無憂樹 マメ目/マメ科/サラカ属 花期/2月下旬~4月
外来種稀少
ムユウジュ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/04/08(花まつり)
インドなどを原産とする常緑の小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。ネパールのルンビニ(藍毘尼)という村で摩耶夫人(まやぶにん)がこの木の枝に右手を伸ばしたところ右腋(わき)の下からのちに仏教開祖となる釈迦を産み落とした、とされるため、ムユウジュはインドボダイジュ(印度菩提樹)、サラソウジュ(沙羅双樹)と合わせて仏教三霊樹(仏教三聖樹)に挙げられている。別名アソカノキ(阿輸迦の木)。仏教を保護した古代インドのアショーカ王(阿育王)に因む名だろう。ムユウジュ(のみならず仏教三霊樹すべて)は日本では温室がないと育たないため、サルスベリ(百日紅)を代用木としているという話を聞いたことがある。ちょっと似ていなさすぎるので本当なのかはわからない。
ムユウジュ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/04/08(花まつり)
ムユウジュ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/04/08(花まつり)
ムユウジュの葉 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/04/08(花まつり)
ムユウジュの葉 東京都調布市・神代植物公園 2018/11/10
ムユウジュの花
ボタンクサギ(牡丹臭木)の花をオレンジ色にしたような花を樹上で咲かせる。日本の温室でもよく花を付けているようだ。見頃は三月中旬か。外来種で温室育ちなので花期は安定していないおそれも。
ムユウジュ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/04/08(花まつり)
ムユウジュ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/04/08(花まつり)
毎年4月8日は「花まつり」。釈迦の生誕を祝う寺の行事で、花々で飾られた花御堂(はなみどう)に安置した誕生仏(たんじょうぶつ、生まれたばかりの釈迦の姿を模した銅像)に甘茶(あまちゃ)を注(そそ)ぐ風習で知られる。いま鎌倉で花御堂は主にツバキ(椿)の花で飾るのが通例となっているが(こだわりがあるのではなく、単に寺境内で確保できる花がちょうど時期的にツバキしかないという苦しい事情が原因なだけ)、本来は咲き乱れるムユウジュの花を眺め愛でるべきものであったかもしれない。なお行事名は降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)などとも。
樹上で咲いたムユウジュ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/04/08(花まつり)
東京都調布市・神代植物公園(大温室)、東京都小平市・東京都薬用植物園(温室)
私は名古屋の寺です。温室で菩提樹をそだてています。さらに無憂樹、沙羅樹も植えたいのですが、にほんでなかなかてにはいりません。ご存知ないでしょうか?