水金梅 フトモモ目/アカバナ科/チョウジタデ属 花期/6月~8月 最盛期/7月中旬
自生種稀少保護
環境省レッドリスト2018「絶滅危惧II類(VU)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧II類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」
ルドウィギア・グランディフロラ=外来生物法「特定外来生物」
生態系被害防止外来種リスト「緊急対策外来種」
ミズキンバイ 横浜市戸塚区上倉田町・柏尾川「朝日橋」下流 2018/06/25
浅い池や川に生える多年草で、抽水植物(水底の土に根を張り、水面より上に突き出て葉を広げる植物)。群生する。黄色のウメ(梅)のような花が咲く。背丈の低いコマツヨイグサ(小待宵草)にちょっとだけ似るか。日本国内では神奈川・千葉・高知・宮崎の四県にのみ分布。都市河川で確認されているのは全国でも柏尾川(戸塚駅西側の桜橋~高嶋橋、他)のみという。現在の柏尾川はコンクリート護岸で固められており、ミズキンバイは完全な野生ではなく人工的な保護育成によるものが軸になっている。このようなコンクリートリバーにあっては、台風などで増水すると水を頭までかぶって流され数がたちまち激減する。保護を受けていない地点では、河川の流下能力確保を目的とした浚渫工事(しゅんせつ-、重機で植物もろとも土砂を除去すること)で絶滅するおそれも。県内では海老名市中新田にもあるとかどうとか。他所で見られるものは栽培されているものである。
横浜市戸塚区の柏尾川は大規模な治水工事を終え、一時的に金井遊水池に移植保護していたミズキンバイが平成21年(2009)に川へ戻された。数年は旺盛に群生し良い状態を維持できていたようだ。
ミズキンバイ 横浜市戸塚区上倉田町・柏尾川「朝日橋」下流左岸 2012/07/26
その後は地球温暖化の影響だろうか、”十年に一度”クラスの台風や大雨に伴う増水が毎年のように発生する状態が続いており、ミズキンバイの自生地(完全に人の手が加わったあとのものだが)は劣化。イネ科か何かの雑草群が勢力を拡大し、ミズキンバイはその隅っこに追いやられる形で細々と命を繋いでいる残念な様相を呈している。雑草の抜き取り等の積極的な保護活動が行われているようには感じられない。
ミズキンバイ 横浜市戸塚区上倉田町・柏尾川「朝日橋」下流右岸 2018/06/25
ミズキンバイの葉 横浜市戸塚区上倉田町・柏尾川「朝日橋」下流 2018/06/25
柏尾川のミズキンバイは種子が流されているので、下流を探せば、鎌倉市と藤沢市で、あるいは合流した先の藤沢市・境川でも発見できるのではないか。
ミズキンバイ 横須賀市・YRP光の丘水辺公園(野鳥の池) 2016/08/06
南米などを原産とする外来種のオオバナミズキンバイ(大花水金梅)はルドウィギア・グランディフロラとして特定外来生物に指定されており、販売や栽培などは違法である。関東地方には入ってきていないようだが、滋賀県・琵琶湖などで爆発的に数を増やして在来の生態系を破壊している。
ミズキンバイの花
花期は長いが、7月10日頃が盛り。一日で咲き終わる一日花で、花弁は脆(もろ)く指で触れるとすぐにはらりと散ってしまう。花見は午前中のできるだけ早い時間帯が吉。
ミズキンバイ 横浜市戸塚区上倉田町・柏尾川 2016/07/11
ミズキンバイ 横浜市戸塚区上倉田町・柏尾川「朝日橋」下流 2018/06/25
ミズキンバイ 横浜市戸塚区上倉田町・柏尾川「朝日橋」下流 2018/06/25
ミズキンバイ 横浜市戸塚区上倉田町・柏尾川「朝日橋」下流 2018/06/25