キジョラン

鬼女蘭 リンドウ目/ガガイモ科/キジョラン属 花期/7月下旬~9月 結実期/9月~11月 綿毛見頃/11月下旬~12月

有毒稀少保護

キジョランの葉 小田原市早川・関白林道 2018/12/01

キジョランの葉 小田原市早川・関白林道 2018/12/01

丘陵地や山地の林内や林縁部に生える常緑の藤本(とうほん)。多年草といわれることが多いが、大きく成長すると茎はしっかり木質化するため半低木としておく。雌雄同株(しゆうどうしゅ)。ガガイモ(鏡芋)の近縁種で、ラン(蘭)の仲間ではない。地表を這うこともあるが、基本的には他の樹木やフェンスなどにひょろひょろ登る。神奈川県内では分布が限られており、見かける機会はなかなかない。ただし、分布ある地域には意外と多く生えており、葉だけは普通。とはいえ蔓植物なので人目に触れてしまったら最期。目障りなものとして必ず刈払われてしまうため、木質化するほどよく成長した株にはまず出遭えない。

石塀を登るキジョラン 小田原市早川 2018/12/01

石塀を登るキジョラン 小田原市早川 2018/12/01

石塀を登るキジョラン 小田原市早川 2018/12/01

石塀を登るキジョラン 小田原市早川 2018/12/01

葉は対生で、卵円形と呼ばれる形状。基部は円形~切形(せっけい)~浅い心形(しんけい)。やや厚みがあり、柔らかく、無毛なので表面は照りつるつるしている。質感は(どこにでもある)アオキ(青木)の葉に近い。

キジョランの葉 小田原市早川 2018/08/26

キジョランの葉 小田原市早川 2018/08/26

キジョランの葉裏 小田原市早川 2018/08/26

キジョランの葉裏 小田原市早川 2018/08/26

トウダイグサ科の植物と同様に、葉などが傷つけられると白色の乳液を出す特徴がある。この手の汁は体質によってはかぶれることがあるので注意したい。また有毒成分を含んでいるので、舐めたり、汁気が付いた手で目をこするなどしないこと。

キジョランの切断した葉柄からしたたる白色の乳液(既に葉を失っていた柄を切った) 小田原市早川 2018/08/26

キジョランの切断した葉柄からしたたる白色の乳液(既に葉を失っていた柄を切った) 小田原市早川 2018/08/26

キジョランの葉はアサギマダラ(浅葱斑)の幼虫の食草になることで知られる。有名であるが故に葉を千切ってみて白色の乳液が出るかどうか確認する高齢ハイカーがたくさんいるようだが、キジョランであるかどうかは似たような形状と大きさの葉が(神奈川県内では)他にないため、傷めずともその見た目だけで判断可能である。強いていうならオオバウマノスズクサ(大葉馬の鈴草)が大きな心形の葉を作ることがあるものの、互生で、短毛が密生しているため光沢がなく手触りもざらざらしているので、違いは明瞭。

ハイカーに千切られた痕のあるキジョランの葉(丸形の穴は虫の食痕) 小田原市早川 2018/11/02

ハイカーに千切られた痕のあるキジョランの葉(丸形の穴は虫の食痕) 小田原市早川 2018/11/02

ハイカーに千切られた痕のあるキジョランの葉(丸形の穴は虫の食痕) 小田原市早川 2018/12/01

ハイカーに千切られた痕のあるキジョランの葉(丸形の穴は虫の食痕) 小田原市早川 2018/12/01

キジョランの花

葉が大きい割に花は小さく小指の爪サイズ。花弁は平開しない。株数そのものが多くない上に開花できるほど育ったものは更に少なく、キジョランの花はなかなかお目にはかかれないだろう。

キジョランの帰り花 小田原市早川 2018/12/01

キジョランの帰り花 小田原市早川 2018/12/01

キジョランの帰り花 小田原市早川 2018/12/01

キジョランの帰り花 小田原市早川 2018/12/01

キジョランの実

ガガイモと同様の実ができる。大きく膨らんで熟すのは花が咲いた翌年の秋以降。乾燥するとぱかっと割れて中から白色の綿毛が付いた種子が放出されるが、その様子が鬼女の姿に見立てられたようだ。鬼女は鬼婆(おにばば)の若いやつ。実ができるほどよく成長した株となると更に稀少で、キジョランの実にお目にかかれる機会はないに等しい。


高尾山(登り口から山頂に普通、実は稀少)、横浜市緑区・四季の森公園

猿島、森戸川源流、高麗山公園

小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース(川側に点在=歩道確保のため定期的に刈払いされてしまう、早川石丁場群付近 ※真夏は吸血目的が疑われる高速で飛翔するアブのような虫にまとわりつかれるので注意・タオルを振り回してもしつっこく付きまとい離れない・キンチョール散布効果なし

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