小蜜柑草 キントラノオ目/コミカンソウ科/コミカンソウ属 花期/8月 結実期/9月~10月
自生種
コミカンソウ、地面を這う赤斑入りの葉はコニシキソウ 茅ヶ崎市西久保 2018/08/23
道端や農地周辺などに生える一年草で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。小型な草なので他の雑草が繁茂していない、かつ、人があまり踏み固めていない場所を好む。ちゃっかり花壇に居候していることも。名は、すこし潰れた球形の実がミカンに見立てられたもの。雑草として身近な場所に生えてくるが、だいたいは夏場の草むしりでひょいと引っこ抜かれて終わりだろう。あるところには大量にあり。どこにでもあるというわけでなし。全体的には普通種でどうということのないただの雑草。造成、開発、土木工事、国土交通省、そういった言葉がどうもお嫌いなようで、昔ながらの土地が長くあるところにコミカンソウも多くある傾向が感じられる。古き良き日本の雑草ということか。よく見かけるのは真夏から夏の終わりにかけて。
コミカンソウ 鎌倉市・浄光明寺 2019/08/27
コミカンソウの群生 茅ヶ崎市西久保 2019/08/02
コミカンソウ 茅ヶ崎市堤 2019/09/06
コミカンソウの群生 茅ヶ崎市・神奈川県藤沢土木事務所汐見台庁舎 2018/09/24
茎はコニシキソウ(小錦草)のように地べたにべったり張り付かず、しっかり立ち上がる。コニシキソウなどのトウダイグサ科の植物は茎を切断すると白色の乳液が滲(にじ)み出てくるが、コミカンソウの仲間は白色の乳液を出さない。
若いコミカンソウ、子葉は先端側が幅広 茅ヶ崎市西久保 2018/08/23
全体的な姿は若くてまだ小さいクサネム(草合歓)やカワラケツメイ(河原決明)に似て紛らわしい。小葉の形状はカワラケツメイより幅広な小判形なのでクサネムに似るが、カワラケツメイのように先端だけ棘(とげ)状に尖る。コミカンソウの小葉は基部に付くものから明確に互生している。
コミカンソウ 茅ヶ崎市・神奈川県藤沢土木事務所汐見台庁舎 2018/09/24
近似種にヒメミカンソウ(姫蜜柑草)あるも、全体的な姿も葉の形状も異なるので混同はないだろう。
コミカンソウの花
枝の下側で、葉に隠れるようにして咲く。が、小さすぎて咲いているのだか何なんだかは肉眼ではよく見えない。枝の基部側に咲くいくつかが雌花で先に咲く。枝の先端側には(肉眼では小さすぎて確認できない)黄色い葯(やく)のある雄花が付く。若くて小さい株であっても花や実を付けるたくましさあり。
コミカンソウ 茅ヶ崎市西久保 2018/08/23
コミカンソウ 茅ヶ崎市西久保 2018/08/23
新手の帰化雑草であるナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草)は、葉がもっと幅広で、花柄がたいへん長いのが特徴。花や実は葉に隠れることなく枝の上側に付く。
コミカンソウの実
枝の下側で、葉に隠れるようにして実ができる。枝と実の間には、ほぼないといってしまってよいくらいの短い柄(え)がある。実の表面にはぶつぶつした突起がある。赤みを帯びる。柄がしっかりあり、実の表面がつるっとしていたら、ヒメミカンソウないしキダチコミカンソウ(立小蜜柑草)か。
コミカンソウの未熟な実 茅ヶ崎市西久保 2018/08/23
コミカンソウの実 茅ヶ崎市西久保 2018/09/18
コミカンソウの実 茅ヶ崎市西久保 2018/09/18
コミカンソウの実 茅ヶ崎市西久保 2018/09/18
コミカンソウの実 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20
コミカンソウの実 茅ヶ崎市行谷 2018/10/20
浄光明寺(不動堂前に多数)、神奈川県藤沢土木事務所汐見台庁舎
茅ヶ崎市芹沢・下馬落観音堂(西方の農地)
コカンソウの駆除方法