長柄蔓野鶏頭 ナデシコ目/ヒユ科/ツルノゲイトウ属 花期/6月中旬~8月
学名/Alternanthera philoxeroides (Mart.) Griseb.
外来種違法駆除
外来生物法「特定外来生物」
生態系被害防止外来種リスト「緊急対策外来種」

ナガエツルノゲイトウの花 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋北側右岸 2018/07/13
南米を原産とする蔓性の多年草。川べりや農業用水路あるいは池畔などの浅い水際に群落を作る抽水植物(水底の土中に根を張り、水面より上に葉を出すもの)、ときに湿生植物。名は、花序柄(かじょへい)が長い、蔓性の、野良に生える、ケイトウ(鶏頭)の仲間、の意。生えている場所からミゾツルノゲイトウ(溝蔓野鶏頭)とも。溝は水路のこと。草丈は人の脛(すね)程度。蔓植物といっても何かに巻き付いて上へ上へと登ることはなく、浅瀬の水面を這って横へ横へと広がってゆくばかり。緑の絨毯(じゅうたん)を広げたがごとき光景になる。『神奈川県植物誌2018』によれば、神奈川県内では平成21年(2009)に旧相模原市城山町(しろやまちょう、津久井湖の東側一帯)で採集されたものが初見で、のち相模川の下流域に伝播(でんぱ)していった模様。ナガエツルノゲイトウは特定外来生物に指定されているため、販売はもちろん、栽培、(種子や茎の一部も含めて、生きた状態での)運搬や保管なども法律で禁止されている。罰則あり。神奈川県外でも侵略性が問題になっており、令和(2019-)に入った頃からは新聞やテレビが「地球上最悪の侵略的植物」などというキャッチコピーを付けて報じる機会が増えているようで、一般にもこの名が知られるようになってきた。

ナガエツルノゲイトウの群生(白色矢印) 茅ヶ崎市今宿・小出川・新鶴嶺橋(赤橋)下流 2018/06/25

ナガエツルノゲイトウの群生が増えた 茅ヶ崎市今宿・小出川・新鶴嶺橋(赤橋)下流 2019/08/04
遠目にはミズキンバイ(水金梅)でも群生しているのかと勘違いしてしまいそうな姿。ミズキンバイの葉は互生である。

ナガエツルノゲイトウの群生 茅ヶ崎市今宿・小出川・新鶴嶺橋(赤橋)下流 2018/06/25

ナガエツルノゲイトウの群生 茅ヶ崎市今宿・小出川・新鶴嶺橋(赤橋)下流 2019/08/04

ナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎萩園・小出川・萩園橋上流右岸 2020/06/10

ナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎萩園・小出川・萩園橋上流右岸 2020/06/10
駆除は、群落丸ごと抜き取って根こそぎ回収する。千切れた茎を下流に流してしまったりその場に放置をすれば、それがそれぞれ根を出して見事に再生する。結果的にはかえって数を増やすことになってしまうので注意したい。刈払い機で茎をざくざく切断してはいけない。切断された茎の一部も含めすべて回収して焼却処分ないし堆肥(たいひ)化する。

ナガエツルノゲイトウの群生 茅ヶ崎市萩園・小出川・浜園橋北側右岸 2018/07/07

水際に群生したナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市今宿・小出川・中原橋下流 2018/10/28

ナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市萩園・小出川・浜園橋北側右岸 2018/07/07

田んぼに進出したナガエツルノゲイトウ 寒川町田畑 2022/07/12
水田に入り込むと、養分や水分をナガエツルノゲイトウが吸い取ってしまってイネ(稲)の生育が悪くなることが懸念される。選択される対応策は”除草剤の散布”になるのだろうか。

田んぼの畦を埋め尽くしたナガエツルノゲイトウ 寒川町田畑 2022/07/12

田んぼに群生したナガエツルノゲイトウ 寒川町田畑 2022/07/12

田んぼに群生したナガエツルノゲイトウ 寒川町田畑 2022/07/12
葉は対生。細かい鋸歯(きょし)があるが、ぱっと見は全縁に見える。

ナガエツルノゲイトウの葉 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋上流左岸 2022/05/08

ナガエツルノゲイトウの葉 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋上流左岸 2022/05/08

ナガエツルノゲイトウの葉 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋上流左岸 2022/05/08
葉の付け根からいちいち根と芽が生えてくるため、切断されたひと節(ふし)だけで元通り再生する。

ナガエツルノゲイトウの節 茅ヶ崎萩園・小出川・萩園橋上流右岸 2020/06/10

ナガエツルノゲイトウの茎 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋北側右岸 2018/07/13
ナガエツルノゲイトウの地上部は真冬(最低気温が0℃を下回るようになった頃)に枯れたようになる。酸っぱ臭い。茶色く変色しあとは朽ちるのを待つだけのように思えるが、じつは茎の内部は生きており、3月中旬、枯れたように見える茎の節々から発芽を開始する。

降霜を前にまだ生き残っていたナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋 2020/12/12

真夏に青々と茂ったナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋上流 2022/08/27

年々増えていくナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋 2022/11/25

年々増えていくナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋 2024/08/21

冬枯れしているナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋 2023/01/25

冬枯れしているナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川萩園橋 2023/01/25

冬枯れしているナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋下流右岸 2020/03/06

重機による浚渫工事で一掃されたナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋 2024/12/17
本種は確かに簡単に楽をして駆除できるものではない甚だ迷惑な侵略的外来種であるが、侵略性はスギナ(杉菜)やドクダミ(蕺草)あたりと大差ない。「地球上最悪のる侵略的植物」という得体の知れない触れ込みはあくまでも新聞テレビがナガエツルノゲイトウを新たなスターに押し上げるべくして付けた面白おかしな触れ込みでしかない。従って対処方法はスギナやドクダミと同じように、生えてきたところで掘り起こして駆除をする、生えてきたところで掘り起こして駆除をする、という面倒で手間のかかる”いたちごっこ”を繰り返すよりなく、結局のところはそれが一番簡単で、効果的である。どんな植物にも言えることだが、生えたての幼株のうちが最も弱い。大きく育ってしまう前にこまめに駆除を繰り返すのが、ナガエツルノゲイトウ(に限らず迷惑雑草全般に共通する)最善の駆除方法である。ナガエツルノゲイトウの巨大株が繁茂してたいへんなことになっている、と嘆いているところは、それをしないで放置してきただけの話である。

復活して茂ってきたナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋 2025/08/05

復活して茂ってきたナガエツルノゲイトウ 茅ヶ崎市・小出川・萩園橋 2025/09/24

ナガエツルノゲイトウの発芽 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋上流左岸 2021/03/04

ナガエツルノゲイトウの発芽 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋下流右岸 2020/03/06

ナガエツルノゲイトウの発芽 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋上流左岸 2021/03/04

ナガエツルノゲイトウの発芽 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋上流左岸 2021/03/04

ナガエツルノゲイトウの発芽 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋上流左岸 2021/03/04
冬場はカモ(鴨)やミシシッピアカミミガメ(みししっぴ赤耳亀)が休憩する座布団に、4月はコイ(鯉)の産卵床(さんらんしょう)になっている。コイが散乱する際はばちゃばちゃ水しぶきを立てて大暴れするため、ナガエツルノゲイトウも一部が千切れて下流へ流されてゆく。生態系を破壊する外来種であるコイが、生態系を破壊する外来種であるナガエツルノゲイトウの分布拡大に貢献していることに。
ナガエツルノゲイトウの花
シロツメクサ(白詰草)の花によく似ている。シロツメクサの花は夏の間は大きさがやけに小振りになるので、サイズ感までそっくりである。白花のタンポポ(蒲公英)っぽい花だったら同様に特定外来生物に指定されているミズヒマワリ(水向日葵)などの可能性。

ナガエツルノゲイトウの花 茅ヶ崎萩園・小出川・萩園橋上流右岸 2020/06/10

ナガエツルノゲイトウの花 茅ヶ崎市萩園・小出川・浜園橋北側右岸 2018/07/07
葉腋(ようえき)から伸びた長い花序柄が特徴。

ナガエツルノゲイトウの花 茅ヶ崎市萩園・小出川・浜園橋北側右岸 2018/07/07

ナガエツルノゲイトウの花 茅ヶ崎市萩園・小出川・浜園橋北側右岸 2018/07/07

ナガエツルノゲイトウの花 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋北側右岸 2018/07/13

ナガエツルノゲイトウの花のサイズ感 茅ヶ崎市萩園・小出川・萩園橋北側右岸 2018/07/13
花は春から咲くとかいう話も聞くがよくわからない。花の存在に気づかされるのは梅雨の6月下旬から。既に葉は旺盛に茂りに茂った状態である。台風などで川が増水してしまうと葉が汚泥にまみれてしまうので、観察はその前がよいか。南米原産よろしく、猛暑の真夏にその威勢は更に加速する。なお花は盛りを過ぎても霜が降りる頃(神奈川県南部は12月中旬)まではぽつりぽつりと咲き続ける。

ナガエツルノゲイトウの花 寒川町田端 2019/08/02

ナガエツルノゲイトウの花のサイズ感 寒川町田端 2019/08/02

田んぼ周辺に生えた花序が豊かなナガエツルノゲイトウ 寒川町田畑 2022/07/12
イネ刈り前の水が抜かれた田んぼに花序柄が確認できないナガエツルノゲイトウらしきものがあった。ナガエツルノゲイトウが帰化している小出川流域であること、花の様子からしてツルノゲイトウではなさそうであることから、ナガエツルノゲイトウの可能性も。若いナガエツルノゲイトウの一番花には柄(え)がないのかどうなのか。直後に刈られたため経過観察はできなかった。近隣にナガエツルノゲイトウとツルノゲイトウの分布あり。ふつうに考えればツルノゲイトウか。(追記の結論/ナガエツルノゲイトウであったと思われる。花期初めのナガエツルノゲイトウには長柄でないものが確認できた。同一個体中に、長柄と無柄の花が同居するものがあった。)

ナガエツルノゲイトウのようにも見えるが花序柄がないもの 寒川町田端 2018/10/03

ナガエツルノゲイトウの長柄なし花 寒川町田端 2020/09/15

ナガエツルノゲイトウの長柄なし花 寒川町田端 2020/09/15
ツルノゲイトウ
ミズキンバイ
植物の繊維を糖化させて発酵を経てアルコールを作るのは既に可能であることはわかっています。ただ、特定外来生物に指定されていますので運搬は許可が必要ですし、水辺でなくても繁茂してしまうので途中の畠で被害が出たらどうするのか?ですね。また、この草は食べることもできるそうですが、品種改良されている野菜と違いマズイそうですので、家畜の餌が適当かと思われます。