ムベ

郁子 キンポウゲ目/アケビ科/ムベ属 花期/4月 食べ頃/10月中旬~下旬

食用

ムベの実 鎌倉市・大巧寺 2017/11/05

ムベの実 鎌倉市・大巧寺 2017/11/05

蔓性の木本で、アケビ(木通)の仲間。アケビと異なりムベは常緑で冬も葉を残す。別名トキワアケビ(常葉通草)。なお果実はアケビのようにはぱっくり割れない。

ムベという名前は、天智天皇(626-672)が発した「むべなるかな(確かにもっともであるなあ)」という言葉に由来するとかいう話。この実を食べた天智天皇が、田舎の年寄りたちがみな元気なのはこの美味しい実のせいか、確かにもっともであるなあ、と感銘したとかしないとか。「むべなるかな」が「ムベなるかな(さすがムベだなあ)」に変換されたことになる。以来、ムベは不老長寿のおめでたい果物となった、とか。

葉は若いうちは三枚、のち五枚、成長すると七枚に。中国から伝わった陰陽道では奇数が陽数とされるため、七五三の葉を付けるムベは縁起が良いとかいう人も。

ムベの葉 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

ムベの葉 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

神奈川県では丹沢など山間部に自生しているらしい。海老名市社家(しゃけ)の県道45号産業道路に宜山(むべやま)という交差点があるのはこの辺りに分布があった名残りか。湘南・鎌倉・三浦半島では栽培もののみを見る。

ムベの花

アケビと同様、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。花は白っぽいクリーム色のタコウインナー型。

ムベ 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

ムベ 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

ムベ 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

ムベ 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

ムベの雌花 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

ムベの雌花 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

ムベの雌花 茅ヶ崎市立図書館 2018/04/14

ムベの雌花 茅ヶ崎市立図書館 2018/04/14

ムベの雄花 茅ヶ崎市立図書館 2018/04/14

ムベの雄花 茅ヶ崎市立図書館 2018/04/14

ムベの実

食用にするには、実が半分近く紫色を帯びてきたところで収穫する。全体が真紫になるまで待っていると皮がすぐに傷んできてしまい、見た目を損ねる。

ムベの未熟な実 藤沢市・長久保公園 2017/10/11

ムベの未熟な実 藤沢市・長久保公園 2017/10/11

ムベの実 茅ヶ崎市東海岸北 2016/10/27

ムベの実 茅ヶ崎市東海岸北 2016/10/27

ムベの実 茅ヶ崎市東海岸北 2016/10/27

ムベの実 茅ヶ崎市東海岸北 2016/10/27

アケビのように割れて口を開けることをしないため虫や鳥に食べられてしまうおそれがなく衛生的。包丁で半分に切ると果汁がぽたぽたこぼれてしまうくらいジューシーで中はとっても瑞々(みずみず)しい。

半分に切って開けたムベの実 茅ヶ崎市東海岸北 2016/10/27

半分に切って開けたムベの実 茅ヶ崎市東海岸北 2016/10/27

ふつう食べるのはタネの周りの仮種皮、つまり綿(わた)と呼ばれる半透明のゼリー部のみ。黒色の食べられないタネが多いためタネごと綿を口に含んで、タネだけ吐き出すとよい。

可食部は多くはないので、食べるというよりは甘みを味わって楽しむもの。味はカキ(柿)にそっくり。苦み渋み臭みなど嫌な要素はないので、熟したカキが好物な人はムベもおいしく頂けるだろう。綿もとろとろなブドウ(葡萄)のよう。繊維質が口に残るようなこともなく食べやすい。後味も悪くない。アケビなんかよりよっぽど美味で、一般うけはするだろう。ムベがよく庭などで栽培されている理由も頷ける。

半分に切ってマンゴー風に皮を反らせてみたムベの実 茅ヶ崎市東海岸北 2016/10/27

半分に切ってマンゴー風に皮を反らせてみたムベの実 茅ヶ崎市東海岸北 2016/10/27

外の皮はアケビのような強い苦みがなく食べやすいというが、中果皮(ちゅうかひ)の内側(つまり皮と綿の境目)が石のようにかちこちに硬化するためそれを取り除く必要があり、取り除いたとたん可食部がほとんどなくなってしまうため、好んで食べる人はさほどいないのではないか。ムベはあくまでも綿の甘みを楽しむ果物である。

ムベなんて聞いたことない。ムベってなに?変な名前。アケビっぽいのになんで割れてないの?いろいろ思うところはあるかもしれないが、食べてみれば”意外とおいしいじゃん”と見直してくれるだろうと思う。


大巧寺(棚、若宮大路への通路沿いフェンス)、茅ヶ崎市立図書館本館(棚)

円覚寺龍隠庵、藤沢市・長久保公園、

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする