野葡萄 ブドウ目/ブドウ科/ノブドウ属 花期/6月末~7月 結実期/8月~10月
自生種
ノブドウの実 毘沙門海岸 2016/09/17
蔓性の多年草で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。一応果物のブドウ(葡萄)の仲間。食用にはならない。葉はエビヅル(蝦蔓)に似る。海辺の崖地で強みを発揮してよく繁るが、林縁部や荒れ地の際などでもたくましく生える。
ノブドウの葉には明確な鋸歯があり、三裂した葉先は三ヶ所いずれもよく尖る。丸っこい印象を受けるエビヅルに対し、ノブドウの葉はシャープだ。なお切れ込みが深いものはキレハノブドウ(切葉野葡萄)と呼び分けることがある。
ノブドウの葉 茅ヶ崎市南湖・湘南海岸砂防林 2018/07/02
葉裏は無毛で緑色。エビヅルの葉裏は有毛で白っぽく見える。
ノブドウの葉裏(茎に付いている虫はアオバハゴロモ) 茅ヶ崎市柳島 2016/09/26
ノブドウの花
花序はヤブガラシ(藪枯らし)ど同型で上向きに咲く。小花は両性花。一日花なのだろうか、花弁と雄蕊は早く落ちてしまうようで、大方は雌蕊だけが残っている。一斉には開花せず、結実しつつ徐々に咲いてゆく。
ノブドウ 茅ヶ崎市南湖・湘南海岸砂防林 2018/07/02
ノブドウ 茅ヶ崎市南湖・湘南海岸砂防林 2018/07/02
ノブドウ 横須賀市・荒崎公園 2017/07/07
ノブドウ 横須賀市・荒崎公園 2017/07/07
ノブドウの実
青・紫・エメラルド・瑠璃、様々な色合いに熟す宝石のような美しい実がなる。エビヅルやヤマブドウ(山葡萄)とは異なり、食用にならない。観賞用。
ノブドウの若い実 茅ヶ崎市西久保・新湘南バイパス下 2018/07/20
実ははじめ緑色。のち白っぽくなり、それから青に紫に色付いてゆく。ときに白いまま。
ノブドウの色付き始めた未熟な実 茅ヶ崎市西久保・新湘南バイパス下 2018/08/23
ノブドウの実 三浦市・城ヶ島 2017/08/07
ノブドウの白色の実 大磯町国府本郷・葛川 2017/09/09
ノブドウの虫こぶ
虫こぶまたは虫癭(ちゅうえい)とは、植物に小さな虫の幼虫などが寄生することによってできる不思議なこぶ状の膨らみのこと。
ノブドウミフクレフシ
ノブドウの実が通常より肥大したもの。きれいな球形でない。ノブドウミタマバエの幼虫が寄生している状態という。
ノブドウミフクレフシ 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/11/15
宮川湾(みうら・宮川フィッシャリーナと観音山の間に美しい群生、実=7月下旬~)、東慶寺(金仏背後の畑廻り、実=8月下旬~)
毘沙門海岸、鎌倉広町緑地(畑周辺に白実も)、江の島(西浦)、大磯町・葛川(白実も)