姫蜜柑草 キントラノオ目/コミカンソウ科/コミカンソウ属 花期/5月末~8月 結実期/9月~10月
学名/Phyllanthus ussuriensis Rupr. et Maxim.
自生種稀少保護
ヒメミカンソウ 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
畑や道端に生えるらしい一年草で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。”姫”は小さくてかわいらしい植物の名に冠されるので、近似種コミカンソウ(小蜜柑草)に類似して、比較的小振りで葉がやや細身なもの、の意か。ヒメコミカンソウではなくヒメミカンソウである。これらは共に在来種。湘南・鎌倉・三浦半島にも多からず自生はあるようながら、見かけない。試しに栽培してみたところ、こぼれダネで大増殖してゆく雑草ではあった。乾燥にも耐えるが、コガマ(小蒲)の鉢植えでも成長したので炎天下の高温多湿でも、木陰でも大丈夫。
若い#ヒメミカンソウ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/05/31
ヒメミカンソウ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01
ヒメミカンソウ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01
コミカンソウの仲間は、直立する茎がしっかりあって、そこから横に枝が出て、葉はその枝にのみ付く。対してヒメミカンソウに限っては、直立ないし斜上する茎があってその上部に葉が付く、のが基本形。まるで地面から直接枝が生え出てきているような姿に見えるだろう。これがヒメミカンソウ最大の特徴である。茎の下部からは横に広がって伸びる枝も出て、枝にも葉は付く。びよーんと伸びた茎は長さ40cmくらいになることも。
コミカンソウとヒメミカンソウ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01
ヒメミカンソウの構造 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01
ヒメミカンソウ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01
#ヒメミカンソウ(左はコガマ、右の心形葉はトチカガミ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/02
プランターに雑草として生えていたヒメミカンソウ 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
ヒメミカンソウ(赤紫斑入り葉はコニシキソウ) 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
全体的に濃いめの緑色をしている。葉は、やや細めで先端が軽く尖り、葉脈が白っぽく見える。鋸歯のないイヌツゲ(犬黄楊)、といった印象を受ける葉である。大雑把なぱっと見の姿で見分けることはできるのではないか。
ヒメミカンソウの葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01
ヒメミカンソウの花
コミカンソウ同様、枝の下方で下向きに咲く。花径1mm程度の極めて小さなものなので、白っぽい花らしきものがあることだけは視認できるが細部は見えぬ。
ヒメミカンソウの小さすぎて見えない花(白色矢印) 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01
ヒメミカンソウ 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
ヒメミカンソウの花(白色)と実 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
ヒメミカンソウの花(白色)と実 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
ヒメミカンソウの実
コミカンソウと同様に、茎と枝の下方で下向きに付く。ただし、柄(え)は少し長めで、実の表面にはぶつぶつした突起がなくつるっとしている。
ヒメミカンソウの未熟な実 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
全体的な姿はナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草)になんとなく似ていながら花や実に長い柄はなく、実の表面はつるつる、であったならば熱帯アメリカ原産のキダチコミカンソウ(木立小蜜柑草)である疑い。
氷室椿庭園(少なからず生えるがことごとく除草されてしまう、コミカンソウも)
収玄寺(本堂向かって左奥のプランターに間借り)、湘南T-SITE(2号館)