大待宵草 フトモモ目/アカバナ科/マツヨイグサ属 花期/6月下旬~8月 結実期/8月~9月
学名/Oenothera glazioviana Micheli
外来種改良種稀少
#オオマツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/05 19:03
北米原産種を元にヨーロッパで作出された観賞用の園芸品種、という一年草(越年草)。名前は、近似種ある中で最も花が大きいことから。草丈は結構大きくなり1.5m程度になる。全体的にはマツヨイグサ(待宵草)というよりもメマツヨイグサ(雌待宵草)に近い姿。メマツヨイグサ(雌待宵草)ほど異常に巨大化(背高化)するものはないようながら、それでも十分大型である。湘南・鎌倉・三浦半島では、昭和時代(1926-1989)中期には帰化雑草としてたくさん生えていたと聞いたことがあるが、近年はメマツヨイグサに圧倒されたらしく一切見かけないといってもよいくらいに出遭わない。花は見応えあるも、夜咲く品種は全般的に不人気。葉が汚らしくなって荒れ地感を醸し出してしまうことも関係しているだろう、公園や民家の庭などで栽培されているものも見かけない。
#オオマツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/05 19:05
#オオマツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/10 09:30
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/13・曇天 12:05
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 20:34
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 20:36
オオマツヨイグサの特徴として、真っ先に”茎に赤い点々がある”ことが挙げられることが多い。茎に生える白い毛の基部が膨らんで赤色(赤紫色)に染まったものが赤斑に見えるもので、確かに数多く確認できる(開花前の若い株では少ない)。が、茎の赤斑は数は少なめではあるもののメマツヨイグサにもあるので判別には役立たない。
#オオマツヨイグサの赤斑ある茎 藤沢市宮前 2019/07/13
葉はやや幅広で、主脈は白。茎下部の葉は大きいが、花咲く茎上部の葉は極端に小さい。マツヨイグサの葉は細く、メマツヨイグサは主脈が赤い。
#オオマツヨイグサの若葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/30
#マツヨイグサ、#メマツヨイグサ、#オオマツヨイグサの、秋発芽の越冬ロゼット 茅ヶ崎市浜之郷 2020/12/18
#オオマツヨイグサの越冬ロゼット 茅ヶ崎市浜之郷 2020/01/13
茎が伸びる前の#オオマツヨイグサの晩春のロゼット(2株) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/05
#オオマツヨイグサのロゼット葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/05
葉は表裏共に細かな軟毛が密に生える。葉裏脈上の毛(『神奈川県植物誌2018』には”脈上には縮毛が生える”とあるが、観察した個体ではそうではない普通の開出毛であった)は特に目立つだろう。
#オオマツヨイグサの葉 藤沢市宮前 2019/07/13
#オオマツヨイグサの茎上部の小さな葉 藤沢市宮前 2019/08/18
#オオマツヨイグサの茎上方の葉 藤沢市宮前 2019/07/13
#オオマツヨイグサの茎半ばの葉 藤沢市宮前 2019/07/13
#オオマツヨイグサの茎下方の葉 藤沢市宮前 2019/07/13
オオマツヨイグサの花
マツヨイグサがその辺に生えていることはまずないのでメマツヨイグサとの見分けが問題になると思うが、花さえ咲いていれば一目瞭然。比べるまでもなくオオマツヨイグサの花は大きく、花径は(育ちがあまりよくない野良の株で8cmちょっとで)9~10cm弱。マツヨイグサの花は約6cm、メマツヨイグサは約4cmである。メマツヨイグサの花を見慣れている人であれば感嘆の声を上げてしまうに違いないほど、オオマツヨイグサの花はでかい。マツヨイグサの仲間同様に一日花で、夜の間に咲く。梅雨の暗い曇天日であれば、日中であっても咲いているのだかなんだかよくわからない中途半端な状態ながらある程度開いている花を確認できるかもしれない。花色はマツヨイグサの仲間同様の黄色。マツヨイグサ同様、四裂した雌蕊が大きく長く突き出ていてよく目立つ。柔らかい花弁が風に煽られやすいので花見は無風の夜中に。ほのかに甘い香りあり。
オオマツヨイグサの花期前の蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2020/05/31
軟らかな蕾周辺の茎にはアブラムシ(油虫)が無数に付いて(主に葉の)生育を阻害するので要注意。住友化学園芸「ベニカXファインスプレー」等の殺虫剤を大量に噴射して早急に駆除(ないし予防)すること。
#オオマツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/05 19:07
#オオマツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/05 19:02
#オオマツヨイグサ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/05 18:58
#オオマツヨイグサの蕊 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/05
#マツヨイグサと#オオマツヨイグサの大きさ比較 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/05
#オオマツヨイグサの曇天日の咲き残り 藤沢市宮前 2019/07/13 12:11
#オオマツヨイグサの曇天日の咲き残り 藤沢市宮前 2019/07/13 12:12
#オオマツヨイグサの曇天日の咲き残り 藤沢市宮前 2019/07/13 12:10
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 21:05
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 20:38
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 20:38
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 20:42
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 21:10
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 21:18
#オオマツヨイグサ 藤沢市宮前 2019/07/17 21:19
#オオマツヨイグサ、花径8.5cm 藤沢市宮前 2019/07/17 21:21
そろそろ咲きそうな蕾は、(萼が)赤っぽく染まる。マツヨイグサとメマツヨイグサの蕾(を覆っている萼)は開花寸前でも若々しい緑色である。この特徴がよく出ていればオオマツヨイグサを見分ける最も端的な手掛かりになる。
#オオマツヨイグサの赤みを帯びた蕾 藤沢市宮前 2019/07/13
同じアカバナ科のヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)と同様に、花は蕾の横っちょから出現する珍システムを採用。日の入り時刻辺りから蕾がほころび始め、見ているそばからみるみる花開いてゆく。三十分も眺めていれば、まさに花弁を広げる瞬間をいくつも観察できることだろう。
#オオマツヨイグサのほころび始めた蕾 藤沢市宮前 2019/08/18
#オオマツヨイグサの花弁を開く直前の蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/14 18:59
#オオマツヨイグサの赤い蕾と萼 藤沢市宮前 2019/07/17 21:14
咲き終わって萎(しぼ)んだ花も、基本的には黄色のままで赤色を帯びない。但し、うっすらオレンジ色っぽく染まったり、色が抜けて白っぽくなるものがないでもない。蕾の段階から赤みを帯びていた萼片はより鮮やかに赤くなっているだろう。花殻は黄色、萼片は赤である。マツヨイグサは花殻(はながら)が赤変する。メマツヨイグサの花殻はオオマツヨイグサ同様に黄色を維持、但し萼片は赤くならず緑色を維持する。
#オオマツヨイグサの咲き終わってしぼんだ花殻 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/14 19:02
#オオマツヨイグサの黄色を維持した花殻と赤い萼 藤沢市宮前 2019/07/13
#オオマツヨイグサの主な特徴のまとめ 藤沢市宮前 2019/07/17
オオマツヨイグサの実
葉腋(ようえき)に筒状の実ができる。花が大きかった割に実は拍子抜けするほどやけに短くて、茎上部の若い実は長さ1.5cm、下部の熟した実は2.2cm。メマツヨイグサの実も同様に短め。マツヨイグサの実は長い。熟すと先端部が裂けて割れ、中に納まっている多数の暗褐色の種子がぽろぽろとこぼれ落ちる。
#オオマツヨイグサの若い実 藤沢市宮前 2019/07/13
#オオマツヨイグサの熟した実 藤沢市宮前 2019/08/19
熟した実の裂片先端だけ強めに開く。種子は小さなそば殻のよう。
#オオマツヨイグサの種子 藤沢市宮前 2019/08/20
東京都小金井市他・#野川公園(自然観察園、6月~7月)
#藤沢市宮前