される。
この花一つがまるごとぽとりと落ちる性質から、古くは”首が落ちることを連想させるから入院患者を見舞う際にはツバキは持っていかない方がよい”などとくだらな過ぎて呆れるしかない理由が付けられ禁忌されていた。

ツバキの落花 横浜市戸塚区・俣野園 2017/02/13

#ツバキの落花 横浜市戸塚区・俣野園 2017/02/13

ときどき落ちずに樹上で傷む。不気味なものは、ときに悪しき美しさを放っている。

ツバキの枯花 高麗山公園 2018/02/27

#ツバキの枯花 高麗山公園 2018/02/27

ツバキの実

初秋に裂開して種子を落とす。品種によっては結実しない。

ツバキの未熟な実 藤沢市・長久保公園 2018/06/26

#ツバキの未熟な実 藤沢市・長久保公園 2018/06/26

ツバキの実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/02

#ツバキの実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/07/02

ツバキの実 茅ヶ崎市西久保 2021/07/28

#ツバキの実 茅ヶ崎市西久保 2021/07/28

ツバキの開き始めた実 平塚市・馬入ふれあい公園はらっぱ 2018/10/06

#ツバキの開き始めた実 平塚市・馬入ふれあい公園はらっぱ 2018/10/06

ツバキの裂開した実 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/09/24

#ツバキの裂開した実 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/09/24

ツバキの裂開した実 平塚市・馬入ふれあい公園はらっぱ 2018/10/06

#ツバキの裂開した実 平塚市・馬入ふれあい公園はらっぱ 2018/10/06


東京都調布市・#神代植物公園(つばき・さざんか園、神代都鳥など)、東京都町田市・#薬師池公園(椿園にサザンカ・ツバキ410種1,100本、但し総じて生育不良・花数極少)、横浜市鶴見区・#宝蔵院(かながわの名木100選「宝蔵院の源平五色のツバキ」)、横浜市戸塚区・#俣野園(乙女椿、3月中旬~4月上旬)、横浜市青葉区・#こどもの国(入園料600円、椿の森にサザンカ100種100本・ツバキ500種5,000本他、海老名市の民家で発見された’相模侘助’)

#くりはま花の国(つばき園、樹木園への園路にも少々、1月中旬~下旬 太郎冠者)、#森戸川源流(森戸川林道終点から連絡尾根を登ったところ)、#報国寺(金魚葉椿)、#覚園寺(有料区域(写真撮影禁止)内の地蔵堂裏に太郎庵(寺称’覚園寺椿’)=2月~3月上旬・市指定天然記念物「ツバキ」、太郎庵は地蔵堂への参道階段脇・旧内海家住宅南側にも、愛染堂前庭西端の崖上は太郎庵ではない、侘助は赤・白・黒等)、#宝戒寺(本堂北側に多い、寺称108種ある、樹名板なく品種不明)、#英勝寺(祠堂前に侘助(品種はピンク一色で斑なしの’紅侘助’、通称’英勝寺侘助’)=2月上旬~3月上旬、市指定天然記念物「ワビスケ」、令和6年(2024)2月15日 枯死を理由に指定解除、同年2月24日 葉と花は皆無・生死不明の葉芽は多数あり、他境内に多め、木曜定休)、#光則寺(金魚葉椿など)、#長谷寺(金魚葉椿など)、#氷室椿庭園(11月下旬? 隠れ磯、12月中旬~ 紅侘助、1月中旬~2月上旬 太郎庵、1月下旬~2月上旬 太郎冠者、2月~ 氷室雪月花、他は基本的に2月下旬~3月、三浦乙女、かながわの花の名所100選「氷室椿庭園(ツバキ)」、09:00- 開園、月曜および祝翌日定休、3月無休、朝の清掃前なら落椿も、※写真枚数が多くなった氷室椿庭園のツバキは別頁を設けてまとめて掲載した。)

#清雲寺(金魚葉椿)、#大椿寺(椿の御所)、#大巧寺(駐車場民家側に金魚葉椿、加茂本阿弥(かもほんなみ)=現地樹名板は賀茂本阿弥(かもほんあみ))、#葛原岡神社(駐車場周辺~社務所、1月下旬~2月上旬)、#高徳院(仁王門前、3月)、#収玄寺(1月中旬~下旬 白侘助)、鎌倉市植木・#龍宝寺(駐車場に乙女椿)、#龍口寺(五重塔前=2月末~3月初旬、かながわの花の名所100選「龍口寺(ツバキ)」、浄行菩薩横の白ツバキは平成24年(2012)7月14日倒壊・のちひこばえ生える)、#江の島サムエル・コッキング苑(温室遺構西側に椿園=午前中、3月~4月(江ノ島都鳥(原木)など)、一斉に開花しないので見るにも撮るにも難、3月中旬でも花数は多からず、江の島シーキャンドルへの通路沿い、江の島シーキャンドル前=2月上旬~中旬、かながわの花の名所100選「江の島植物園(ツバキ)」)、#鴫立庵(1月下旬~2月上旬 ※平成28年(2016)度から入庵料町外大人100円⇒300円に改定)

座間市・#星谷寺(3月中旬~下旬、京都市・”椿寺”地蔵院から移植、最大で濃紅・淡紅・紅に白斑・白に紅斑・白の5色に咲き分けてサザンカのように花びら一枚ずつ散る、ハルサザンカである疑いも?、市指定天然記念物「咲き分け散り椿」)、#海老名市杉久保南(4月中旬~、咲かずに落ちる、玉椿、市指定天然記念物「椿地蔵の椿」)、厚木市・#神奈川県自然環境保全センター(ツバキ園、132品種174本、1月 白侘助、1月下旬~・2月中旬~ 太郎冠者、3月中旬~ 三浦乙女、林業指導所(大磯町生涯学習館の地にあった)が収集したもの)、#箱根神社(’箱根侘助’)、湯河原町・#県道75号椿ライン(日当たり不良で花数少ない、カーブの連続なので四輪は安全に駐停車できる場所なし、かながわの景勝50選「大観山の展望」、かながわの花の名所100選「つばきライン(ツバキ)」)、静岡県御殿場市・#東山旧岸邸(樹齢約400年の太郎冠者、2月上旬、大きさは「広報ごてんば 2016年4月5日号 No.1270」表紙参照、令和2年(2020)枯死伐採)

参考資料

『最新 日本ツバキ図鑑』 日本ツバキ協会編集 誠文堂新光社発行(2010)

『色分け花図鑑 椿』 桐野秋豊著 学習研究社(2005)

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