クサネム

草合歓 マメ目/マメ科/クサネム属 花期/7月末~9月 結実期/8月中旬~10月中旬

自生種稀少保護

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

日当たりのよい田んぼに生える一年草。畦の上のみならず、多少水に浸(つ)かる場所でも生育可能。イネ(稲)の中干しをしていたタイミングで生えてきたものか。つまりは湿性植物ないし抽水植物。名は、まるでネムノキ(合歓木)の実生(みしょう)のような姿の草だから。クサネムは黒っぽい種子が収穫したコメ(米)に混入してしまうとコメの等級を下げてしまうため、水稲農家からひどく毛嫌いされている忌々(いまいま)しい水田雑草である。そのため農薬などを使った徹底したクサネム駆除作戦が行われ、神奈川県内では駆逐をほぼ完了した。近年は県内で田んぼそのものの減少も急激に加速しており、クサネムを見かけることは尚更困難に。

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

草丈はときに1m近くにまで大きくなるため、収穫前の水田ではクサネムの頭が突き出て生えているのが見えるかもしれない。

イネに混じって生えるクサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

イネに混じって生えるクサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

イネに混じって生えるクサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

イネに混じって生えるクサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

茎は柔らかく、ほぼ無毛。毛が多く生えていたら、姿がよく似たカワラケツメイ(河原決明)か。茎が木質化していたらネムノキだろう。

クサネムの茎 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

クサネムの茎 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

偶数羽状複葉。小葉の先端は丸みを感じる形状。葉を手で触ると、オジギソウ(お辞儀草)のようにゆっくり閉じる運動をする。またネムノキ同様、夜間はしっかり閉じる。

若いクサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

若いクサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

クサネムの葉 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

クサネムの葉 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

クサネムの夜になって閉じた葉 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/30

クサネムの夜になって閉じた葉 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/30

クサネムの葉はキタキチョウ(北黄蝶)の幼虫の食草なので周辺に飛んでいるかも。幼虫はサイドに黄色い一本線が走る青虫。キタキチョウも湘南・鎌倉・三浦半島では数を減らしているキチョウである。なお無農薬で栽培すると大量のアブラムシ(油虫)が若葉の柄などに付着し生育を妨げる。

クサネム(栽培)の葉に産み付けられたキタキチョウの卵 茅ヶ崎市浜之郷 2018/09/20

クサネム(栽培)の葉に産み付けられたキタキチョウの卵(白色矢印) 茅ヶ崎市浜之郷 2018/09/20

市街地の舗装道路端などで小型なクサネムらしきものを見かけたらコミカンソウ(小蜜柑草)だろう。

クサネムの花

マメ科らしい形状で、成長するに併せて花はぽつりぽつりと咲いてゆく。花色は色褪せた薄い黄色。赤っぽいようなオレンジ色っぽいような茶色っぽいような条(すじ)が入る。花の見頃は8月上旬から中旬にかけて、全体的に若々しい緑の葉を蓄えているうちに。

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネム 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネムの実

マメ科らしい形状。花が長い期間にわたって咲くため、実の数は思いのほかたくさんできる。水稲農家が目の敵(かたき)にしていなければさぞしつっこい迷惑雑草だろうことは容易に想像できる。莢(さや)にはミシン目が入っている節果(せつか)で、焼き過ぎて焦げちゃった煎餅のような色に熟すと種子が”個包装”(小節果)に分かれて散布される。莢は完熟しても破裂はしない。なお花よりも実の生育が中心となる9月以降は葉が傷みよく散る。初秋の台風でずたぼろに。

クサネムの若い実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネムの若い実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネムの未熟な実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネムの未熟な実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/03

クサネムの未熟な実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

クサネムの未熟な実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/08/13

クサネム 茅ヶ崎市萩園 2018/09/08

クサネム 茅ヶ崎市萩園 2018/09/08

クサネムの熟した実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/09/08

クサネムの熟した実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/09/08

クサネムの熟した実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/09/08

クサネムの熟した実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/09/08

クサネムの熟した実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/09/08

クサネムの熟した実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/09/08

完熟した実はよく水に浮かんで沈まない。来年の初夏、湘南・鎌倉・三浦半島では5月下旬になろうか、田植えのために田んぼに水が張られるとクサネムの種子は浮揚し広範囲に散らばってゆくことだろう。風でも鳥でもなく、クサネムは水の流れという助けを借りて分布域の拡大を図っている。

クサネムの完熟した実と種子 茅ヶ崎市西久保 2018/09/08

クサネムの完熟した実と種子 茅ヶ崎市西久保 2018/09/08


寒川町田端(西久保橋北側の休耕田一画に大群生)、湘南タゲリ米の里(ビオトープ水田周辺、小出川土手側=晩夏の土手刈払いで人目に触れる、※8月は露出した肌(足が多い)に憑(と)りついてはちくりと刺してくる黄色っぽい飛翔する虫(ヨコバイか何かか、体長2cm程)がいるので注意・追い払っても再チャレンジしてくる・腫れはしないようだが少し痛い&気色悪い)、茅ヶ崎市萩園(十二天神社西側の田んぼ)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする