カワラケツメイ

河原決明 マメ目/マメ科/カワラケツメイ属 花期/9月上旬~中旬 結実期/10月中旬~11月上旬
学名/Chamaecrista nomame (Makino) H.Ohashi

薬用自生種稀少保護

カワラケツメイ 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイ 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

日当たりのよい河原や土手に生える一年草。群落を形成しやすい。葉はオジギソウ(お辞儀草)ネムノキ(合歓木)などに似たおもしろい形状のもの。花や実が付いていない状態だとクサネム(草合歓)と紛らわしい。草丈は人の膝(ひざ)程度。湘南・鎌倉・三浦半島にも分布は広くあるようだが、なかなか見かけない。

成長途中のカワラケツメイ 寒川町・相模川河川敷 2018/07/10

成長途中のカワラケツメイ 寒川町・相模川河川敷 2018/07/10

カワラケツメイの群落(移植保護) 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイの群落(移植保護) 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイの群落 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイの群落 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイ 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイ 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

小葉はほぼ対生し、細めで先端が棘(とげ)状に尖る。葉は手で触られるなどのストレスが加わるとゆっくりすこしだけ閉じる。170°くらいの角度でほぼ平開していたものが150°くらいにまで閉じる感じ。閉じたのか気のせいなのかよくわからない程度の話であるが。クサネムは小葉はやや幅広で先端が丸っこい。

カワラケツメイの葉 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/08/11

カワラケツメイの葉 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/08/11

葉柄(ようへい)の基部に蜜腺が一つあり。茶色(肉眼では黒っぽく見える)の楕円形の小さな瘤(こぶ)がそれ。クサネムに蜜腺はない。もし蜜腺に柄(え)があり突き出た形状だったら外来種のアレチケツメイ(荒地決明)

カワラケツメイの蜜腺(白色矢印) 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/08/11

カワラケツメイの蜜腺(白色矢印) 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/08/11

カワラケツメイの蜜腺(白色矢印) 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/08/11

カワラケツメイの蜜腺(白色矢印) 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/08/11

カワラケツメイは茎に細かい毛が密生、クサネムはほぼ無毛。細かすぎて肉眼では確認しがたい。

もしカワラケツメイの葉に青虫が付着していたらば神奈川県レッドリスト2006「絶滅」のツマグロキチョウ(褄黒黄蝶)の幼虫である可能性。見つけられれば”大発見”。ツマグロキチョウは平成22年(2010)秋に相模原市内で成虫のチョウ(秋に出現)が捕獲された記録があるので、もしかしたらいずこかで細々と生き残っている可能性も。

コミカンソウ(小蜜柑草)やその仲間も似たような姿をしているが、明確に小さいので混同することはないだろう。

カワラケツメイの花

花は葉腋に付き、花色は明るい黄色。どうやら咲くのは午前中。花弁はなかなかぱっと開くものではないようであるが、昼近くになると尚更閉じた状態に。花の観察は朝に限るか。

カワラケツメイのよく開いた花 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイのよく開いた花 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイのありがちな半開きの花 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイのありがちな半開きの花 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

だいたいはふわっとくしゃっと軽く開くだけの状態。

カワラケツメイ 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイ 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイ 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイ 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

マメ科なので花はしぶとく咲き続け、11月上旬までほぼ枯れたような状態にありながらも細々と花が付いているものも。

カワラケツメイの実

実はマメ科らしい姿で、キヌサヤ(絹鞘)形。傾斜した茎の下側に”前ならえ”状態で付く。アレチケツメイの実は茎より上方に跳ね上がる。

カワラケツメイの若い実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイの若い実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイの若い実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイの若い実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

上下が逆さま、仰向け姿。

カワラケツメイの若い実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイの若い実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/09/11

カワラケツメイの熟しかけた実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

カワラケツメイの熟しかけた実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

カワラケツメイのほぼ完熟した実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

カワラケツメイのほぼ完熟した実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

実はたいして膨らまず。莢(さや)が緑色から赤紫色に変色して熟す。熟した莢がしっかり乾燥すると炸裂して、中に納まっていた種子(豆)が周辺に撒き散らされる。

カワラケツメイの乾燥していない完熟した実を人為的に開いたもの 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

カワラケツメイの乾燥していない完熟した実を人為的に開いたもの 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

カワラケツメイの完熟して炸裂した実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

カワラケツメイの完熟して炸裂した実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

カワラケツメイの完熟して炸裂した実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28

カワラケツメイの完熟して炸裂した実 平塚市・馬入水辺の楽校 2018/10/28


東京都文京区・#小石川植物園(薬園保存園、分類標本園)、横浜市南区・#こども植物園

相模川(神川橋南側左岸の河川敷)、馬入水辺の楽校(上流ワンド=クズなどが生い茂りまったく立ち入れない、風車南側の草地に移植群落あり、花=9月10日頃、葉に食痕はなし、実=10月20日頃)

参考資料

「相模の記録蝶 No.25」 相模の蝶を語る会発行(2011)

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アレチケツメイ

クサネム

ネムノキ

コミカンソウ