待宵草 フトモモ目/アカバナ科/マツヨイグサ属 花期/5~7月(、10月~11月) 結実期/6月~8月(、11月~12月)
学名/Oenothera stricta Ledeb. ex Link
薬用駆除稀少
#マツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28 21:33
南米原産の一年草(越年草)。江戸時代に日本へ入って帰化し広範囲に繁茂(はんも)したらしいが、現在は近似種のメマツヨイグサ(雌待宵草)に圧迫されて湘南・鎌倉・三浦半島では息も絶え絶え、滅多に見かけることはないだろうと思う。市街地の道路沿いや荒れ地などに大量に生えているのはすべてメマツヨイグサ(と、姿の異なるコマツヨイグサ(小待宵草))である。
曇天日の日中の#マツヨイグサ 鎌倉市・浄智寺 2024/05/06 14:13
曇天日の日中の#マツヨイグサ 鎌倉市・浄智寺 2024/05/06 14:13
曇天日の日中の#マツヨイグサ 鎌倉市・浄智寺 2024/05/06 14:33
道端に生えたマツヨイグサ 逗子市久木 2024/05/04 07:29
道端に生えたマツヨイグサ 逗子市久木 2024/05/04 07:29
#マツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28 21:32
茎は一株一本ではなく数本生えてくる。がっちりしたメマツヨイグサに比べれば茎は細くてひょーろひょろ。どちらかといえば本種の方が”雌”を冠するのにふさわしいくらいである。人の脛(すね)くらいの草丈の頃から開花するようになり、茎を伸ばしては咲き伸ばしては咲きを繰り返して成長してゆく。大きくなれば人の腰から腹くらいの高さ1m程度まで。人為的に栽培し環境がすこぶる良ければ2m弱にはなることもあるか。2mを優に超えることさえあるメマツヨイグサに比べればまだ良識の範囲に収まった草丈である。茎が細いせいで、台風などの強風一発であっけなく傾き、根元から起き上がり直してくれればよいものをそうはならず、すぐにコマツヨイグサのごとく茎先端のみくいっと立ち上げる。従って、だらしなくひん曲がった姿になりやすく、見苦しく荒れる。
若い#マツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/02
#マツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28 21:34
#マツヨイグサの茎と葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/12
葉ははじめロゼット状に生え出てきて、花が咲く前に、立体的に葉だけを生え揃えるようである。茎が伸びるに連れて葉の間隔が間延びして行く。葉柄(ようへい)はない(ように見える)。葉身はメマツヨイグサに比べてすらっと細身。主脈は白で、メマツヨイグサのように赤みを帯びない。葉の縁(ふち)はあまりまたはまったく波打たない。
#マツヨイグサ、#メマツヨイグサ、#オオマツヨイグサの、秋発芽の越冬ロゼット 茅ヶ崎市浜之郷 2020/12/18
#マツヨイグサの開花前の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/05/10
#マツヨイグサ(夏発芽・未開花)の根 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/15
#マツヨイグサの葉、長いもので葉身15cm程度あり 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/12
#マツヨイグサの葉(と葉腋にできた若い実) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/12
秋咲きしたマツヨイグサの茎上部の葉、葉身4.5cm 茅ヶ崎市萩園 2018/11/21
マツヨイグサといった場合、メマツヨイグサ、コマツヨイグサ、オオマツヨイグサ(大待宵草)などを含めた総称として使われることがある。
マツヨイグサの仲間の見分け方
全体的な姿がまったく異なるコマツヨイグサかを判定。花が大きければオオマツヨイグサないしマツヨイグサを疑い、そうでないものはみなメマツヨイグサとなる。花殻の色(黄色のままか赤みを帯びるか)、葉脈の色(白か赤みを帯びるか)は、大きな判定ポイントとなる。
コマツヨイグサ
海辺の地域によく生えるが、内陸にもふつうにある。背丈は低く地面にへばり付くような形で生え、地面近くで咲く。長く成長した茎は倒れる。花殻は赤。
オオマツヨイグサ
花が大きい。花殻はうっすら赤みを帯びた黄色。
マツヨイグサ
花は大きめ。葉の主脈は白色。花殻は赤。
メマツヨイグサ
これといった特徴なし。基本的に上記以外すべて。葉の主脈がやや赤みを帯びる。至る所に大量に生えている背高なやつはほぼぜんぶが本種とみてよい。花殻は黄色。
マツヨイグサの仲間に共通して、特に茎上部にアブラムシ(油虫)が大量に湧きやすいので、こまめに注視し、発見し次第ただちに殺虫剤「ベニカXファインスプレー」(住友化学園芸)を噴霧するなどして全滅せしめること。葉の成長が阻害されるようで、見栄えが悪くなる。
マツヨイグサの花
マツヨイグサの仲間同様、花は夕方に開き始め、夜間に咲き、朝しぼむ。曇天日はしぼむ時刻が遅れがち。一日花。一本の茎に咲いている花はふつう一つ限り。メマツヨイグサのように二つ三つの花が同時に咲くことはしない。俗にツキミソウ(月見草)とも呼ばれる通り、花は明るい方(月が出ている方角)を揃って向く。花弁はハート形のものが四枚。花色はマツヨイグサの仲間同様明るい黄色。メマツヨイグサの花に比べれば明らかに一回り大きい花径6cm前後で、見栄え良し。観賞に足る花であるので、夜間に人通りある場所で群生させて栽培すればさぞ評判となるだろう。スズメガ(雀蛾)の仲間と思しき巨大ガが蜜を吸いに飛んでは来るが。ほのかに甘い香りあり。
#マツヨイグサの今夜咲くだろう蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/12
#マツヨイグサのほころび始めた蕾(背後はしぼんで赤みを帯びた花殻) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/12 17:23
雌蕊はたいへん大きく、突き出ているためよく目立つ。先端は四裂。大型船の錨(いかり)のような形状である。メマツヨイグサの雌蕊は雄蕊に紛れてどれが雌蕊なのか判然としない状態になっていることが多い。
#マツヨイグサの大きくてよく目立つ雌蕊 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/02
#マツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28 23:06
#マツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28 23:07
#マツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28 23:10
株がまだ若い、秋咲きしたため夜間の冷えが骨身にこたえる、などの場合は生命力が足りていないのか、花弁がぴんと伸びずしわしわなままになりがち。
若い#マツヨイグサの皺の多い花 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/02 23:31
朝、日光が差してくると、ふつう咲き終わってしぼんでしまう。特に暗い曇天日は、昼頃まで咲き残ることもある。
マツヨイグサ 逗子市久木 2024/05/04 07:28
マツヨイグサ 逗子市久木 2024/05/04 07:28
花はしぼむと黄色を維持せず、赤らむ。メマツヨイグサの花殻(はながら)はうっすら赤みを帯びることはあるも基本的には黄色のままである。地べたすれすれの場所で赤らんでいる花殻あらばコマツヨイグサだろう。花殻は一日二日たつとぽとりと落ちる。
#マツヨイグサの咲き終わって赤らんだ花殻 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/05
マツヨイグサの咲き終わって赤らんだ花殻 茅ヶ崎市萩園 2018/11/21
しぼんだ花殻ばっかりの昼間のマツヨイグサ 茅ヶ崎市萩園 2019/05/11 14:03
夕方のマツヨイグサ 鎌倉市寺分 2019/05/05 16:41
夕方のマツヨイグサ 鎌倉市寺分 2019/05/05 16:49
秋咲きしたマツヨイグサ 茅ヶ崎市萩園 2018/11/18 (16:34日の入)17:05
秋咲きしたマツヨイグサ 茅ヶ崎市萩園 2018/11/18 (16:34日の入)17:01
秋咲きしたマツヨイグサ 茅ヶ崎市萩園 2018/11/18
立派な一株あらば、花は毎日、約二ヶ月間咲き続けてくれるだろう。
マツヨイグサの実
花のあと、葉腋に円筒形の実が一つ出来る。熟すと先端が裂けて開き(裂片は反り返りもする)、中に納まっていた多数の種子が(風で揺られるなどした際に)放出される。
#マツヨイグサの未熟な実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28
秋咲きしたマツヨイグサの未熟な実 茅ヶ崎市萩園 2018/11/21
熟した実は、皮を剥いたバナナのような姿に裂開する。
#マツヨイグサの熟した実 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28
マツヨイグサの熟してよく裂開した実とこぼれ出る種子 茅ヶ崎市萩園 2018/11/21
#マツヨイグサの種子 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/23
お世話になります。
6月21日生まれの息子の誕生花が“待宵草”で、栽培したいと思って種を購入したいのですが・・・
ネットで調べても全く購入先が見つからず、仕方なく“雌待宵草”の種を購入しましたが全く芽が出ません。
突然ですみませんが、種の販売先をご存じなら教えて頂けないでしょか。
宜しくお願いします。