合歓木 マメ目/マメ科/ネムノキ属 花期/6月 結実期/9月
学名/Albizia julibrissin Durazz. var. julibrissin
自生種
ネムノキ 茅ヶ崎市中島・小出川沿い 2018/06/07
落葉高木で雌雄同株(しゆうどうしゅ)。赤みを帯びたブラシ状の花が特徴的。神奈川県内にもふつうに自生しているらしい。湘南・鎌倉・三浦半島で人目に付くのは公園に植栽されたものくらいのように思われるが、自生が混じっているのかはよくわからない。人目に付く大きな木はさほどないのでちょっと珍しい木のように感じられるかもしれないが、じつは小さな幼木はちょくちょくそこいらで見かけるので、ただの普通種。実生(みしょう)はしやすいだろう。市街地周辺の川べりなどひょんな場所に一本生えているのは、自生のものかもしれないし植栽からの実生かもしれない。幼木ないし若木は意外と身近なところに生えているも、大きくなるにつれ邪魔者扱いされるようになって伐採される運命にあるのだろう、花が咲くほど立派に育った木はなっかなか見かけない。相模川の石がごろごろしている河原にはよく生えている。
#ネムノキ 横須賀市・光の丘水辺公園 2017/06/24
#ネムノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/07/07
#ネムノキ 鎌倉市・cafe-meshi PoocH 2017/06/14
葉は偶数二回羽状複葉。ぱっと見の姿がよく似ているジャカランダは、軸の先端に一枚の頂小葉が付く奇数二回羽状複葉。
#ネムノキの葉 横須賀美術館 2017/06/16
#ネムノキの葉 茅ヶ崎市・浜見平団地 2021/10/21
#ネムノキの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/08/10
#ネムノキの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/08/10
#ネムノキの葉柄 茅ヶ崎市西久保 2018/08/10
#ネムノキの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/08/10
ネムノキという名は、同じマメ科のフサアカシア(房アカシア)同様に、日が暮れると葉が閉じて眠ったように見えるため。
曇天の夕方なため閉じている#ネムノキの葉 横須賀市・光の丘水辺公園 2017/06/06
ネムノキの実生
種子が発芽して生えてきた若い株を実生(みしょう)という。ネムノキの実生はクサネム(草合歓)やカワラケツメイ(河原決明)の仲間と姿が似ていて、目が慣れるまではじつに紛らわしい。
ネムノキの実生
公園や丘陵地の林内に生えている。周辺に親のネムノキがある。
茎(幹)が木質化する。
葉柄が長い。
小葉の先端が尖っている。
小葉の葉脈が極端に偏った位置にある(下の写真白線)。
カワラケツメイ
河原などに生えている。
草。
茎に毛が多い。
葉柄(ようへい)の付け根部分に黒色のぽっち(蜜腺)が一つある(下の写真白色矢印)。
小葉の先端が尖っている。
クサネム
田んぼ周辺などの湿地に生えている。
草。
小葉の先端が丸っこい。
川べりに生えたネムノキの若木 藤沢市円行・引地川 2020/09/30
ネムノキの花
よおく目を凝らして見たとてよくわからないが、にょくにょき飛び出ているのは雄蕊のみならず少ないながら雌蕊もある模様。先端に葯(やく)がないのが雌蕊。ブラシノキ(ブラシの木)と同じで、蕊はちくちくするような痛いものではなく非常に柔らかい。風によくなびくので花見はできるだけ風の弱い(風速2m/s以下)の日に。
ネムノキ 横浜市戸塚区・舞岡公園 2019/06/26
ネムノキ 横浜市戸塚区・舞岡公園 2019/06/26
#ネムノキ 茅ヶ崎市中島・小出川沿い 2018/06/07
花が白花だったらオオバネムノキ(大葉合歓木)の可能性。
ネムノキの実
マメ科なのでマメ(豆)ができる。
ネムノキの熟した実 平塚市・花菜ガーデン 2023/09/20
ネムノキの熟した実 横浜市戸塚区・舞岡公園 2020/11/14
横浜市金沢区・#金沢自然公園(みずの谷)、横浜市栄区・#横浜自然観察の森(畑に実生、タンポポの道3番階段脇に実生、アキアカネの丘(下)外れに実生)、横浜市戸塚区・舞岡公園(耕作体験田んぼに多い)
#横須賀美術館(谷内六郎館の観音崎側の庭)、#光の丘水辺公園、#東慶寺
#くりはま花の国、#明月院、#明月院通り、茅ヶ崎市中島・#小出川沿い(竜泉寺の湯の東方)
当地では、ネムノキが川沿いや丘陵地の各所で自生しており、ゆるやかに広がった樹形、風にそよぐ葉、ピンクの花に魅了されます。花からは甘い香りも漂います。
マメ科の実を野鳥(ヒヨドリ)が好むらしく、思わぬところから出現し、繁殖力も旺盛なため群生化します。
以前、わが家の庭に「ネムノキ」が出現したことに気付かず、その根絶に(クズに似た極太の主根を抜いても、残存してしまった側根から翌春に再発芽し)手を焼きました。
「遠くに在りて愛でるもの」を思い知らされました。